明るい夜泣いておさまる 恋がありゃ 5円玉ひとつと 一緒にね 持ち歩くぞ 持ち歩くぞ 許してこだわる 親がいりゃ 爪をけずって スープにして 呑ませてあげるよ 呑ませてあげるよ 悩んでかたづく 友が居りゃ 縮んでこの身が 腐っても おがむに行くぞ おがむに行くぞ 明るい夜 明るい夜に 死んで生まれた 唄ひとつ 叫んで倒れる 敵が居りゃ 喉笛破裂して 絶えるまで こらしてやるぞ こらしてやるぞ 流れてとける 夢がありゃ 竹の林を 買い集め タルに入れるぞ タルに入れるぞ つまずく孤独と 沖縄は ひとつの勇気と ブルドーザー あればいいのさ ああればいいのさ 明るい夜 明るい夜に 死んで生まれた 唄ひとつ 老いて忘れる 歌がありゃ 地球儀にいっぱい 詰め込んで 海に流してやるぞ 海に流してやるぞ 今日がさわやかな 朝ならば さぞかし昨日は 明るい 夜だったんだろ 夜だったんだろ 明るい夜 明るい夜に 死んで生まれた 唄ひとつ | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 宇崎竜童・長州辰巳 | 泣いておさまる 恋がありゃ 5円玉ひとつと 一緒にね 持ち歩くぞ 持ち歩くぞ 許してこだわる 親がいりゃ 爪をけずって スープにして 呑ませてあげるよ 呑ませてあげるよ 悩んでかたづく 友が居りゃ 縮んでこの身が 腐っても おがむに行くぞ おがむに行くぞ 明るい夜 明るい夜に 死んで生まれた 唄ひとつ 叫んで倒れる 敵が居りゃ 喉笛破裂して 絶えるまで こらしてやるぞ こらしてやるぞ 流れてとける 夢がありゃ 竹の林を 買い集め タルに入れるぞ タルに入れるぞ つまずく孤独と 沖縄は ひとつの勇気と ブルドーザー あればいいのさ ああればいいのさ 明るい夜 明るい夜に 死んで生まれた 唄ひとつ 老いて忘れる 歌がありゃ 地球儀にいっぱい 詰め込んで 海に流してやるぞ 海に流してやるぞ 今日がさわやかな 朝ならば さぞかし昨日は 明るい 夜だったんだろ 夜だったんだろ 明るい夜 明るい夜に 死んで生まれた 唄ひとつ |
生きてるって言ってみろビッショリ汚れた手拭いを 腰にゆわえてトボトボと 死人でもあるまいによ 自分の家の前で立ち止まり 覚悟を決めてドアを押す 地獄でもあるまいによ 生きてるって言ってみろ 生きてるって言ってみろ 生きてるって言ってみろ 淋しさ優しさ苦しさは この世のせつないメロドラマ 屠殺場でもあるまいによ ヒッピーフーテン乞食の子 なげきの喜びいじくってよ 廃人でもあるまいによ 生きてるって言ってみろ 生きてるって言ってみろ 生きてるって言ってみろ 夢と現実ぶらさげて 涙と孤独を相棒に コケシでもあるまいによ 長髪マンネリいさぎ良さ 根っ子の太さはどこへやら 墓石でもあるまいによ 生きてるって言ってみろ 生きてるって言ってみろ 生きてるって言ってみろ | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | J.A.シーザー | ビッショリ汚れた手拭いを 腰にゆわえてトボトボと 死人でもあるまいによ 自分の家の前で立ち止まり 覚悟を決めてドアを押す 地獄でもあるまいによ 生きてるって言ってみろ 生きてるって言ってみろ 生きてるって言ってみろ 淋しさ優しさ苦しさは この世のせつないメロドラマ 屠殺場でもあるまいによ ヒッピーフーテン乞食の子 なげきの喜びいじくってよ 廃人でもあるまいによ 生きてるって言ってみろ 生きてるって言ってみろ 生きてるって言ってみろ 夢と現実ぶらさげて 涙と孤独を相棒に コケシでもあるまいによ 長髪マンネリいさぎ良さ 根っ子の太さはどこへやら 墓石でもあるまいによ 生きてるって言ってみろ 生きてるって言ってみろ 生きてるって言ってみろ |
