それで長らく冬の時代だった女性ソロを分析しようとしたのだが、miwaの「ヒカリへ」が自身最大のヒットで歌詞検索でも月間ダントツ1位、西野カナの4thアルバムが好調、シェネルの「ビリーヴ」の今年最大級のロングヒット、更に後述のティーナ・カリーナのブレイクなど、女性ソロは月間TOP10中6曲を占めるほど、今花盛りとなっていて、これも十分目立っている。そこで、大所帯でもソロでもない2人組から5人組までのアーティストに限定することで、ブームに隠れたムーブメントをしっかりと見出そうというのが今回の主旨だ。
ランキングを見ると、1位は5人組バンドUVERworldの22ndシングル「THE OVER」。TBS系ドラマ『黒の女教師』中の恋人同士が熱く語るシーンで、フルサイズで何度も流れた主題歌。ガンダム・シリーズなどアニメ・タイアップのヒットが目立つ彼らだが、実はドラマ・タイアップ・ヒットも多い。激しさも恋しさもMAXに聞こえるTAKUYA∞のボーカル力も大きいことだろう。
2位と6位には、4人組バンドのONE OK ROCKがランクイン。
2位の最新曲が、自身初のシングル10万枚ヒットとなったが、それに伴い6位の旧作シングルや2010年、2011年のアルバムが週間TOP100入りするほど今年になってファンを大きく拡大。歌ネットの歌詞検索では昨秋にその大きな動きがあったので(詳しくはこちら)、本サイトのヘビーユーザーにとっては、彼らのブレイクは今さら語る必要もないほどかもしれない。
他にも、バンド楽曲は上位15曲中9曲を占め、さらに7位のHY、10位のサカナクション、13位のSEKAI NO OWARIなど男女混成バンドの上位入りも目立つ。これは、世間的なバンドのシェアから見ても、かなり多い。男女混成の方が、恋愛などより感情移入しやすい聞き方ができることが多々あるからだろうか。
バンド以外の5人以下ユニットは、Juliet、ソナーポケット、コブクロ、GReeeeNのみ。特に、Julietはこの4組中で唯一10万枚ヒットがないグループ、かつ唯一の女性グループ、しかも世間的に冷たくあしらわれがちなギャル系で、尚更に頑張っているように思えた。
以上のように、5人以下ユニットを調べてみると、その大半がバンドとなり、しかも、BUMP OF CHICKENやRADWIMPSのようなヒット常連や、ONE OK ROCKやSEKAI NO OWARIなどファン増殖中など、いずれも本当に注目されているバンドばかりが集まっていることが分かる。つまり、今後もブレイク・バンドを占う指標として、歌詞人気はますます重要のようだ。