言葉の達人

SAKUSHIKA

 達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きしてご紹介していくこのコーナー。
今回は、第34回日本作詞大賞において最優秀新人賞を受賞、叙情的な世界を美しい日本語で表現し、演歌・歌謡曲から映画・TVドラマの主題歌・挿入歌まで幅広いジャンルで作詞を手掛けられている「さくらちさと」さんをゲストにお迎え致しました。

さくらちさと

代表作

こまくさ帰行」/岩本公水
恋暦」/小林旭
青春の忘れもの」(テレビ朝日「ちい散歩」エンディング曲) /あさみちゆき
年々歳々」/瀬川瑛子
夢の翼」(NHK連続テレビ小説「純情きらり」挿入歌) /新妻聖子
その他多数

作詞論

「頭の二行に命をかける」
師の残してくれた言葉のひとつです。
書くほどに、この言葉の重みが増してきます。
そして、正しく美しい日本語にこだわること。
ひたむきに「ひたむきな想い」を書くこと。

さくらさんに伺いました。
Q:
作詞家になったきっかけは?
A:
星野哲郎先生の一番弟子「古野哲也先生」との出会い。この出会いが本格的に作詞を学ぼうと決心するきっかけになりました。
Q:
プロ、初作品について
A:
「夕焼けブランコ」/ あさみちゆき
アルバム「あさみのうたII」に収録。
Q:
作品を提供したいアーティスト
A:
私の作詞した歌を歌ってくださる方、すべてに。
Q:
あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
A:
「みんな、仲間。」/ 作曲:大島ミチル(長編アニメーション映画「大ちゃん、だいすき。」主題歌)
上映期間は短かったのですが、その後も学校や地域で自主上映して下さっている映画。障害を持った少年とその家族の絆がテーマでした。試写会で歌が流れた時は、思わず涙がこぼれました。
Q:
なぜ「詩を書くことを選んだか」
A:
元来、和歌や俳句等が好きでした。現在の演歌歌謡曲、J-POPで歌われている想いは1,200年以上前の万葉集とまったく変わらない…人の心は不変だと知った時、それに気付かせてくれた「歌」というものの凄さに改めて気付きました。短い簡単な言葉で人の永遠の想いを伝える、歌は素晴らしい。そしてむずかしい。だから面白い。
Q:
プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A:
あきらめないこと。
歌詞を見る 涙の数 岩本公水

アルバム「光の射す方へ…II」に収録。
公私共にいろいろな事があり、作詞を含め全てのことに自信を失くしていた時。東日本大震災の年です。縁あって書かせていただき、「デモテープを聴いた瞬間から唄いたくてたまらなかった」と言ってくれた公水さんの言葉に救われ、もういちど頑張ろうと思うことができました。

■私の好きなあのフレーズ
「涙の数だけ しあわせきっと来る」

PROFILE

さくらちさとChisato Sakura

作詞家・星野哲郎氏に師事。
第34回日本作詩大賞最優秀新人賞受賞。
演歌・歌謡曲の他、映画やTVドラマの主題歌・挿入歌、テーマパークのテーマ曲、童謡(NHK「おかあさんといっしょ」)等の作詞を手掛け、現在に至る。

[CDリ

なつこ
「氷の焔」

CRCN-1642 ¥1,200 (tax in)
2012.9.5 Release
M-1:「氷の焔」

岩本公水
「こまくさ帰行/姫鏡台」

KICM-30447 ¥1,200 (tax in)
2012.7.11 Release
M-1:「こまくさ帰行」
M-2:「姫鏡台」

えひめ憲一
「故郷がいちばん」

COCA-16625 ¥1,200 (tax in)
2012.7.18 Release
M-1:「故郷がいちばん」
M-2:「おいでんか松山へ」

小林旭
「昭和・男道」

TECA-12350 ¥1,200 (tax in)
2012.6.20 Release
M-2: 「恋暦」

リース情報]

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