なんて素敵にピカレスクこの街を仕切ってるマフィアのボス『カポネ』 カポネ・ファミリーは強大で、誰もヤツにお縄はかけられない オラオラ!死神様のお通りだ。道を開けやがれ! ボスの命令だ。悪く思うな 「けっ、相変わらず地味に仕事してやがんなランスキー」 「騒がしいと思ったらお前かルチアーノ。品のなさが顔に出てるぞ」 「あ?」 「あ?」 「カポネの手下で凄腕の二人。だが二人は、 ソリが合わないことで有名だった」 ボスがお前をお呼びだ。付いてこい 金にがめついお前をクビにって話じゃねーか 「言ってろ」 クビになるなら騒がしいお前だ 「んだこら」 「ああ?」 「お前ら、今日からコンビで仕事しろ」 「は?」 「こいつと?」 「反論は認めない。ボスへの反逆は即ち死だ。最初の仕事だ、行ってこい」 「殿は任せろ、てめえのケツは守ってやるよ」 「腕は確かなんだがな。その口の悪さどうにかしろ」 「ずいぶんマシになったじゃねえか」 「まだお前の方が上手い」 「当たり前だっつの。本気(マジ)だからな」 「本気のお前を追い抜く」 「こっちのセリフだ馬鹿野郎」 「カポネをトるのに…邪魔だな。あのコンビ。 首を洗って待ってろ、カポネ」 「やれやれ。俺は穏やかに暮らしたいんだがな」 僕はベンジャミン。生まれつき体が弱くて、ベッドの上から降りられない ランスキーの野郎、俺様に弟のお守りだと? 兄ちゃんがここに人連れてきたの初めてだ 「ああん?」 「よほどルチアーノさんのことを信じてるんだね」 「あいつに言うんじゃねーぞ。…俺もだ」 「忘れるな。お前の仕事は警察からのスパイだ」 「分かってる」 「弟の手術成功するといいな。お前次第だろうが」 「弟には手を出さない約束だ」 「ルチアーノを殺れ。ヤツは邪魔だ」 「は?」 「ルチアーノさん、兄ちゃんのことよろしくね!」 「あぁ、任せろ」 「忘れるな。お前はただの駒だ。そして俺はカポネをトる」 「俺、舞台が楽しい。セリフがあるとかないとかじゃない。 みんなといる舞台だからだ。俺は、秋組の七尾太一だ!」 「那智、お前の夢みた場所からは、最高の景色が見えるぞ。 見守っててくれ。俺は、板の上で精一杯生きる!」 「ルチアーノ、上っ面だけ見るなと言っただろう。 お前たちはお互いの本当をまだ見ていない」 「幸夫さん。恩返しのつもりが、結局今も、もらっています。 いつか必ずお返しします。あんたにもらった、この夢の先で」 「兄ちゃん、ルチアーノさんを助けに行って」 「お前どうしてそれを」 「弟なめんなよ。兄弟だろ、顔で分かる」 「…」 友を裏切るな。兄ちゃんが僕に教えてくれたことだよ 「しかし俺は‥」 「僕は兄ちゃんの弟だから、病気なんかに負けないよ」 「僕のために、僕は僕で生きるから」 「さすが、俺の弟だ」 「結局てめぇなんだな、俺をアツくさせんのは」 「行くぞ。俺とお前なら怖いもん無え」 「何しやがる」 「知ってるか?手錠はめられる気分ってのは」 「ああ、ありゃ最悪だ。ご愁傷様」 「ランスキーとルチアーノが逃げました」 「で、手土産にこいつってわけか」 「俺は警察だ。俺に手を出すとどうなるか分かってるのか?」 「知らねえよ。俺は悪党だからな」 「いなくなりやがったか。気に入ってたんだがなあの二人。 まあしょうがねえ。あいつらを結びつけたのは俺だしな」 これからどうする? あいつの為に金がいるだろ。用心棒でもするか? それか、スパイとかな。儲かるぜ おいおい、懲りねえやつだな。