なるべく最小限の文字数で心情を描写できるように心がけています。
-
Q1. 歌詞を書くことになった、最初のきっかけを教えてください。
初めて加入したバンド(チャットモンチー)の作曲方法が詞先だったため、とにかくまず歌詞が必要ということで、初めて歌詞らしきものを書き始めました。最初は友達の体験談を聞いてそれを歌詞にしたのですが、歌詞というよりは作文みたいになってしまいました。
-
Q2. 歌詞を書く時には、どんなところからインスピレーションを得ることが多いですか?
人との関わりから得ることが多いです。他人の考えに触れると、自分の考えや感情が浮き彫りになり、そのことについて何故そう思ったのか? を考えていくと、自分の感情がだんだんと形(言葉)になっていきます。
-
Q3. 普段、どのように歌詞を構成していきますか?
思いついたフレーズをスマホのボイスレコーダーやメモに残します。 短いフレーズを残すこともあれば、1曲分ほぼ完成した状態でできる場合もあります。
-
Q4. お気に入りの仕事道具や、作詞の際に必要な環境、場所などがあれば教えてください。
乗り物(車や電車、飛行機など)に乗っていると浮かぶことが多いです。わたしの場合は、缶詰状態で書くより、すぐそこから逃げ出せる状態の方が書ける気がします (なので、締め切りよりだいぶ前から着手することが多いです) 。
-
Q5. ご自身が手掛けた歌詞に関して、今だから言える裏話、エピソードはありますか?
「染まるよ」を書いたときは、タバコを吸う人の気持ちを知りたくて実際にタバコを買って吸ってみました。そこから<真っ白な息が止まる 真っ黒な夜とわたし>というフレーズが出来ました。
-
Q6. 自分が思う「良い歌詞」とは?
今は「魂に触れてくる言葉」というものが素晴らしいと感じ、目指したい作詞像でもあります。
-
Q7. 「やられた!」と思わされた1曲を教えてください。
Official髭男dism「Subtitle」
これほど繊細な心情を、最初から最後まで一回もその熱量を冷まさず書き上げていて、本当に素晴らしいと思いました。「やられた!」というよりは尊敬しかありません。 -
Q8. 歌詞を書く際、よく使う言葉、
または、使わないように意識している言葉はありますか?明確な理由は分からないのですが「私」のことを「わたし」と書くことが多いです。 そのほうが自分の言葉のような感じがするからです。
-
Q9. 言葉を届けるために、アーティスト、クリエイターに求められる資質とは?
作品が届く相手のことを絶対に軽視しないこと。
-
Q10. 歌詞を書きたいと思っている人へのアドバイスをお願いします。
まず今思ったことを、脳みそを通さず手だけで書いてみるように意識してみると面白いかもしれません。
イベントスペース「OLUYO」社長、作詞作曲家、演奏家。
徳島県徳島市出身。2002年よりチャットモンチーのメンバーとして活動し、2016年に徳島にイベントスペース<OLUYO>を開設。バンド活動に並行して、毎月さまざまなイベントを企画・開催する。2018年にチャットモンチーを完結した後、2020年より徳島に完全移住。現在所属しているバンドは、親子向けバンド「くもゆき」・吉本新喜劇座長の小籔千豊氏率いる「吉本新喜劇ィズ」・Base Ball Bear 小出祐介氏のプロジェクト「マテリアルクラブ」。その他、ソロアーティストやバンドのプロデュース、作詞作曲を手掛ける(2022年森七菜1st Album収録「かたつむり」作詞担当など)。
また、アパレルブランド「STINGRAY」の広報を担当するなど、活動範囲は多岐にわたる。2021年からYouTubeチャンネル「accobin_福岡晃子」を開設し、徳島での生活や音楽活動の様子を発信。2023年2月にソロ活動名義を“accobin”と改名し、同年5月21日に初のソロアルバム『AMIYAMUMA』リリース。
故郷徳島に拠点を移し、新たな一歩を踏み出したことで切り開いた景色を「生まれて初めて」というテーマのもと、独自の音楽へと昇華させた。
およそ3年半かけて辿り着いた、色彩豊かな全7曲。 今作はカセットテープとダウンロード販売での同時リリースとなっている。 また、アルバム全曲の歌詞、書き下ろしのコラムや自ら撮影した写真などを掲載したオリジナルZINE『ACCOZINE #1』も同日発売。 徳島での生活から音楽が生まれる瞬間を垣間見ることのできる、他に類を見ない新しいブックレットとなっている。※収録曲「after clap」MV公開中