彼が居た−そうだ!たこ八郎がいた長い影が 無数にのびている 風は眠ったように 今のどかだ 誰もが兎になって 眼を閉じ 性格の節々が 疼き出したぞ 何が死だ! 生でもないくせに! 気狂いになる時から生きるぞ! 穴の中には 幾億の群れ 群れにポトリと 彼が居た 理解ある老木が 2本も オオッ 倒れた 失意が黒々と天までも昇る 海には無言の光が降り 野という野には一面桔梗 待つものもなく 咲くことに咲く 年月が頭上を歪んですぎた 凍てついた 窓を放つと 天を見上げる 彼が居た スタスタと人も時空も歩み去る 赤くなったり黒くなったりして 鳩に豆蒔く子らの前 無味な煙草を かさねている 遠くでメリメリ 青空が裂けた 裂けたことだけが頭にとけた ふらついた腰に自分を乗せて そうだそうだと首ふる彼が居た | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 長い影が 無数にのびている 風は眠ったように 今のどかだ 誰もが兎になって 眼を閉じ 性格の節々が 疼き出したぞ 何が死だ! 生でもないくせに! 気狂いになる時から生きるぞ! 穴の中には 幾億の群れ 群れにポトリと 彼が居た 理解ある老木が 2本も オオッ 倒れた 失意が黒々と天までも昇る 海には無言の光が降り 野という野には一面桔梗 待つものもなく 咲くことに咲く 年月が頭上を歪んですぎた 凍てついた 窓を放つと 天を見上げる 彼が居た スタスタと人も時空も歩み去る 赤くなったり黒くなったりして 鳩に豆蒔く子らの前 無味な煙草を かさねている 遠くでメリメリ 青空が裂けた 裂けたことだけが頭にとけた ふらついた腰に自分を乗せて そうだそうだと首ふる彼が居た |
殺されたくないなら殺せ故里の駅にある ざらざら乾いたのどかさが 俺の刃物に泥を塗る 殺されたくないなら殺せ 殺したくないなら首括れ 優しさが街を焼けば 卑しさそれに水かける 俺の心臓は水びたし 殺されたくないなら殺せ 殺したくないなら首括れ 狂った若い歌手が 死んだ猫を連れ込んで ロックンロールをきかせてる 殺されたくないなら殺せ 殺したくないなら首括れ | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | J.A.シーザー | 故里の駅にある ざらざら乾いたのどかさが 俺の刃物に泥を塗る 殺されたくないなら殺せ 殺したくないなら首括れ 優しさが街を焼けば 卑しさそれに水かける 俺の心臓は水びたし 殺されたくないなら殺せ 殺したくないなら首括れ 狂った若い歌手が 死んだ猫を連れ込んで ロックンロールをきかせてる 殺されたくないなら殺せ 殺したくないなら首括れ |
サーカス幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました 幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました サーカス小屋は高い梁 そこに一つのブランコだ サーカス小屋は高い梁 見えるともないブランコだ 頭さかさに手をたれて 汚れ木綿の屋根のもと ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん それの近くの白い灯が 安いリボンと息を吐き 観客様はみなイワシ のんどが鳴りますかきがらと 野外は真っ闇くらのくら 夜はこうこうふけまする 落下傘奴のノスタルジアと ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん 幾時代かがありまして 今夜ここでのひとさかり 幾時代かがありまして 冬は疾風吹きました | 友川かずき | 中原中也 | 友川かずき | 友川かずき | 幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました 幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました サーカス小屋は高い梁 そこに一つのブランコだ サーカス小屋は高い梁 見えるともないブランコだ 頭さかさに手をたれて 汚れ木綿の屋根のもと ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん それの近くの白い灯が 安いリボンと息を吐き 観客様はみなイワシ のんどが鳴りますかきがらと 野外は真っ闇くらのくら 夜はこうこうふけまする 落下傘奴のノスタルジアと ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん 幾時代かがありまして 今夜ここでのひとさかり 幾時代かがありまして 冬は疾風吹きました |