まあ、なんでもいいや。なんでも屋にすっか 大雑把過ぎる。だが、楽しそうだ 悪党たちのララバイ 腐った世界でも 信じられる やつに 出会っちまったぜ 背中は預けてやるから お前は前だけ見てろ 気に入らねえがお前は 俺が認めたライバル | 秋組 他 | 松崎史也・Yu(vague) | Yu(vague) | Yu | この街を仕切ってるマフィアのボス『カポネ』 カポネ・ファミリーは強大で、誰もヤツにお縄はかけられない オラオラ!死神様のお通りだ。道を開けやがれ! ボスの命令だ。悪く思うな 「けっ、相変わらず地味に仕事してやがんなランスキー」 「騒がしいと思ったらお前かルチアーノ。品のなさが顔に出てるぞ」 「あ?」 「あ?」 「カポネの手下で凄腕の二人。だが二人は、 ソリが合わないことで有名だった」 ボスがお前をお呼びだ。付いてこい 金にがめついお前をクビにって話じゃねーか 「言ってろ」 クビになるなら騒がしいお前だ 「んだこら」 「ああ?」 「お前ら、今日からコンビで仕事しろ」 「は?」 「こいつと?」 「反論は認めない。ボスへの反逆は即ち死だ。最初の仕事だ、行ってこい」 「殿は任せろ、てめえのケツは守ってやるよ」 「腕は確かなんだがな。その口の悪さどうにかしろ」 「ずいぶんマシになったじゃねえか」 「まだお前の方が上手い」 「当たり前だっつの。本気(マジ)だからな」 「本気のお前を追い抜く」 「こっちのセリフだ馬鹿野郎」 「カポネをトるのに…邪魔だな。あのコンビ。 首を洗って待ってろ、カポネ」 「やれやれ。俺は穏やかに暮らしたいんだがな」 僕はベンジャミン。生まれつき体が弱くて、ベッドの上から降りられない ランスキーの野郎、俺様に弟のお守りだと? 兄ちゃんがここに人連れてきたの初めてだ 「ああん?」 「よほどルチアーノさんのことを信じてるんだね」 「あいつに言うんじゃねーぞ。…俺もだ」 「忘れるな。お前の仕事は警察からのスパイだ」 「分かってる」 「弟の手術成功するといいな。お前次第だろうが」 「弟には手を出さない約束だ」 「ルチアーノを殺れ。ヤツは邪魔だ」 「は?」 「ルチアーノさん、兄ちゃんのことよろしくね!」 「あぁ、任せろ」 「忘れるな。お前はただの駒だ。そして俺はカポネをトる」 「俺、舞台が楽しい。セリフがあるとかないとかじゃない。 みんなといる舞台だからだ。俺は、秋組の七尾太一だ!」 「那智、お前の夢みた場所からは、最高の景色が見えるぞ。 見守っててくれ。俺は、板の上で精一杯生きる!」 「ルチアーノ、上っ面だけ見るなと言っただろう。 お前たちはお互いの本当をまだ見ていない」 「幸夫さん。恩返しのつもりが、結局今も、もらっています。 いつか必ずお返しします。あんたにもらった、この夢の先で」 「兄ちゃん、ルチアーノさんを助けに行って」 「お前どうしてそれを」 「弟なめんなよ。兄弟だろ、顔で分かる」 「…」 友を裏切るな。兄ちゃんが僕に教えてくれたことだよ 「しかし俺は‥」 「僕は兄ちゃんの弟だから、病気なんかに負けないよ」 「僕のために、僕は僕で生きるから」 「さすが、俺の弟だ」 「結局てめぇなんだな、俺をアツくさせんのは」 「行くぞ。俺とお前なら怖いもん無え」 「何しやがる」 「知ってるか?手錠はめられる気分ってのは」 「ああ、ありゃ最悪だ。ご愁傷様」 「ランスキーとルチアーノが逃げました」 「で、手土産にこいつってわけか」 「俺は警察だ。