Q)1972年発売、デビューから4枚目のシングル「瀬戸の花嫁」は、今でも歌い継がれる名曲です。歌ネットでも、歌謡曲ランキングの上位20位以内から下がったことがないくらいです。今回、再録音されたニューバージョンが入っています…
ありがとうございます…。そうですね、やはり今でも多くの方に愛されている曲ですし、自分の中でも「歌いたい」という気持が大きくあったんです。平尾先生(平尾昌晃)も、「今のルミ子で入れようよ」と言ってくださって、41年前の楽曲と、今のものと、両方のルミ子を聴いてもらおうってことになって、再レコーディングすることになりました。それで、今回は、皆さんが歌いやすいようにキーも少し下げて、男の人も歌えるように、男性用のカラオケバージョンも付けたんです。

Q)あれほどヒットした曲ですから、どうしてもオリジナルバージョンのイメージが強くありますが、今回のニューバージョンには、今の良さがあります。より言葉をかみしめるように歌われているのが印象的です。
ありがとうございます。今回は、41年前にレコーディングした時とは、また違った緊張感がありましたね。

Q)どんな緊張感だったのでしょう…
41年前、ディレクターが「ルミ子!すごい曲ができた!」って持ってきて聴いた時、「これは絶対売れる!」って背中に電流が走った感じでした。詞も曲もアレンジもいいし、スタッフも全員「この曲は売れる」って思ってて、「あとは、私の歌唱だけ…」っていう、すごく責任重大な状況で、それこそ大人の責任をすべて背負って歌わなくてはいけなかった…、そんな緊張感の中でマイクの前に立ちました。

Q)今回の緊張感は…?
今回は、41年たっても皆さんに愛されている曲のイメージを壊してはいけない…、丁寧に歌わなくてはいけない…とか、そういった緊張感がありましたね。それだけ、「瀬戸の花嫁」という曲は色あせないというか、それだけ重くて、存在が大きいんですね。

Q)昔の大ヒット曲は独り歩きしてしまいます。リスナー側が、ノスタルジーを感じるあまり、新しい挑戦の中にある良いものを見過ごしてしまうことは不幸だと思いますが、それでも、「前の方が良かった…」と言われてしまうリスクもあるわけですから、再録音するのは勇気がいると思います…
そうですね、軽い気持ちで立ち会えないというか、生半可な気持ちでは、あの曲に負けてしまう気がしていました。だから、姿勢を正して(笑)、マイクに向かいました。

Q)録音のプレイバックを聴かれて、「これでオッケー!」という感じでしたか?
いえ…あのね…、私、もう数え切れないくらいレコーディングしてきたんですけど、「これでオッケー!」「これ最高!」っていうことは、今だかつてないんです。毎回、もう、どこかしら気になるし、「もうちょっと歌わせてくれたら…」とか、「ここをもうちょっとやりたい…」とか、常にあります。でも、そういうものなんですよね、レコーディングって。だから、レコーディングの時、「これで完璧」って思った曲は、これまで1曲もないですね(笑)。

Q)数多くのヒット曲がありますが、それぞれ、みんな不満なところがあるということですか?
そうです、そうです(笑)。完璧と思った曲は、1曲もないですね(笑)

Q)今回のシングルに収録されている「瀬戸の花嫁」のニューバージョンも…
ないですよ! 平尾先生とディレクターに、「これで、OK!」って言われて、私は「あぁ…これでオッケーかぁ…」っていう感じです(笑)。

Q)レコーディングのその日ではなく、のちのち聴き直してみても、やはり気になるところはあるのですか?
ありますよ〜。それは、レコーディングに限らず、ステージもそうですし、テレビもそうですし…、人には言いませんけど、毎回、自分の中では、いつも反省点が残ります。逆に、それがなくなったら成長が止まると思ってますし、また次に、それを克服して、今度は、こういうところに気をつけてやろうとか…、その連続ですよね。

Q)求めているレベルが高いっていうことですね…
う〜ん…、まあ、そういう風に受け止めて下さるのは嬉しいんですけど…、プロとしては、みんなそうなんじゃないかって思います。