死にぞこないの唄ワイヤーでその首を きつくきつく締めあげりゃ シワが沢山できるだろうな 鉞で足首を めちゃくちゃ殴ったら まっかな命がでてくるだろうな 機関銃をその顔に 向けてズドンと撃ったなら 眼玉はどっちへとんでゆくだろな 奈良の大仏を 背負って海へもぐったら カツオやクジラは逃げだすだろな 農薬をトラックで 一台食事がわりに 食べてから何日目あの世だろうな 硫酸のお風呂に 足からドボンと入れよ 垢はたちまちおちるだろな 長ドスでその腹を ズタズタ裂いたなら さぞかし縫う人は困るだろな 津軽2号に もろに頭からとび込めば 天井はどれ位引っ込むだろな 唄えや踊れや 盆と正月一緒や 手拍子ふたつみっつ できないようじゃな この唄は死にぞこない 死にぞこないの唄 生きぞこないよりはましだもんな アーアアーア | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | J.A.シーザー | ワイヤーでその首を きつくきつく締めあげりゃ シワが沢山できるだろうな 鉞で足首を めちゃくちゃ殴ったら まっかな命がでてくるだろうな 機関銃をその顔に 向けてズドンと撃ったなら 眼玉はどっちへとんでゆくだろな 奈良の大仏を 背負って海へもぐったら カツオやクジラは逃げだすだろな 農薬をトラックで 一台食事がわりに 食べてから何日目あの世だろうな 硫酸のお風呂に 足からドボンと入れよ 垢はたちまちおちるだろな 長ドスでその腹を ズタズタ裂いたなら さぞかし縫う人は困るだろな 津軽2号に もろに頭からとび込めば 天井はどれ位引っ込むだろな 唄えや踊れや 盆と正月一緒や 手拍子ふたつみっつ できないようじゃな この唄は死にぞこない 死にぞこないの唄 生きぞこないよりはましだもんな アーアアーア |
魂善事と悪事は 誰決める あなたの人生 誰決める 生きてる感じが 欲しいから 生きてる感じが 欲しいから 夜が来る度 家を出て 夜が来る度 家を出て 俺は生首 さがしてる 生気のしたたる生首を おい! 知らないかってさ 他人から盗んだ 魂なら 必らず誰かに 盗まれる 生きてる感じが 欲しいなら 生きてる感じが 欲しいなら 朝陽と一緒に 街を出て あなたの魂 さがしなさい どこにもあるはず ないけどな 目の色変えてさがしてる おい! それが魂だってさ 恋はする程 狡くなる 年はとる程 馬鹿になる 生きてる感じが 欲しいから 生きてる感じが 欲しいから 外が明るく なってきたら 外が明るく なってきたら ひとりで部屋で まるくなる 酒が人生この俺は ああ生きた屍だってさ | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 勝呂和夫 | 善事と悪事は 誰決める あなたの人生 誰決める 生きてる感じが 欲しいから 生きてる感じが 欲しいから 夜が来る度 家を出て 夜が来る度 家を出て 俺は生首 さがしてる 生気のしたたる生首を おい! 知らないかってさ 他人から盗んだ 魂なら 必らず誰かに 盗まれる 生きてる感じが 欲しいなら 生きてる感じが 欲しいなら 朝陽と一緒に 街を出て あなたの魂 さがしなさい どこにもあるはず ないけどな 目の色変えてさがしてる おい! それが魂だってさ 恋はする程 狡くなる 年はとる程 馬鹿になる 生きてる感じが 欲しいから 生きてる感じが 欲しいから 外が明るく なってきたら 外が明るく なってきたら ひとりで部屋で まるくなる 酒が人生この俺は ああ生きた屍だってさ |