俺に手を出すとどうなるか分かってるのか?」 「知らねえよ。俺は悪党だからな」 「いなくなりやがったか。気に入ってたんだがなあの二人。 まあしょうがねえ。あいつらを結びつけたのは俺だしな」 これからどうする? あいつの為に金がいるだろ。用心棒でもするか? それか、スパイとかな。儲かるぜ おいおい、懲りねえやつだな。まあ、なんでもいいや。なんでも屋にすっか 大雑把過ぎる。だが、楽しそうだ 悪党たちのララバイ 腐った世界でも 信じられる やつに 出会っちまったぜ 背中は預けてやるから お前は前だけ見てろ 気に入らねえがお前は 俺が認めたライバル |
任侠伝・流れ者銀二「お控えなすって。手前、姓は風間、名は銀二。 各々方、よろしくお頼み申します」 戦後の傷跡色濃く残り 裏切り渦巻く裏社会 仁義の二文字背中に背負い 命(タマ)張り生きる流れ者 「で、何があったんで?」 「親父が…どこぞの鉄砲玉に殺られた」 「親父さんが!?」 「なぁ風間。俺はどうすればいい…。このままじゃ龍田組は…」 「しっかりしなせぇ。親分さんがいなくなった今、龍田組を背負って いけるのは若頭のあんたしかいねえ」 「いまだに坊ちゃん扱いされる若頭に、そんな器があるのかね」 「坊、器があるかないかじゃねえ。やるかやらないかよ」 「すげえな…一気に客を引きつけちまった」 「左京にぃ、気合い入りまくりッス!」 「感心してんじゃねえ。集中しろ!」 「上等、ぶちかましてやるよ!」 「流れ者なんぞを信用しちゃあいけやせん」 「茂木ィ、客人に失礼だろ」 「テメエ兄貴を侮辱してんじゃねえぞ」 「三下は黙ってろや! 坊、組のことはこの茂木にお任せください」 「茂木さんよ。親分さんには世話んなった。事を荒だてたくはねえ。 が、人の舎弟足蹴にしておいて黙ってすますつもりですかい?」 「よそ者に下げてやるほど、俺の頭は安くねえんだよ」 「親父をやった鉄砲玉さえ見つかれば、どこの仕業かわかるんだがな」 「ネズミは意外と近くに潜んでるかもしれやせんぜ」 銀二の兄貴とイチの舎弟児島様に ケンカ売るたぁ、命知らずだな! 「児島、坊を連れて逃げろ」 「けど!」 「こいつらの狙いは坊だ。 俺を誰だと思ってる。行け」 あっしらぁ所詮無頼の輩 だが仁義に背いちゃおしめえよ 命(タマ)までは取らねえが ちいと痛え目見てもらうぜ? 「てめえらの出自は見当ついてる。けしかけたのは…茂木だな?」 「興誠会に吸収? 話が違ぇぞ! 謙坊を差し出せば俺を龍田組の頭にするっつったろ!」 「ああ、あれな。思ったよりも龍田組には肉が残ってねえって わかったからよ。ウチで吸収してやろうと思ってな。 感謝しろよ。骨なんかしゃぶって喜ぶのはてめえみたいな野犬くらいな もんだろ」 「んだとオラァ!」 「横田…裏切りやがったな」 「裏切り者はお前だろ? 龍田組はお前のおかげで終わりだ」 「悪役はまりすぎだろ。そっちが地なんじゃねえの?」 「左京さんの主演舞台にケチつけるわけにはいかないからな」 「んじゃ俺はあのおっさんが霞むくらい暴れさせてもらうわ」 「ああ! そうしろ!」 「くそがあああ!」 面子の為なら息吐く如く 騙し裏切り悪党ども 恩より己の為に動くなら 仁義に悖(もと)るはぐれ者 「茂木が裏切ってやがったとはな…」 「問題は茂木がどこの組と繋がってたか。 やつらもそれは口を割らなかった」 「兄貴! 大変です! 茂木が…!」 「おい! 