達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」、「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きして、毎月、紹介していくこのコーナー。
今回は、1986年の春に出したCHAGE&ASKAの「TURNING POINT」というアルバムで、作詞家としてデビューし、その後、早見優、西田ひかる、光GENJIなどの作品を手掛け、デビュー以来会社員と作詞家という二足の草鞋を履いて活躍されている「澤地隆」さんをゲストにお迎え致しました。
・CHAGE&ASKA「Count Down」
・ MULTI MAX「SOME DAY」「WINDY ROAD」「勇気の言葉」
・早見優「NEWSにならない恋」
・西田ひかる「プン プン プン」
・光GENJI「TAKE OFF」
・佐々木ゆう子「恋はC'est si bon」
・明石家さんま「シングル・ベッド」
歌詞は詩とは違います。曲にのって、聴いてみて、いいかどうかです。
そして、さらに読んでもいいかどうか。簡単な言葉で、そんなふうに心に染みる詞が書けるよう、よく遊びよく学んでいます。しっかりしたテーマ、感じるタイトル、どこにでもある生活、ああそうそうと思える感情、明日へ続く道・・・詞を書く時に大切にしていることです。
この詞ができるまで、何度書き直したことでしょう。
何回書いてもプロデューサーとCHAGEさんのOKがでず、気分転換に夜中までみんなで飲んで、そのまま明石家さんまさんの公開ラジオ番組に押しかけて、明け方タクシーで帰宅し、ほんの2時間ほど寝て、起きた瞬間にこの詞のテーマが降りてきたんです。あとは言葉がわきあがるように出てきて、どこを削るかが大変でした。その日のレコーディングで、みんなが気に入ってくれた時のことや、さらにスタジオで少しだけ手直しをしたことなどは、今でも忘れられません。
1961年4月8日生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。
キーボーディストとしていくつかのバンドに参加したのち、1986年作詞家としてデビュー。
CHAGE & ASKA、MULTI MAX、郷ひろみ、西田ひかる、田原俊彦、佐々木ゆう子他、数々のアーティストに詞を提供。
YCCR-10001
2004.11.03発売
M3;レノンのミスキャスト
M5:夏の終わり
M8:ショート・ショート
【これまで登場した作詞家さん】バックナンバー