トドを殺すな可哀想なトドと 可哀想な人間に唄います 北海道の空と海の蒼 かき分けるように生きてゆく動物達 役に立てば善だってさ 役に立たなきゃ悪だってさ 誰が断を下したんだよ トドを殺すな トドを殺すな 俺達みんなトドだぜ おい撃つなよ おい撃つなよ おいおい俺を撃つなよ 暇な主婦達は今日は何頭殺したかと 注意深くテレビを噛ってた 男は自分の身長より高く顔を上げない 子供の顔はコンクリート色になった 夢は夢のまた夢夢夢……… トドを殺すな トドを殺すな 俺達みんなトドだぜ おい撃つなよ おい撃つなよ おいおい俺を撃つなよ そこの人! 俺を撃つなよ | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 可哀想なトドと 可哀想な人間に唄います 北海道の空と海の蒼 かき分けるように生きてゆく動物達 役に立てば善だってさ 役に立たなきゃ悪だってさ 誰が断を下したんだよ トドを殺すな トドを殺すな 俺達みんなトドだぜ おい撃つなよ おい撃つなよ おいおい俺を撃つなよ 暇な主婦達は今日は何頭殺したかと 注意深くテレビを噛ってた 男は自分の身長より高く顔を上げない 子供の顔はコンクリート色になった 夢は夢のまた夢夢夢……… トドを殺すな トドを殺すな 俺達みんなトドだぜ おい撃つなよ おい撃つなよ おいおい俺を撃つなよ そこの人! 俺を撃つなよ |
似合った青春喋るうまさより黙るうまさが これからは大切だよ 唄ってるもいいし聴いてるもいいし らしさが出ていればだよ 鉛筆の重さに自分の哀しさを のせてやる夢を見たよ 似合った青春だよ 似合った青春だよ 辛い坂道風が吹いてたよ 昨日と何度も出会ったよ すれ違う人は平泳ぎのように 脇目もふらず急いでたよ 求めるものが近くにあるから あんなに慌てているんだろう 似合った青春だよ 似合った青春だよ 映画の場面によく出てくるような 恋をしてみたいものだよ きざなせりふを沢山あげたら かわりに別れがとんできたよ やるだけやったらあとは待つだけさ 膝が枯れても待つだけだよ 似合った青春だよ 似合った青春だよ 二度とないから疲れてもいいんだ 男のいくさは一度きりだよ 創るもいいし壊すもいいし らしさが出ていればだよ 生きる怖さを勇気にかえて 好きなことやってみるんだよ 似合った青春だよ 似合った 青春だよ | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 勝呂和夫 | 喋るうまさより黙るうまさが これからは大切だよ 唄ってるもいいし聴いてるもいいし らしさが出ていればだよ 鉛筆の重さに自分の哀しさを のせてやる夢を見たよ 似合った青春だよ 似合った青春だよ 辛い坂道風が吹いてたよ 昨日と何度も出会ったよ すれ違う人は平泳ぎのように 脇目もふらず急いでたよ 求めるものが近くにあるから あんなに慌てているんだろう 似合った青春だよ 似合った青春だよ 映画の場面によく出てくるような 恋をしてみたいものだよ きざなせりふを沢山あげたら かわりに別れがとんできたよ やるだけやったらあとは待つだけさ 膝が枯れても待つだけだよ 似合った青春だよ 似合った青春だよ 二度とないから疲れてもいいんだ 男のいくさは一度きりだよ 創るもいいし壊すもいいし らしさが出ていればだよ 生きる怖さを勇気にかえて 好きなことやってみるんだよ 似合った青春だよ 似合った 青春だよ |
23才の抵抗風にとび込まれるよりは 風の中へととび込んでやりたい 過去に追われるよりは 未来を逃げ廻ってやりたい 勇気をさしのべられるよりは 沈黙の友情に感謝してやりたい くだり坂を走って行くよりは のぼり坂をゆっくり歩いてゆきたい 時間に動かされるよりは 時間を自分で生んでやりたい うすい望みが 希望で 絶えた望みが 絶望で 人の間が 人間だ 時の間が 時間だ 思う想いが 思想で 空しい虚しいが 空虚で 独りで裁くが 独裁だ 沈んで黙るが 沈黙だ これが今です この人を殺すよりは あの偽善の首締めてやりたい 嘘をついてやるよりは 真実をつきつけてやりたい 偉いふりをみせるよりは 馬鹿さ加減を叫んでやりたい 世に流されるよりは 世を流して世を流してやりたい うたを唄っているよりは 詩を黙って眺めていたい 人を殺せば 殺人で 愛した人が 愛人で とらわれ人が 囚人だ 理想の人が 仙人だ すぐれた人が 達人で 平和をくれたら恩人で 超えてる人が 超人だ 何でも出来たら 才人だ これが今です | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 宇崎竜童・長州辰巳 | 風にとび込まれるよりは 風の中へととび込んでやりたい 過去に追われるよりは 未来を逃げ廻ってやりたい 勇気をさしのべられるよりは 沈黙の友情に感謝してやりたい