「いつの日も」
「I wanna see you 」
「ロンリー」
「ストーカーの唄〜3丁目、貴方の家〜」
「じゃあ、何故」
「私は貴方がいいのです」
「貴方が好きな私」
「モットー。」
「側にいて」
伝えたいことが多すぎて、どんどん歌詞が長くなったり、
それをまとめるのに苦労したりする時間が多かったです。
しかし近年は考えが変わり、今は歌詞だけでなくメロディーやサウンドアレンジ、
声色で聴いた人の心に情景が浮かび、そして伝わるという音楽の届け方を目指しています。
ですので、今作詞をするときに気をつけていることは、言葉だけで説明しようとしないこと、
歌詞を頭の中でこねくり回しすぎないこと、自分が望む言葉の音や響きと、
伝えたいメッセージとの最高の塩梅を模索し続けること、です。
こういった時間が私にとっての幸せなひとときであり、真に満足のいく音楽作りにつながっています。
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Q1. 歌詞を書くことになった、最初のきっかけを教えてください。
1番最初に作詞をしたのは中学校3年生の時で、Avril Lavigneの「MY HAPPY ENDING」に勝手に和訳の歌詞をつけました。
当時は洋楽のCDに翻訳歌詞が封入されていたので、まずその翻訳を読んで、歌詞のストーリーを頭に入れてから自分なりにメロディーと譜割を意識して日本語をつけました。今となっては恥ずかしくてその歌詞はとても人に聞かせられませんが、作詞の体感やイメージを掴んだ原体験です。 -
Q2. 歌詞を書く時には、どんなところからインスピレーションを得ることが多いですか?
ほぼ全て自分の日常生活からのインスピレーションです。普通に生きているだけでふっと湧いてくる小さな幸せや切なさ、大きな恋愛をしているときはその感情の波、子供との特別な感動を経験した日は、その感動とかけがえのなさ、などなどです。
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Q3. 普段、どのように歌詞を構成していきますか?
歌詞の構成で決めていることはありませんが、自分が忘れないフレーズを採用するようにしています。作った次の日も、そのまた次の日にも思い出せるくらい自分とってインパクトのある歌詞の方が、聴いた人にも残るんじゃないかなーと思ってそうしています。
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Q4. お気に入りの仕事道具や、作詞の際に必要な環境、場所などがあれば教えてください。
あー本当は作詞のお供にカフェラテが欲しいところですね。
でも実際に歌詞の制作が捗るのは真夜中のことが多いので、その時間にコーヒーを飲めることはあまりありません。あと曲はできるだけ自宅で、誰もいないところで作りたいです。なので家族も街も寝静まった真夜中は作詞のゴールデンタイムですね。 -
Q5. ご自身が手掛けた歌詞に関して、今だから言える裏話、エピソードはありますか?
既出の話もありますが、タイアップの作品に書き下ろすときは原作のセリフや言い回しから言葉をお借りすることが本当に多いです。例えば「Believe in yourself」という曲は『ベイビーステップ』と言う漫画が原作のアニメへの書き下ろし曲で、主人公が海外に渡った際にかけられた「Believe in yourself」と言う言葉を見て、この言葉をタイトルと曲の締めに使いたいと作者の勝木光先生にお願いして使わせて頂きました。
「どうしますか、あなたなら」と言う曲を『これは経費で落ちません』というドラマに書き下ろした際は、主人公の森若さんが原作の小説の中で「どうしますか森若さん」と訴えかけられるシーンが何度もあったので、許可を頂いた上でそのフレーズをタイトルと歌詞に使わせて頂いたりしました。
そうやって曲の中に作品のストーリーと繋がる歌詞があると、原作からのファンの方や作品を見た方にもより楽しい気持ちになってもらえるんじゃないかなと思って、これはよくやっています。 -
Q6. 自分が思う「良い歌詞」とは?
言い過ぎなくて、簡単な言葉だけれど、淚がでるほど情景が浮かぶ。
そんな歌詞が最高に良い歌詞だと私は思います。 -
Q7. 「やられた!」と思わされた1曲を教えてください。
SIAと言うアーティストの「Chandelier」の2Aメロで、
『♪Sun is up, I’m a mess Gotta get out now,
gotta run from this Here comes the shame, comes the shame』
と言う歌詞があるのですが、ここがもう本当に大好きです。
Chandelierは SIAがアルコール依存を経験して書いた歌詞だと何かで読んだのですが、朝日が昇るまでお酒を飲み続けたり、このままじゃいけないと分かっている現状を抜け出せないでいる罪悪感を、「太陽が昇った。私はメチャクチャで、だからここから早く逃げなきゃ。恥ずかしい、恥ずかしいの」と書いてるんです。こんなに深くて切なくてどこまでも人間らしい気持ちを歌ってくれるSIAが大好きだし、この歌詞は本当に素晴らしいといつも思います。 -
Q8. 歌詞を書く際、よく使う言葉、
または、使わないように意識している言葉はありますか?言葉というか、多くならないように意識しているのは「情景描写」です。「赤い葉が舞っていた」とか「君の涙がこぼれた」とか、目から見た情報をそのまま言葉にする表現ですね。
理由は、細部までの表現になってしまうからこそ、いざという時に取っておきたいからです。度肝を抜くような、思いがけない場面でこそ大切に使いたい表現なので、自然と多用しないようにしています。 -
Q9. 言葉を届けるために、アーティスト、クリエイターに求められる資質とは?
等身大で表現をすること。真に自分らしくいることが出来れば、
この世にたった一つしかない私たちの個性は大衆の中で嫌でも目立ち始めると思っています。 -
Q10. 歌詞を書きたいと思っている人へのアドバイスをお願いします。
偉そうなことは何も言えませんが、下手でも粗くても、
どうか自分の嘘のない言葉で歌詞を紡いでみてください。
それを続けることで、自分色の言葉や響きに同調する人が必ず反応し始めると思います。
私も自分に素直な歌詞を書けるよう引き続き精進します。一緒に頑張りましょう!
2009年アルバム『ふりぃ』でデビュー。同世代の女性を中心に幅広い層からの支持を得るシンガーソングライター。圧倒的な存在感をともなったライブパフォーマンスも高く評価される。2019年1月にデビュー10周年を迎え、キャリア初となるベストアルバム『阿部真央ベスト』リリース。2020年1月22日に9thアルバム『まだいけます』リリース。
2021年1月20日に自身初となるカバーアルバム『MY INNER CHILD MUSEUM』リリース。2022年9月からは約3年ぶりとなる全国ツアー『阿部真央TOUR2022“Who Am I”』を開催。2023年は1月より放送スタートしたTVアニメ『人間不信の冒険者たちが世界を救うようです』エンディング主題歌「Never Fear」を担当。2月15日には10枚目となるオリジナルアルバム『Not Unusual』をリリースした。また、2020年4月からはラジオレギュラー番組『阿部真央のゴチャゴチャらじお』(毎週木曜日21:00~23:00生放送)がFM FUJIにてスタートしている。
01. Just be alive 02. Not Unusual 03. Never Fear
04. I Never Knew
05. とおせんぼ
06. ふたりで居れば(Album ver.)
07. Who Am I
08. Don't you get tired?(Album ver.)
09. READY GO
10. Be My Love
11. Sailing
12. My hair you liked