茂木? 誰にやられた!?」 「…罰があたっちまった」 「組のモン呼べ。茂木の手当てをしてやってくれ!」 「ヘイ」 「坊…俺を助けようってのか?」 「当たりめえだろ! てめえはウチの組員だろうが!」 「アンタ、やっぱあの人の息子だな…」 「もういい、黙ってろ」 「親分をやったのは興誠会の横田だ」 「横田?」 「なんでテメエは坊に手を出した?」 「龍田謙を差し出せば組の名前は残してやるってあいつの口車に 乗せられて…。坊をやってでも、この組を守りたかった」 「茂木、茂木!」 「興誠会の横田。人の心を利用するたあ粋じゃねえな」 「風間、もういい。もう終わりにしよう」 「坊、何言ってんだ!」 「親父がやられて茂木も…。やっぱり俺は組長の器じゃねえ。 俺が横田に下りゃ組員達だけでも面倒みてもらえんじゃねえのか」 「横田は親分さんをやった野郎だぞ?」 「情けねえって笑ってくれ。なあ、風間」 「仁義を欠いちゃ人の世は渡っていけねえ。…拾ってもらったこの命、 仇にくれてやるくらいなら」 「ダメだ風間!」 「派手に散ってみせやしょう」 「風間!」 「今日は手加減できねえ。命(タマ)が惜しくねえ奴だけかかってきなせえ」 「そこまでだ。風間銀二」 「児島…!」 「健気だなあ。てめえの応援に来たらしいぞ。クソ弱え癖になあ」 「兄貴…兄貴、すいやせん…!」 「弟分を殺されたくなかったら武器を捨てろ」 「外道が…任侠道にいながら、サシで戦う気概もねえのかい」 「頭(ここ)で戦うのが、これからのヤクザよ」 「うらああああ!!」 「児島!」 「これで人質の価値はなくなったなあ」 「てめえ」 「俺が兄貴の一番の舎弟、児島恭太だ。なめんなよ…!」 「ふざけやがって。野郎ども、こいつを殺せ…!」 「あっしの龍が毎晩鳴くんですよ。 てめえみてぇな外道を見ると、食い殺してやりてえってな!」 「雄三さん…あんたにこんな風に、殺陣を教わるなんてな。 ここがあの時眩しくて目をそらした舞台の真ん中だ! 幸夫さん…この恩は一生かかっても返します。 あんたがくれたこの仲間達と、舞台の上で!」 「ようやく力尽きやがったか、風間銀二。やれ!」 「風間!」 「坊…」 「俺も貫きてえ。あんたに教わった…仁義ってやつを」 「どいつもこいつも、なめやがってえ!!」 「横田のダンナ…。仁義、通させていただきやした」 「てめえはなんで生きてんだよ裏切り野郎」 「オメーに言われたくねえよ切腹野郎」 「茂木、その人はウチの組の恩人だ。舐めた口聞くんじゃねえ」 「へい」 「謙さん、兄貴は!?」 「もう行っちまったよ」 「マジかよ! 追いかけねえと!」 「風間さんの行き先、わかんのかよ」 「知らねえ! けど俺は決めてんだ。地獄の果てまでついてくってな! 兄貴!」 「風間さん、次はどこ行くんすかね」 「さあな。あいつは流れ者…一つ所にはいられねえ性分なのさ…」 「お控えなすって。手前、姓は風間、名は銀二。 ご当家、三尺三寸借り受けまして、稼業、仁義を発します!」 | 秋組 他 | 松崎史也・Yu(vague) | Yu(vague) | 秋山璃帆・Yu | 「お控えなすって。手前、姓は風間、名は銀二。 各々方、よろしくお頼み申します」 戦後の傷跡色濃く残り 裏切り渦巻く裏社会 仁義の二文字背中に背負い 命(タマ)張り生きる流れ者 「で、何があったんで?」 「親父が…どこぞの鉄砲玉に殺られた」 「親父さんが!?」 「なぁ風間。