くだり坂を走って行くよりは のぼり坂をゆっくり歩いてゆきたい 時間に動かされるよりは 時間を自分で生んでやりたい うすい望みが 希望で 絶えた望みが 絶望で 人の間が 人間だ 時の間が 時間だ 思う想いが 思想で 空しい虚しいが 空虚で 独りで裁くが 独裁だ 沈んで黙るが 沈黙だ これが今です この人を殺すよりは あの偽善の首締めてやりたい 嘘をついてやるよりは 真実をつきつけてやりたい 偉いふりをみせるよりは 馬鹿さ加減を叫んでやりたい 世に流されるよりは 世を流して世を流してやりたい うたを唄っているよりは 詩を黙って眺めていたい 人を殺せば 殺人で 愛した人が 愛人で とらわれ人が 囚人だ 理想の人が 仙人だ すぐれた人が 達人で 平和をくれたら恩人で 超えてる人が 超人だ 何でも出来たら 才人だ これが今です |
武装に足る言葉など無いのだ首が枯れ うなだれた会話 足どり軽く いっちゃった屍 向かい来る 闇の刃に 悪魔のさしだす舌に 何ひとつとて今 武装に足る言葉などないのだ 武装に足る言葉などないのだ アーアアアーアーアアアアアー アーアアアーアアア 非情すらドクドクと血のよう 血のようで 復讐のようで 鮮やか 昨日なんか売りとばしたさ 言葉だって 唾のように在る そらみたことか 武装に足る言葉などないのだ 武装に足る言葉などないのだ さえぎるものとて 恋人のよう 憎しみの彼方まで 道づれさ 平和でも 平和でなくとも苦しい どんな風にくたばったっていいさ ああ唇愛しや 武装に足る言葉などないのだ 武装に足る言葉などないのだ | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 首が枯れ うなだれた会話 足どり軽く いっちゃった屍 向かい来る 闇の刃に 悪魔のさしだす舌に 何ひとつとて今 武装に足る言葉などないのだ 武装に足る言葉などないのだ アーアアアーアーアアアアアー アーアアアーアアア 非情すらドクドクと血のよう 血のようで 復讐のようで 鮮やか 昨日なんか売りとばしたさ 言葉だって 唾のように在る そらみたことか 武装に足る言葉などないのだ 武装に足る言葉などないのだ さえぎるものとて 恋人のよう 憎しみの彼方まで 道づれさ 平和でも 平和でなくとも苦しい どんな風にくたばったっていいさ ああ唇愛しや 武装に足る言葉などないのだ 武装に足る言葉などないのだ |
歩道橋歩道橋の上から愛が見える 汗を拭き乍らセールスマン風の 男が歩いてく かごの中で鳥は狂い乍ら死んだ 枯れてうつむく赤いとうがらしの花 歩道橋の上から愛が見える 僕死ぬのは厭だ 僕死ぬのは厭だ僕 歌はひとつの「かご」かもしれないな 自動車~弟、友春君への詩 吠え面をビュービュー かくようなスピードで 空漠の中を若い自動車達が 走って行った その後を追うように文句を 沢山用意して警察の 自動車が走って行った そんな事よりすべてを土に返せば いいんだと葬儀屋の自動車が 走って行った 幸福を幾つも幾つも笑った数字で 表わし乍ら結婚式場の自動車が 走って行った 四角く茶色い風景の中で リヤカーに腰掛けた老人が それをじっと視ていた 俺は石に坐ってその老人を じっと視ていた 首に手拭いをした真っ黒な 優しい顔立ちだった この老人と俺はいつ 一緒になるのだろう 法律と人生は自動車よりも もっともっとスピードが 速いかのようだ 気が付いた時にはそこには もう俺も老人も居なかった 静かに遠いエジプトの砂ぼこりが 少女のように舞っていた 今思い返してみると あの自動車を運転していた人達は みんな俺の青春だったような 気もする 時間ばっかりやたらとかける 三流絵描きの故里だったような 気もする はっきり憶えている事は 夫々画用紙の顔をしていて 首から拳銃をぶらさげて いた事だ 走り乍ら拳銃を撃つのは むずかしいんだろうか ねえ君は知ってるんだろう ねえ君こそ知って るんだろう 走り乍ら拳銃を撃つのは むずかしいんだろうか 気の強い男の眼玉が 花火のように今打ち上げられた | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 勝呂和夫 | 歩道橋の上から愛が見える 汗を拭き乍らセールスマン風の 