黒髪みれん肌に 隠した 女の性を いつも 曳きずる 花街灯り あなただけしか 好きになれない私です 私です 逢う瀬 かさねる 黒髪を すがる気持ちで 二度 洗う 惚れて 惚れ抜き 両手ですがり 解いた 情念の おんな帯 あなた独りに 燃えて散りたい命です 命です 泣けば 乱れる 黒髪に 夢の花びら 飾りたい 愛のしぶきに 抱かれて 濡れて 明日へ 棹さす 四十路川 あなたなしでは 生きて行けない女です 女です 願い 一途な 黒髪を 映す この世の 水鏡 | 佐倉夏子 | 石本美由起 | 岡千秋 | | 肌に 隠した 女の性を いつも 曳きずる 花街灯り あなただけしか 好きになれない私です 私です 逢う瀬 かさねる 黒髪を すがる気持ちで 二度 洗う 惚れて 惚れ抜き 両手ですがり 解いた 情念の おんな帯 あなた独りに 燃えて散りたい命です 命です 泣けば 乱れる 黒髪に 夢の花びら 飾りたい 愛のしぶきに 抱かれて 濡れて 明日へ 棹さす 四十路川 あなたなしでは 生きて行けない女です 女です 願い 一途な 黒髪を 映す この世の 水鏡 |
母紅梅(セリフ)「なにをおっしゃいます お嬢さん 私はあなたの母親なんかじゃありません 見てのとおりの いっぱい飲み屋のおばさんです」 親でなければ 子でもない まして我が子を 捨てるだなんて 理由は山ほど あろうとも 人でなしです 鬼ですと 顔をそむけて 顔をそむけて 肩で泣く (セリフ)「きけば 春にはご結婚とか おめでとうございます さぞかし親御さんも お喜びでしょう」 酒の匂いが 沁みこんだ あんたなんかにゃ 縁ない町と わざと邪けんに したけれど 詫びております 心では 両手合わせて 両手合わせて コップ酒 (セリフ)「あの娘がくれた 紅梅がいい香り もうこれで充分です いつ死んだって かまわない だってお腹いためた 我が子に 一目だけでも 逢えたんだもの」 瞼とじれば 白無垢の 一生一度の 花嫁すがた 泣いて乳呑子 捨ててった そんなおんなの 生き甲斐に 春に花咲け 春に花咲け 母紅梅(ははこうばい) | 佐倉夏子 | 吉岡治 | 市川昭介 | | (セリフ)「なにをおっしゃいます お嬢さん 私はあなたの母親なんかじゃありません 見てのとおりの いっぱい飲み屋のおばさんです」 親でなければ 子でもない まして我が子を 捨てるだなんて 理由は山ほど あろうとも 人でなしです 鬼ですと 顔をそむけて 顔をそむけて 肩で泣く (セリフ)「きけば 春にはご結婚とか おめでとうございます さぞかし親御さんも お喜びでしょう」 酒の匂いが 沁みこんだ あんたなんかにゃ 縁ない町と わざと邪けんに したけれど 詫びております 心では 両手合わせて 両手合わせて コップ酒 (セリフ)「あの娘がくれた 紅梅がいい香り もうこれで充分です いつ死んだって かまわない だってお腹いためた 我が子に 一目だけでも 逢えたんだもの」 瞼とじれば 白無垢の 一生一度の 花嫁すがた 泣いて乳呑子 捨ててった そんなおんなの 生き甲斐に 春に花咲け 春に花咲け 母紅梅(ははこうばい) |
母子杖産まれながらに 眼光(ひかり)を失くし 生きる我が子に 罪はない 神や仏が あるのなら どうぞこの子の行く末を 照らしておくれ たのみます 大きな産声を聞いた時 母さん 嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかったよ… でもお前のその両眼(め)は何を見ているんだい まさか…まさか そんな馬鹿な事があってなるものかい お前のその両眼(め)が見えないなんて… 十月(とつき)お腹を 痛めた我が子 なんで憎かろ 捨てらりょか 見えぬ両の眼 潤ませて すがるこの子のその杖に 母はなります 命懸け いっその事 わたしのこの両眼(め)を この子にあげて下さいな 可愛い寝顔に 一体何の罪があると云うんでしょう… 神様 この子の両眼(め)に光りを与えてやってください せめて…せめて 一日だけでもこのとおりです 可愛いわが子は 女の命 この身体(み)投げても 悔いはない どんな哀しい 運命(さだめ)でも 共に耐えます歩きます 情けのともしび 母子杖(ははこづえ) | 佐倉夏子 | 内田健雄 | 内田健雄 | 池多孝春 | 産まれながらに 眼光(ひかり)を失くし 生きる我が子に 罪はない 神や仏が あるのなら どうぞこの子の行く末を 照らしておくれ たのみます 大きな産声を聞いた時 母さん 嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかったよ… でもお前のその両眼(め)は何を見ているんだい まさか…まさか そんな馬鹿な事があってなるものかい お前のその両眼(め)が見えないなんて… 十月(とつき)お腹を 痛めた我が子 なんで憎かろ 捨てらりょか 見えぬ両の眼 潤ませて すがるこの子のその杖に 母はなります 命懸け いっその事 わたしのこの両眼(め)を この子にあげて下さいな 可愛い寝顔に 一体何の罪があると云うんでしょう… 神様 この子の両眼(め)に光りを与えてやってください せめて…せめて 一日だけでもこのとおりです 可愛いわが子は 女の命 この身体(み)投げても 悔いはない どんな哀しい 運命(さだめ)でも 共に耐えます歩きます 情けのともしび 母子杖(ははこづえ) |