俺はどうすればいい…。このままじゃ龍田組は…」 「しっかりしなせぇ。親分さんがいなくなった今、龍田組を背負って いけるのは若頭のあんたしかいねえ」 「いまだに坊ちゃん扱いされる若頭に、そんな器があるのかね」 「坊、器があるかないかじゃねえ。やるかやらないかよ」 「すげえな…一気に客を引きつけちまった」 「左京にぃ、気合い入りまくりッス!」 「感心してんじゃねえ。集中しろ!」 「上等、ぶちかましてやるよ!」 「流れ者なんぞを信用しちゃあいけやせん」 「茂木ィ、客人に失礼だろ」 「テメエ兄貴を侮辱してんじゃねえぞ」 「三下は黙ってろや! 坊、組のことはこの茂木にお任せください」 「茂木さんよ。親分さんには世話んなった。事を荒だてたくはねえ。 が、人の舎弟足蹴にしておいて黙ってすますつもりですかい?」 「よそ者に下げてやるほど、俺の頭は安くねえんだよ」 「親父をやった鉄砲玉さえ見つかれば、どこの仕業かわかるんだがな」 「ネズミは意外と近くに潜んでるかもしれやせんぜ」 銀二の兄貴とイチの舎弟児島様に ケンカ売るたぁ、命知らずだな! 「児島、坊を連れて逃げろ」 「けど!」 「こいつらの狙いは坊だ。 俺を誰だと思ってる。行け」 あっしらぁ所詮無頼の輩 だが仁義に背いちゃおしめえよ 命(タマ)までは取らねえが ちいと痛え目見てもらうぜ? 「てめえらの出自は見当ついてる。けしかけたのは…茂木だな?」 「興誠会に吸収? 話が違ぇぞ! 謙坊を差し出せば俺を龍田組の頭にするっつったろ!」 「ああ、あれな。思ったよりも龍田組には肉が残ってねえって わかったからよ。ウチで吸収してやろうと思ってな。 感謝しろよ。骨なんかしゃぶって喜ぶのはてめえみたいな野犬くらいな もんだろ」 「んだとオラァ!」 「横田…裏切りやがったな」 「裏切り者はお前だろ? 龍田組はお前のおかげで終わりだ」 「悪役はまりすぎだろ。そっちが地なんじゃねえの?」 「左京さんの主演舞台にケチつけるわけにはいかないからな」 「んじゃ俺はあのおっさんが霞むくらい暴れさせてもらうわ」 「ああ! そうしろ!」 「くそがあああ!」 面子の為なら息吐く如く 騙し裏切り悪党ども 恩より己の為に動くなら 仁義に悖(もと)るはぐれ者 「茂木が裏切ってやがったとはな…」 「問題は茂木がどこの組と繋がってたか。 やつらもそれは口を割らなかった」 「兄貴! 大変です! 茂木が…!」 「おい! 茂木? 誰にやられた!?」 「…罰があたっちまった」 「組のモン呼べ。茂木の手当てをしてやってくれ!」 「ヘイ」 「坊…俺を助けようってのか?」 「当たりめえだろ! てめえはウチの組員だろうが!」 「アンタ、やっぱあの人の息子だな…」 「もういい、黙ってろ」 「親分をやったのは興誠会の横田だ」 「横田?」 「なんでテメエは坊に手を出した?」 「龍田謙を差し出せば組の名前は残してやるってあいつの口車に 乗せられて…。坊をやってでも、この組を守りたかった」 「茂木、茂木!」 「興誠会の横田。人の心を利用するたあ粋じゃねえな」 「風間、もういい。もう終わりにしよう」 「坊、何言ってんだ!」 「親父がやられて茂木も…。やっぱり俺は組長の器じゃねえ。 俺が横田に下りゃ組員達だけでも面倒みてもらえんじゃねえのか」 「横田は親分さんをやった野郎だぞ?」 「情けねえって笑ってくれ。なあ、風間」 「仁義を欠いちゃ人の世は渡っていけねえ。