男が歩いてく かごの中で鳥は狂い乍ら死んだ 枯れてうつむく赤いとうがらしの花 歩道橋の上から愛が見える 僕死ぬのは厭だ 僕死ぬのは厭だ僕 歌はひとつの「かご」かもしれないな 自動車~弟、友春君への詩 吠え面をビュービュー かくようなスピードで 空漠の中を若い自動車達が 走って行った その後を追うように文句を 沢山用意して警察の 自動車が走って行った そんな事よりすべてを土に返せば いいんだと葬儀屋の自動車が 走って行った 幸福を幾つも幾つも笑った数字で 表わし乍ら結婚式場の自動車が 走って行った 四角く茶色い風景の中で リヤカーに腰掛けた老人が それをじっと視ていた 俺は石に坐ってその老人を じっと視ていた 首に手拭いをした真っ黒な 優しい顔立ちだった この老人と俺はいつ 一緒になるのだろう 法律と人生は自動車よりも もっともっとスピードが 速いかのようだ 気が付いた時にはそこには もう俺も老人も居なかった 静かに遠いエジプトの砂ぼこりが 少女のように舞っていた 今思い返してみると あの自動車を運転していた人達は みんな俺の青春だったような 気もする 時間ばっかりやたらとかける 三流絵描きの故里だったような 気もする はっきり憶えている事は 夫々画用紙の顔をしていて 首から拳銃をぶらさげて いた事だ 走り乍ら拳銃を撃つのは むずかしいんだろうか ねえ君は知ってるんだろう ねえ君こそ知って るんだろう 走り乍ら拳銃を撃つのは むずかしいんだろうか 気の強い男の眼玉が 花火のように今打ち上げられた |
汚れつちまった悲しみに汚れちまった悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れちまった悲しみに 今日も風さえ吹きすぎる 汚れちまった悲しみは たとえば狐の革ごろも 汚れちまった悲しみは 小雪のかかってちぢこまる 汚れちまった悲しみは なにのぞむなくねがうなく 汚れちまった悲しみは 倦怠のうちに死を夢む 汚れちまった悲しみに いたいたしくも怖気づき 汚れちまった悲しみに なすところもなく日は暮れる | 友川かずき | 中原中也 | 友川かずき | | 汚れちまった悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れちまった悲しみに 今日も風さえ吹きすぎる 汚れちまった悲しみは たとえば狐の革ごろも 汚れちまった悲しみは 小雪のかかってちぢこまる 汚れちまった悲しみは なにのぞむなくねがうなく 汚れちまった悲しみは 倦怠のうちに死を夢む 汚れちまった悲しみに いたいたしくも怖気づき 汚れちまった悲しみに なすところもなく日は暮れる |
夜へ急ぐ人 (ちあきなおみに捧ぐ)夜へ急ぐ人が居りゃ その肩とめる人も居る 黙って過ぎる人が居りゃ 笑って見てる人も居る かんかん照りの昼は恐い 正体あらわす夜も恐い もえる恋ほどもろい恋 私の心の深い闇の中から おいで おいで おいでを する人 あんた誰 にぎやかな夜の街角で かなわぬ夢の別れいくつ 勇気で終わる恋もありゃ 臆病で始まる恋もある かんかん照りの昼は恐い 正体あらわす夜も恐い もえる恋ほどもろい恋 私の心の深い闇の中から おいで おいで おいでを する人 あんた誰 ネオンの海に目をこらしていたら 波間にうごめく影があった 小舟のようにあっけないそれらの影は やがて哀しみの女の群れと重なり 無数の「ふるさと」という涙を はらんで逝った | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | | 夜へ急ぐ人が居りゃ その肩とめる人も居る 黙って過ぎる人が居りゃ 笑って見てる人も居る かんかん照りの昼は恐い 正体あらわす夜も恐い もえる恋ほどもろい恋 私の心の深い闇の中から おいで おいで おいでを する人 あんた誰 にぎやかな夜の街角で かなわぬ夢の別れいくつ 勇気で終わる恋もありゃ 臆病で始まる恋もある かんかん照りの昼は恐い 正体あらわす夜も恐い もえる恋ほどもろい恋 私の心の深い闇の中から おいで おいで おいでを する人 あんた誰 ネオンの海に目をこらしていたら 波間にうごめく影があった 小舟のようにあっけないそれらの影は やがて哀しみの女の群れと重なり 無数の「ふるさと」という涙を はらんで逝った |