Q)ストレスがたまりますね…
う〜ん、ヘンな言い方ですけど、たとえば、レコード、CDっていうのは、ご自宅とか車の中とか、何回も繰り返し聴いていただくわけじゃないですか。なので、少々物足りないくらいがちょうどいいって言われるんですよね。ステージっていうのは、ステージならではの歌い方があるので、また違うんですけど、レコードは、腹八分目くらいがちょうどいいと思っています。「おなかいっぱいになっちゃうから」っていうのは、ずっと言われてきましたね。だから、歌い過ぎちゃだめなんですよね。

 


Q)デビューのきっかけは平尾昌晃さんとの出会いで、デビュー曲の「わたしの城下町」をはじめ、「お祭りの夜」「瀬戸の花嫁」「京のにわか雨」など、デビュー当時のヒット曲のほとんどを作曲されていますが、平尾さんは、どういう方ですか?
とにかく「熱い人」ですね。今でも、先生と初めてお会いした時のことを思い出すんですけど、私が、初めて先生に「宜しくお願いします」ってご挨拶した時に、私のことを何も知らないのに、私の歌すら聴いていないのに、私の目を見ただけで「この子はいける!」っておっしゃったんです。そのあとですね、私の歌を聴いたのは。だから、すごいんです。やっぱり、先生の感性の鋭さなんでしょうね。先生が目をみて「この子はいける」って思わなければ、今の私はいないわけですから。

Q)それはすごいですね! ありえないです!
そうですね、ありえないですね。私のどこが良かったのかわかりませんけど…、私の目も燃えていたんでしょうね(笑)。なんとか歌手になりたいって思いが伝わったんじゃないでしょうか。それで「デビューする時は僕に曲を書かせてください」と、その当時の社長(故渡辺晋氏)に言ってくれたんです。

Q)最初に平尾さんが歌を聴かれた時には、何と言われたのですか?
お会いしたあとで、テープか何かで聴いていただいたようなんですけど、その感想とかは直接は聴いていないんです。でも、すごくいい声していて、声に惹き付けられたってようなことは、あとから聞きましたけど。

Q)それで、デビュー曲の「わたしの城下町」が出来たわけですが、ただ単に、メロディが美しいというだけでなく、ルミ子さんの最も魅力的で特徴的な声が引き出せるメロディになっています。その平尾さんの感覚もすごいですね…
そうですね〜。でも、「わたしの城下町」は、テイクワンが、そのままレコードになったんです。

Q)えっ、本当ですか! 最初のテイクで…本番は1回しか歌われていないということですか?
ええ、そうなんです。私は、前から「レコーディングって大変よ」って、先輩方からさんざん聞いていましたから、だから、作曲の平尾先生と、作詞の安井先生(安井かずみ)という二人の大先生を前にして、「どれくらい時間がかかるんだろう…」って思って、すごく緊張していたんです。そんな私を見て、安井先生が「もう、ルミ子ちゃんの好きなように歌って〜」っておっしゃってくれたんですけど、ブースの中から、そんなお二人を見ながら緊張して歌ったテイクワンで、オッケーになったんです。

Q)デビュー曲ですから、それ以前は、レコーディングの経験もなかったわけですよね…
ないです…初めてでした。だから、覚悟して行ったのに、「えつ!これで?」って感じで、びっくりしました。


Q)今聴いても完璧に聴こえますが、その時、具体的にどこが気になったのですか?
「オッケー!」って言われて、「じゃ、ルミ子ちゃん、こっち来て聴こう」って呼ばれて、お二人の間に入って聴いたんですけど、聴いても、自分ではどこがOKなのかわからなかったんです。なんか物足らない…、サビはもっと感情移入したい…、もうちょっと歌いこみたい…って感じでした。

Q)ちなみに、「瀬戸の花嫁」の時は、どうだったのですか?
それも、3〜4回歌ったら、もうOKって言われましたね。あれも、物足りなかったですけど…(笑)。



Q)前作の「アカシアの大連」は、ゆったりとしていて、ルミ子さんらしい、とても雰囲気のある曲でした…、小柳ルミ子さんといえば、常に新しいことに挑戦して、新しい面を見せてくれるという印象がありますが、今回も、また新しい一面が出ている印象です…
そういう意味では、今回は、ガラリと変わっていますね。

