全体での1位は08年の加藤ミリヤのシングル曲。一部では、最新シングル「You…feat.仲宗根泉(HY)」のカップリングに、「SAYONARAベイベー(Nao Tanaka Remix)」が収録されたことが再浮上要因と思われているようだが、実際はTwitterやLINEでこの歌詞(“会いたい““『僕も会いたい』”“ほんとに?嘘じゃない?”“『僕には君しかいない』”など)に沿って、別れを実践したり、またその大半が悪ふざけしたりが大流行したことが要因だろう。確かに、この楽曲の迫り来る感じは、別れの状況をリアルに示しており、あらためて加藤ミリヤの作詞力に唸らされる。
そして、2位には、8月末にDVD付CDも再発売されテレビ出演も増えた吉田山田、3位には今夏SNSでの注目度はダントツだったドラマ『昼顔』主題歌の一青窈の初出カバー・バージョン、そして5位には当初幼稚園&保育園児で大流行していたが、今では中高生たちがカラオケBOXや文化祭の出し物として流行らせている「ようかい体操第一」が再浮上と、いずれも納得の人気曲ばかりだ。こういう現象を見ていると、CDセールスと歌詞検索のどちらを見れば、ヒット曲が探せるか、一目瞭然ではないだろうか。
さらに注目すべきは、back numberの11年〜12年の初期楽曲がこぞって再評価を受けているということ。彼らが3月に発表したアルバム『ラブストーリー』は半年経っても毎週数百枚ずつコンスタントに売れており(無論、握手券効果ではない)、その前兆とも言えるヒットが既に無料の歌詞検索では現れているということだろう。RADWIMPS、ONE OK ROCK、SEKAI NO OWARIなどが続々と歌詞検索および動画検索サイトでヒットし、後のダウンロード&パッケージヒットに繋がっていった前例からも、今のうちから彼らをチェックしておくと良いかもしれない。
その他にも、4位の「小さな恋のうた」、9位の「三日月」、6位と10位の「Best Friend」2曲と、いずれもこの1ヶ月の音楽番組で放送されたものが着実にランクアップ。13位の「最後の雨」はカラオケ番組でカバーされたことも大きい。これらの結果から、歌詞検索ランキングで浮上した旧作は、本当の話題作と見て間違いがないだろう。