達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きしてご紹介して行くこのコーナー。
今回は、1980年代を代表する名曲「ダンシング・オールナイト」(もんた&ブラザース)などの作詞を手掛け、現在はファンクバンドK-FUNKで活動されている「水谷啓二」さんをゲストにお迎え致しました。
「ダンシング・オールナイト」/もんた&ブラザース
「百花繚乱」「ほうずきの町」「嘘は罪」/ちあきなおみ
「人待ち顔で」/テレサ・テン
「春一番を待ちわびて」/岩崎良美
「与太郎ファイティングソング」/B-POP HIGH SCHOOL
「JB GIRL」「RHYTHM & BLUES」「ON KILLER STREET」/K-FUNK
作詞で心掛けているのは;
1) 情景が見えること
2) 言葉とメロディー、リズムとの調和
3) 印象的な言葉が残ること
・・等々をまず重視しますね。
そして、歌い手が決まっている書き下ろしの場合は、語り部(あるいは主人公)たる歌い手のキャラクターに合わせるのか、あるいは新たな魅力を引き出すのか?などをまず考えますね。
元々、ミュージシャン(サックス&フルート、ヴォーカル)なので、まずは自分が歌うために書き始めたのが作詞のきっかけですね。
そんな中、当時、デビュー曲を模索していたもんた&ブラザースのために書いた「ダンシング・オールナイト」「ジャーニー」が作詞家としてのデビューです。
もう、活動を休止されて久しいですが、ちあきなおみさんには是非、また作品を書かせていただきたいと願っています。その他、年齢・性別・ジャンルは問わず、ちゃんと日本語の詞(そのストーリーや情景、心象)を表現してくれる方に書かせていただきたいですね。J-POPジャンルの方にも書いてみたい。 今は、自分の、そして自分のバンド K-FUNKの女性ヴォーカル陣のための楽曲を中心に書いています。
・GLOOMY NIGHT (水谷啓二)
・シルキーシルバーレイン (ペドロ&カプリシャス)
小説は中距離走、長距離走、詞は短距離走。限られたサイズの中でメッセージやストーリーを描くことに興味があった、向いていた…からでしょうか。
メロディーと詞が合わさって成立するのが歌。言葉と合わせるメロディーとのフィット感を大切に。
数年前までAIRZというバンドで所属していた事務所の社長からの紹介で作詞することに。もんたさんの書いた8曲入りのカセットテープを渡され、許された期間、一週間で書き上げた内の一曲。ところが、発売までの一年間、何の連絡もなく、偶然スタジオで出会ったもんたさんから「来月発売するでぇ」と!(笑)
「言葉にすれば 嘘に染まる」
作詞・作曲家、演奏家(ボーカル、サックス、フルート)
大学在学中に結成したロックバンド「スパニッシュハーレムナイト」をメインに関西で活動。21歳で渡米、アーチー・シェップのワークショップ、ノーマンコナーズ&ダンス・オブ・マジックのオープニングアクトなどを経験。帰国後、ロックグループ「AIRZ」で東芝EMIからデビュー。これを脱退後は、かまやつひろし&FLAT OUTに参加する傍ら、スタジオ&サポートミュージシャンとして多くのアーティストの作品・ステージに参加。また、もんた&ブラザース「ダンシングオールナイト」ちあきなおみ「百花繚乱」を始め作詞・作曲家としても活動を開始。
現在は、10名編成のファンクバンドK-FUNKを主宰し、東京・京都などでステージを展開している。ステージでは、歌唱・演奏はもちろんのこと、軽妙で機知に富んだトークも人気。お客様に大いに楽しんでいただくのが信条のライヴ・パフォーマーでもある。
【これまで登場した作詞家さん】