Q)最新曲の「青林檎」は、平尾昌晃さん作曲、一青窈(ひとと よう)さん作詞の曲です…
まず、異色の組み合わせに驚きました。デビューの時からですから、平尾先生のメロディにはなじみがありますけど、その平尾先生のメロディに、あの一青窈さんの独特な感性が、どういう風に乗るんだろうって期待もしていましたし、それにどんなアレンジが付いて、どんな作品になるんだろう?っていうのが全く予測がつかない組み合わせでしたからね。

Q)若草恵さんのアレンジも、キャッチーで豪華で、心地良いリズム感です…、最初に聴かれてどう感じましたか?
平尾先生のメロディに詞が付いて、若草先生のアレンジが出来た時には、「お〜っ!」という感じでした。こういうアップテンポのものは久しぶりだったので、すごくワクワクしましたね。アレンジも派手な感じで…、さすがですよね〜。

Q)平尾さんのメロディも斬新ですね…
そうですか…? 私は、デビューの時から、もう何曲も先生に書いていただいているので、そんな感じはしないですね。でも、先生のメロディっていうのは、さり気ないんだけれど、実際、歌ってみると音が取りにくかったり、結構むずかしいんですよね。

Q)言葉のせいもあって、斬新に聴こえたのだと思うのですが、キャッチーに聴こえるんですけど、譜割りというか、メロディが難しいなと思いました…
はい。それは、前からそうなんです(笑)。やっぱり、先生が歌い手さんでいらっしゃるから、歌えるからだと思うんですよね。でも、聴くと、すごく簡単に聴こえるんですよね。

Q)平尾さんからは、ご自身が歌われているデモテープをもらったりするのですか?
はい。昔は、ギター1本で、「ラララ〜」とか適当な言葉で歌われたデモテープを作られていましたけど、最近は、打ち込みとかで、ある程度は、アレンジのイメージも作られています。

Q)今回も、平尾さんが一青窈さん歌詞で歌われたデモはあったのですか?
ありました。もうちょっと、テンポはゆったりしていましたけどね。

Q)その平尾さんの歌われた音を最初に聴かれるわけですから、そのイメージも印象に残ると思うのですが、ご自身で歌う時、レコーディングの時に気をつけたのは、どんなところでしょうか?
レコーディングの時に気を付けたことは、もうとにかく、心地よくリズムに乗る、あまり歌いこみすぎないで、淡々とリズムに乗るということですね。サビの「ぜんぜん〜」というところだけは、何回も出てきますから、「ちょっとルミ子らしい表現をしてみて」って先生に言われて、ちょっと変化を付けて歌いました。

Q)毎回サビの中で最後の「ぜんぜん〜」が印象的に聴こえます。ミュージカル風というか、歌の中で演じている感じがしました…
そうですね。「ちょっと芝居っぽくやってよ」って先生に言われました。でも、そこくらいですね。あとは、もう、とにかくリズムに乗って歌ってほしいと言われました。



Q)一青 窈(ひとと よう)さんの歌詞は、本当に独特です。最初に「青林檎」の歌詞を読まれた時、どうお感じになられましたか?
そうですね〜。歌詞の中に、「急にピンポンして〜」ってあるんですけど、最初、「ピンポンてどういう意味なんだろう?」って思いましたね…、「卓球じゃないしなぁ…」って(笑)。それで、「あっ、インターフォンのピンポンか!」って気が付いたんですけど、歌詞にこういう言葉を使うところが一青窈さんだなって思いましたね。

Q)一瞬、よくわからないところもありますね…
そうなんですよ。とくに、文字だけで見るとね。

Q)でも、歌としてルミ子さんの声で聴いていると、気持が伝わってきますね…
そうですね。昔から私に書いてくださっているような大御所の作詞家の方々にお願いすると、多分、こういう詞は絶対に上がってこないだろうと思いますね。やっぱり、「瀬戸の花嫁」で、「して して 奪って…」ってはならないですからね(笑)。おそらく、こういう刺激的なフレーズは出てこないだろうと思いながら、逆に、一青窈さんだからというか、同姓で、彼女が今の私を見て、こういうフレーズが浮かんできたっていうことが嬉しかったですね。