…拾ってもらったこの命、 仇にくれてやるくらいなら」 「ダメだ風間!」 「派手に散ってみせやしょう」 「風間!」 「今日は手加減できねえ。命(タマ)が惜しくねえ奴だけかかってきなせえ」 「そこまでだ。風間銀二」 「児島…!」 「健気だなあ。てめえの応援に来たらしいぞ。クソ弱え癖になあ」 「兄貴…兄貴、すいやせん…!」 「弟分を殺されたくなかったら武器を捨てろ」 「外道が…任侠道にいながら、サシで戦う気概もねえのかい」 「頭(ここ)で戦うのが、これからのヤクザよ」 「うらああああ!!」 「児島!」 「これで人質の価値はなくなったなあ」 「てめえ」 「俺が兄貴の一番の舎弟、児島恭太だ。なめんなよ…!」 「ふざけやがって。野郎ども、こいつを殺せ…!」 「あっしの龍が毎晩鳴くんですよ。 てめえみてぇな外道を見ると、食い殺してやりてえってな!」 「雄三さん…あんたにこんな風に、殺陣を教わるなんてな。 ここがあの時眩しくて目をそらした舞台の真ん中だ! 幸夫さん…この恩は一生かかっても返します。 あんたがくれたこの仲間達と、舞台の上で!」 「ようやく力尽きやがったか、風間銀二。やれ!」 「風間!」 「坊…」 「俺も貫きてえ。あんたに教わった…仁義ってやつを」 「どいつもこいつも、なめやがってえ!!」 「横田のダンナ…。仁義、通させていただきやした」 「てめえはなんで生きてんだよ裏切り野郎」 「オメーに言われたくねえよ切腹野郎」 「茂木、その人はウチの組の恩人だ。舐めた口聞くんじゃねえ」 「へい」 「謙さん、兄貴は!?」 「もう行っちまったよ」 「マジかよ! 追いかけねえと!」 「風間さんの行き先、わかんのかよ」 「知らねえ! けど俺は決めてんだ。地獄の果てまでついてくってな! 兄貴!」 「風間さん、次はどこ行くんすかね」 「さあな。あいつは流れ者…一つ所にはいられねえ性分なのさ…」 「お控えなすって。手前、姓は風間、名は銀二。 ご当家、三尺三寸借り受けまして、稼業、仁義を発します!」 |
ヤクザの世界、ヤクザの常識「ご当家、軒先の仁義」 「失礼ですがお控えなすって」 「手前、粗忽者ゆえ、前後間違いましたる節は」 「まっぴらご容赦願います」 「声が小せえ! てめえら、もっと気合い入れろ!」 「へい、アニキ」 「返事が小せぇ!」 「へい、アニキ!」 「よし!」 弱きを助け強きをくじく この世は義理と人情 それがヤクザの世界 ヤクザの常識 黒いカラスもアニキが白と言えば白! 拾ってくれたアニキやオジキのためならば たとえ火の中水の中 どこへだって参りやしょう 仁義を欠いちゃ 人の世は渡れねぇ 仁義を欠く奴は虫けら以下だ それがヤクザの世界 ヤクザの常識 「監督! 大変です! MANKAI カンパニーがヤクザ事務所に なっちゃいました!」 「ああ、皆木君いいところに。助けてください、秋組の皆さんがヤクザに…」 「お、イイ感じっすね」 「どこがイイ感じなんですか! ヤクザですよ、ヤクザ! 古市さんと 一緒にいすぎて、本物のヤクザになっちゃったんですよ!」 「ああ、違いますって。これは稽古です。今度の秋組第三回公演が 任侠ものなんで」 「任侠…? ヤクザものなんですか!?」 「はい。一度書いてみたかったんですよ任侠もの。せっかく古市さんが いるわけだし、やらない手はないと思って。古市さん主演で漢くさい任侠もの 書かせてもらいました」 「古市さんが主演って…それもう本物じゃないですか。モノホンの スジモンじゃないですか?」 