言葉の達人

SAKUSHIKA

 達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」、「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きして、毎月、紹介していくこのコーナー。
今回は、『時間よ止まれ』などのポップスから『銀河鉄道999』などのアニメ・特撮ソングまで幅広いジャンルでご活躍され、多くの人の心に残る作品を世に送りだしている「山川啓介」さんをゲストにお迎え致しました。

山川啓介

代表作

太陽がくれた季節」/青い三角定規
ふれあい」/中村雅俊
時間よ止まれ」/矢沢永吉
銀河鉄道999」/ゴダイゴ
哀愁のカサブランカ」/郷ひろみ
聖母たちのララバイ」/岩崎宏美
その他、多数。
井出隆夫 名義作品
北風小僧の寒太郎
ありがとう・さようなら
さよならマーチ」/
その他、多数。

作詞論

画家とイラストレーターが違うように、詩人と作詞家は別の存在。
作詞家は依頼された条件の中でのみ自己表現が許される、「言葉の技術者」ではないかと思っています。

山川さんに伺いました。
Q:
作詞家になったきっかけは?
A:
学生時代から、サークルでミュージカルの台本や歌詞を書いていました。そのままずるずると。
Q:
プロ、初作品について
A:
ビールのCMソング(のちにレコード化)だったかな?
Q:
作品を提供したいアーティスト
A:
特に誰にということではなく、クラシックの歌曲の作詞や訳詞ができたら、と。
Q:
あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
A:
う〜ん…。由紀さおりさんの『土に還るまで』かな?
Q:
なぜ「詩を書くことを選んだか」
A:
歌が好きだったから。先人たちの名作の数々に出会ったから。
Q:
プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A:
謙虚に、大胆に、先輩たちを越えて行ってください。
歌詞を見る しあわせのカノン由紀さおり・安田祥子

クラシックの名曲、パッフェルベル作曲の『カノン』に歌詞をつけたもの。
メロディーが先の作詞が好きなのですが、私にとっては“究極のハメコミ”でした。

■私の好きなあのフレーズ
「そうよあなたは誰かの幸せ〜」

PROFILE

山川啓介Keisuke Yamakawa

本名 井出隆夫
生年月日 昭和19年10月26日
出身地 長野県
最終学歴 早稲田大学第一文学部

レコード・CMの作詞・訳詞、ミュージカルの訳詞・脚本、コンサートの構成など幅広く活動をしている。
たくさんのシンガーのアルバム制作に参加しリリックアドバイザーとしても活躍している。
また、本名の井出隆夫の名前では、子供たちのための歌作りや幼児向け番組の原作・脚本を手がけている。

<幼児番組>
「にこにこ、ぷん!」原作・脚本・作詞を担当(1982年4月〜1998年3月の長期間にわたりNHKにて放送)
「ドレミファ・どーなっつ」原作・脚本・作詞を担当(1992年4月〜1999年3月NHK「おかあさんといっしょ」にて放送)

[CDリリース情報]

布施明&森山良子
「やさしく愛して
〜 Love Me Tender」

UMCK-5159 ¥1,260(tax in)
2006.12.13 Release

由紀さおり・安田祥子
「メモリアル100曲集〜由紀さおり 安田祥子
童謡コンサート2000回記念〜」

TOCT-26131 ¥4,800(tax in)
(DISC 3 M15:しあわせのカノン)
2006.11.15 Release

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