言葉の達人

SAKUSHIKA

 達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きしてご紹介して行くこのコーナー。
今回は、V6やAAA、Do As Infinityなどの最新J-POP作品からアニソンまで幅広く手掛け、小説家・脚本家としてもご活躍されている「Mio Aoyama」さんをゲストにお迎え致しました。

秋谷銀四郎

代表作

Mission of Love」「New Day」/V6
Love@1st Sight」/AAA
風花便り」/Do As Infinity
赤い情熱」/SUPER☆GiRLS
明日への卒業」「恋する夏!」/X21
Best Friend」/中山優馬
その他多数

作曲論

アーティストがファンに伝えたい想い、ファンが、アーティストから、云ってもらいたいメッセージを想像し、メロディがのせたがっている言葉を汲み取った上で、頭も心も空っぽにして、感じて、探して、歌詞として集約すること。作詞家は代筆者である、と思っています。

秋谷さんに伺いました。
Q:
作詞家になったきっかけは?
A:

10年間続けたアマチュアバンドで作詞を担当していました。その後、憧れの作曲家と出逢い、4年間、仮歌詞を書かせて頂きました。師による応援、この下積み時代に出逢った仲間、ディレクターや制作マン、ミュージシャンの方々にチャンスを頂き、今に至ります。

Q:
プロ、初作品について
A:

avexの夏フェス「a-nation'04」のEDテーマ曲「夏のしおり」という曲です。私は30歳まで音楽活動をしながら、一般企業の会社員も続けておりました。しかしながら、上記の出逢いにより、音楽の道を歩む、と決意し、退社しました。こんな自分を社会人として育ててくれた当時の上司や同僚に、この初作品が収録されたCDを持って挨拶をしてまわり、「行ってこい」と、背中を押してもらえた退社日は一生忘れません。

Q:
作品を提供したいアーティスト
A:

私を必要として下さるアーティストやプロジェクトチームの方々、全てです。表現を学ぶ者として、求めてもらえることは喜び以外の何ものでもありません。新たな出逢いはいつの日も嬉しく、心が昂揚します。伝えたい想いやファンとの歴史を自らにリンクさせ、鋭意、言葉を紡いで参ります。

Q:
あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
A:

10年ほど前に解散したのですが、Amasia Landscapeというユニットの「Be in love」という曲です。“誰かを失う”という経験を経て、『命』をテーマに書かせて頂いた曲です。解散から数年が経った頃、あるライブ会場で、女性から話しかけられました。堕胎する直前でこの曲を聴き、産むことに翻意した、そして、その子は今、3歳ですよ、と。この時、改めて、一生、歌詞を書き続けていくことを決めました。

Q:
なぜ「詩を書くことを選んだか」
A:

幼少の頃から、音楽、小説、映画、マンガ、ゲームなど、エンタメ全てが大好きでした。特に音楽は、迷ったり、悩んだりした辛い時期には、そっとキズを手当してくれる包帯でした。私は作詞家以外に、小説や童話、脚本の仕事もしているのですが、これらは呼吸することと同じで、選んだ、という感覚はありません。単純に、中二病をこじらせただけかもしれませんが。

Q:
プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A:

年齢を経て、若い方々にお話しさせて頂く機会も増えてきました。幾人かの若者は「自らの“個性”は、分かってくれる人だけ、分かってくれたらいい」と言います。「バリバリの“個性”は理解されにくい」と、、、かつて、私もそう思って結果の出ない自らを保っていました。でも、きっと違うんですよね。全力で、脳も心も空っぽにして、アーティストやファン、クライアントに想いを馳せ、学び、選び、紡ぎ、限界まで自分を消去して書いた歌詞にも関わらず、『消え切らない匂い』を、“本物の個性”と呼ぶのだと思うのです。どうか、“個性”という檻で自分を閉じ込めず、自由な発想で、想像力を羽ばたかせて下さい。

歌詞を見る

音楽の道を志していたアマチュア時代、彼らの曲に痺れ、彼らの歌詞に心揺さぶられ、彼らのアレンジに憧れて、必死に真似をしていました。私は幸運にも、彼らの起源となる作曲家、作詞家、ディレクターに出逢い、教えを乞うことができました。作詞家デビューから10年越しに叶った夢です。

■私の好きなあのフレーズ
「 進むため 変わってゆく 自分を誇れ 」

PROFILE

Mio Aoyama

1974年、大阪府出身、北海道札幌市在住。
2004年、a-nation'04のED曲、『夏のしおり』にて作詞家デビュー。

V6、AAA、Do As Infinity、SUPER☆GiRLS、X21など、多数のアーティストに歌詞を提供。アニメ楽曲の歌詞なども積極的に執筆している。


筆名『青山弥央』として、小説家・脚本家としても活動している。

人情味溢れる物語づくりには定評があり、2014年には第13回湯河原文学賞を受賞、その他多数の受賞歴がある。


【受賞略歴】

・2014年 第13回湯河原文学賞 受賞(小説)

・2013年 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2013 JAPAN部門 入選(脚本)

・2013年 第8回札幌国際短編映画祭 最優秀北海道作品賞 受賞(脚本)

・2011年 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2011 旅ショート部門 国土交通大臣賞 受賞(原案・脚本)

その他

[近況報告]

EDGE of LIFE
「Can't Stop」

AVCD-83079 \1,080 (tax in)
2014.8.13 Release

X21
「ハッピーアプリ」

AVCD-83052 \1,296 (tax in)
2014.9.24 Release

チーム箱根学園
「Glory Road」

THCS-60035 \1,296 (tax in)
2014.5.21 Release

・短編小説「苺レモネード」掲載
文芸雑誌『小説NON 2014年6月号』

 

【これまで登場した作詞家さん】