Q)もともと、一青窈さんのことはご存じだったのですか?
いえ、一度も面識はないんです。

Q)平尾さんが「作詞は一青窈さんでいこう」と決められたのですか?
はい、そうです。一青窈さんは、昭和歌謡曲がお好きらしくて、歌謡曲のカバーアルバム(「歌窈曲」)も出されているんです。それで、お仕事でご一緒された時に、平尾さんと意気投合されて、「今度、ルミ子ちゃんに書いてみない?」っておっしゃったみたいですよ。

Q)一青窈さんを抜擢された平尾さんもすごいですね。まさに、ルミ子さんと初めて会った時のような直感だったのでしょうか…
そうかもしれませんね…。

Q)サビの「ぜんぜん…」が、耳に残る歌です。どうして、この曲のタイトルは「ぜんぜん」にしなかったのかなと思うくらい印象的です…
そうですね〜(笑)。実は、そういう意見もあって、ずいぶん最後まで協議しました。

Q)でも、青林檎がキーワードになっていますから、よく聴きこむと、このタイトルも納得です…
そうですね、一青窈さんの思い入れもあったみたいですしね。


  【 「青林檎」発売記念・インストア イベント 】

1月12日 (土) イオンモール 土浦(茨城県) 13:00〜 / 16:00〜
1月14日 (祝) イオンタウン 木更津朝日(千葉県) 11:00〜 / 14:00〜
1月19日 (土) イオンモール 津田沼(千葉県) 13:00〜 / 16:00〜
1月26日 (土) イオンモール 下妻(茨城県) 13:00〜 / 15:00〜
1月27日 (日) イオンモール 船橋(千葉県) 13:00〜 / 16:00〜

  最新情報、詳しくはコチラ!
シングルCD 「 青林檎 」  

2012年 12月 5日発売
日本クラウン
CRCN-1661
\1,200- (税込)

<CD収録曲>

1. 青林檎
2. 瀬戸の花嫁(ニューバージョン)
3. 青林檎 [オリジナル・カラオケ]
4. 瀬戸の花嫁(ニューバージョン)[オリジナル・カラオケ]
5. 青林檎 [男性用・カラオケ]
6. 瀬戸の花嫁(ニューバージョン)[男性用・カラオケ]
 


芸 名  : 小柳 ルミ子 (こやなぎ るみこ)
生年月日 : 1952年(昭和27年)7月2日生まれ
出身地  : 福岡県 福岡市
血液型  : A型

1970年、宝塚音楽学校を首席で卒業し、NHK連続テレビ小説「虹」で女優としてデビュー。作曲家・平尾昌晃との出逢いにより、1971年4月25日「わたしの城下町」で歌手デビュー。160万枚の大ヒットとなり日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。その後、「お祭りの夜」「瀬戸の花嫁」(日本歌謡大賞受賞)「京のにわか雨」「漁火恋唄」などヒット曲を連発し、70年代を代表するアイドル歌手として活躍。70年代後半から80年代にかけては、持ち前の歌唱力を活かした正統派歌手として「星の砂」「来夢来人(ライムライト)」などがヒット。80年代には、それまでの日本情緒あふれる楽曲から一変し、「お久しぶりね」「今さらジロー」などの曲が大ヒット。NHK紅白歌合戦には、1971年(昭和46年)から1988年(昭和63年)まで18年連続出場。また、女優としても、1982年「誘拐報道」でキネマ旬報賞助演女優賞、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞。1983年公開の「白蛇抄」では、迫真の演技が話題とり、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。2010年には芸能生活40周年を迎える。2011年に、日本クラウンに移籍し、シングル「やさしくして」を、2012年にはシングル「アカシヤの大連」を発売。ステージはもちろん、ミュージカルや映画、テレビなどでも活躍中。

小柳ルミ子 オフィシャルブログ
小柳ルミ子の歌詞

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