臨終秋空は鈍色にして その馬の瞳のひかり 水かれて落つる百合花 ああこころうつろなるかな 神もなくしるべもなくて 窓近くおみなのゆきぬ 白き空盲いてありて 白き風冷たくありぬ 窓際に髪を洗えば その腕の優しくありぬ 朝の日はこぼれてありぬ 水の音したたりていぬ 町々はさやぎてありぬ 子等の声もつれてありぬ しかはあれこの魂は いかにとなるか うすらぎて空となるか | 友川かずき | 中原中也 | 友川かずき | 友川かずき | 秋空は鈍色にして その馬の瞳のひかり 水かれて落つる百合花 ああこころうつろなるかな 神もなくしるべもなくて 窓近くおみなのゆきぬ 白き空盲いてありて 白き風冷たくありぬ 窓際に髪を洗えば その腕の優しくありぬ 朝の日はこぼれてありぬ 水の音したたりていぬ 町々はさやぎてありぬ 子等の声もつれてありぬ しかはあれこの魂は いかにとなるか うすらぎて空となるか |
私の花私の花はなんの花 艶ややかなカトレアの花かな 心の美しいスズランの花かな 海の好きなハマナスの花かな 私の花はなんの花 母の愛のようなバラの花かな ちょっとすましたユリの花かな 水遊び好きなスイレンの花かな 私の花はなんの花 スマートなチューリップの花かな いつもの明るいヒマワリの花かな 山の好きなエーデルワイスの花かな 私の花はなんの花 さわやかな朝顔の花かな 可愛い小菊の花かな 優しくつつむレイの花かな 私の花がありました お話ししない花でした 名前もない花でした 黒い造花の花でした 花でした | 友川かずき | 永山則夫 | 友川かずき | 友川かずき | 私の花はなんの花 艶ややかなカトレアの花かな 心の美しいスズランの花かな 海の好きなハマナスの花かな 私の花はなんの花 母の愛のようなバラの花かな ちょっとすましたユリの花かな 水遊び好きなスイレンの花かな 私の花はなんの花 スマートなチューリップの花かな いつもの明るいヒマワリの花かな 山の好きなエーデルワイスの花かな 私の花はなんの花 さわやかな朝顔の花かな 可愛い小菊の花かな 優しくつつむレイの花かな 私の花がありました お話ししない花でした 名前もない花でした 黒い造花の花でした 花でした |
ワルツ流れてそして君 ボロボロになるのだや君 夢は はてなく宙舞い 雲みたいに漠々とあるのだや 生きても 生きてもワルツ 死んでも 死んでもワルツ 出会いも 出会いもワルツ 別れも 別れもワルツ 晒すのは恥しかない ありのままあらん限り 血肉とて いつかは 皮膚を出て不明になるのだや 生きても 生きてもワルツ 死んでも 死んでもワルツ 出会いも 出会いもワルツ 別れも 別れもワルツ 切なさを生きて君 前向きになるのだや君 物語は らせんに この世からあの世へと かけのぼる 生きても 生きてもワルツ 死んでも 死んでもワルツ 出会いも 出会いもワルツ 別れも 別れもワルツ 冬空をけちらして君 いさり来る 春もまたある 春雷に 御身を君 遊ばせて きっと復讐産むのだや 生きても 生きてもワルツ 死んでも 死んでもワルツ 出会いも 出会いもワルツ 別れも 別れもワルツ | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 友川かずき | 流れてそして君 ボロボロになるのだや君 夢は はてなく宙舞い 雲みたいに漠々とあるのだや 生きても 生きてもワルツ 死んでも 死んでもワルツ 出会いも 出会いもワルツ 別れも 別れもワルツ 晒すのは恥しかない ありのままあらん限り 血肉とて いつかは 皮膚を出て不明になるのだや 生きても 生きてもワルツ 死んでも 死んでもワルツ 出会いも 出会いもワルツ 別れも 別れもワルツ 切なさを生きて君 前向きになるのだや君 物語は らせんに この世からあの世へと かけのぼる 生きても 生きてもワルツ 死んでも 死んでもワルツ 出会いも 出会いもワルツ 別れも 別れもワルツ 冬空をけちらして君 いさり来る 春もまたある 春雷に 御身を君 遊ばせて きっと復讐産むのだや 生きても 生きてもワルツ 死んでも 死んでもワルツ 出会いも 出会いもワルツ 別れも 別れもワルツ |