達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」、「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きして、毎月、紹介していくこのコーナー。
今回は、「Chase the Chance」「Don't wanna cry」安室奈美恵、
「precious・delicious」知念里奈、「眠レナイ夜ハ眠ラナイ夢ヲ」柴咲コウ、など
数多くの作詞でお馴染みの「前田たかひろ」さんをゲストにお迎え致しました。
・安室奈美恵
「Chase the Chance」'95(日本テレビ系ドラマ「ザ・シェフ」主題歌)
「Don't wanna cry」'96(ダイドー「mistio」CMソング)
・織田裕二
「Shake it UP」'98(CX系ドラマ「恋はあせらず」主題歌)
・NITRO
「CALLING」'99(映画「逮捕しちゃうぞ the MOVIE」主題歌)
作詞家ってのは世間的には裏方であって、作詞家個人的には好き勝ってやってるって位置付けがいいように思います。飽くまでも歌う人のコトバであるべきだけれども、裏切りも必要。主義としては基本的に歌う人の分身であろうと思ってますが、分身とは言え、まったくのコピーじゃつまらない。そこに自分の主義主張や、この歌い手サンはこんなことを歌ったらカッコイイってを思うことを織り込む。それがたまんないんです。
この詞、正直寝ぼけマナコで書きました。音楽プロデューサーの日向大介さんがL.A.にいて、時差などの関係で〆切前夜まで打ち合わせが出来ず、しょうがないから寝ちゃってたら次の日の朝6時頃に国際電話・・・。
「みんなスタンばって詞を待ってるんだけど・・・。」
ナ、ナニ!?・・・起きて書きましたよ。
おまけに歌詞の歌い方を伝えるために国際電話越しに歌ったっけ・・・・。
まぁ夢見心地ってのはナンにせよいいものです・・・。
前田 たかひろ(作詞家・プロデューサー)
前田たかひろの手掛けた代表的な作品は、安室奈美恵の「Chase the Chance」「Don't wanna cry」('96日本レコード大賞 大賞受賞)、知念里奈の「precious・delicious」('97日本レコード大賞 新人賞受賞)の他、松たか子・鈴木あみ・TRF・観月ありさ・甲斐バンド・織田裕二・吉川晃司等、数多くのアーティストに詞を提供している。
なお、99年にはアメリカのシンガーソングライターであるジャニス・イアンを作曲家として迎え、自らの総合プロデュースによるミサオをデビューさせた。
■オフィシャルサイト「週刊 前田たかひろの作詞屋のDNA」
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2004.2.11 発売
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■書籍情報
CREATOR'S HANDBOOK「作詞のリズム」(リットーミュージック)
【これまで登場した作詞家さん】バックナンバー