「古市さん、最初は主演やることごねてましたけど、めちゃくちゃ気合い 入ってますね」 「いやいや、怖すぎる~!」 「腰落とせ! 背筋を曲げるな!」 「ちょっ…休憩…」 「甘えるな!」 「ひいい!」 「ヤクザなめんじゃねえぞ、声出せ!」 「へい!」 「いや、気合い入りすぎでしょ」 「皇、向坂!てめえらも声出せ!」 「へい、アニキ!」 「雪白!」 「覚悟しいや!」 「組員が増えたー! 監督、いいんですかこれ?」 「いいじゃないですか。古市さんの気合いにのせられて、秋組全員が いつも以上に気合い入ってます。秋組第三回公演、絶対いい舞台に なりますよ! 楽しみに待ちましょうね、監督!」 「ご当家、三尺三寸借り受けまして、稼業、仁義を発します!」 「おお!!」 「感心してんじゃねえ! お前らもやってみろ!」 「へい!」 弱きを助け強きをくじく この世は義理と人情 それがヤクザの世界 ヤクザの常識 | 秋組 他 | Yu(vague) | Yu(vague) | Yu | 「ご当家、軒先の仁義」 「失礼ですがお控えなすって」 「手前、粗忽者ゆえ、前後間違いましたる節は」 「まっぴらご容赦願います」 「声が小せえ! てめえら、もっと気合い入れろ!」 「へい、アニキ」 「返事が小せぇ!」 「へい、アニキ!」 「よし!」 弱きを助け強きをくじく この世は義理と人情 それがヤクザの世界 ヤクザの常識 黒いカラスもアニキが白と言えば白! 拾ってくれたアニキやオジキのためならば たとえ火の中水の中 どこへだって参りやしょう 仁義を欠いちゃ 人の世は渡れねぇ 仁義を欠く奴は虫けら以下だ それがヤクザの世界 ヤクザの常識 「監督! 大変です! MANKAI カンパニーがヤクザ事務所に なっちゃいました!」 「ああ、皆木君いいところに。助けてください、秋組の皆さんがヤクザに…」 「お、イイ感じっすね」 「どこがイイ感じなんですか! ヤクザですよ、ヤクザ! 古市さんと 一緒にいすぎて、本物のヤクザになっちゃったんですよ!」 「ああ、違いますって。これは稽古です。今度の秋組第三回公演が 任侠ものなんで」 「任侠…? ヤクザものなんですか!?」 「はい。一度書いてみたかったんですよ任侠もの。せっかく古市さんが いるわけだし、やらない手はないと思って。古市さん主演で漢くさい任侠もの 書かせてもらいました」 「古市さんが主演って…それもう本物じゃないですか。モノホンの スジモンじゃないですか?」 「古市さん、最初は主演やることごねてましたけど、めちゃくちゃ気合い 入ってますね」 「いやいや、怖すぎる~!」 「腰落とせ! 背筋を曲げるな!」 「ちょっ…休憩…」 「甘えるな!」 「ひいい!」 「ヤクザなめんじゃねえぞ、声出せ!」 「へい!」 「いや、気合い入りすぎでしょ」 「皇、向坂!てめえらも声出せ!」 「へい、アニキ!」 「雪白!」 「覚悟しいや!」 「組員が増えたー! 監督、いいんですかこれ?」 「いいじゃないですか。古市さんの気合いにのせられて、秋組全員が いつも以上に気合い入ってます。秋組第三回公演、絶対いい舞台に なりますよ! 楽しみに待ちましょうね、監督!」 「ご当家、三尺三寸借り受けまして、稼業、仁義を発します!」 「おお!!」 「感心してんじゃねえ! お前らもやってみろ!」 「へい!」 弱きを助け強きをくじく この世は義理と人情 それがヤクザの世界 ヤクザの常識 |