アンダルシア遊び飽きた遊具の色。 禿げた町の片隅のポスターが、 雨に濡れて散らばっていた。 大嫌いなアイツの声。 錆びたチャリの6段のギア、脱げたサンダル、壊された秘密基地。 風に触れて夏は過ぎた、追い越してくアイツも。 青く、青く、染まれ涙よ。 遠く、遠くへ、 まだ。 まだ。 まだ。 遊び飽きた遊具は今、 禿げたバカが固結び動かない。 壁に触れてただ待っていた、モザイク画の天使と君。 錆びたチャリを運ぶ母と抜けたトンネル、この街が秘密基地。 畦に向けて唾を吐いた、追い越してくポルシェも。 渇く、渇く、走り続けど。 遠く、遠く、漂うサクソフォンの音。 青く、青く、染まれ涙よ。 遠く、遠くへまだ。 まだ。 アンダルシア、僕を愛してくれ。 安心してそこへ返してくれないか。 僕を笑う声も、優しさも同じ色をしている。 この町のやけに湿った風もお社の祭、火照った君も全部、 もっと適当に憎めたらいっそ楽だよ、楽なんだよ。 遊び飽きた遊具の色。 禿げた街の片隅のポスターが、 雨に濡れて散らばっていた。 笑い合ったアイツの声。 アンダルシア、君を愛してくれ。 安心してそこで待っててくれないか。 僕を笑う声も優しさも同じ香橙の色。 この町のやけに湿った風もお社の祭、火照った君も全部、 もっと適当に愛すからずっと泣くなよ、泣かないでよ。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | | 遊び飽きた遊具の色。 禿げた町の片隅のポスターが、 雨に濡れて散らばっていた。 大嫌いなアイツの声。 錆びたチャリの6段のギア、脱げたサンダル、壊された秘密基地。 風に触れて夏は過ぎた、追い越してくアイツも。 青く、青く、染まれ涙よ。 遠く、遠くへ、 まだ。 まだ。 まだ。 遊び飽きた遊具は今、 禿げたバカが固結び動かない。 壁に触れてただ待っていた、モザイク画の天使と君。 錆びたチャリを運ぶ母と抜けたトンネル、この街が秘密基地。 畦に向けて唾を吐いた、追い越してくポルシェも。 渇く、渇く、走り続けど。 遠く、遠く、漂うサクソフォンの音。 青く、青く、染まれ涙よ。 遠く、遠くへまだ。 まだ。 アンダルシア、僕を愛してくれ。 安心してそこへ返してくれないか。 僕を笑う声も、優しさも同じ色をしている。 この町のやけに湿った風もお社の祭、火照った君も全部、 もっと適当に憎めたらいっそ楽だよ、楽なんだよ。 遊び飽きた遊具の色。 禿げた街の片隅のポスターが、 雨に濡れて散らばっていた。 笑い合ったアイツの声。 アンダルシア、君を愛してくれ。 安心してそこで待っててくれないか。 僕を笑う声も優しさも同じ香橙の色。 この町のやけに湿った風もお社の祭、火照った君も全部、 もっと適当に愛すからずっと泣くなよ、泣かないでよ。 |
花瓶花瓶を打ち付ける少女は、 他に気の引き方を知らなんだ。 例えば可愛らしく笑うとか、 はたまたさめざめしく泣くだとか。 写真の裏側に書いてた 日付の針を少し進めたら、 僕が君の横に転がり込むよ。 だって後が詰まってるんだ。 赤色のライト、格子に手をかけるサイモン。 彼女に教えてやってよ、あの50の方法を! 全部いやんなった! 忘れようとしたけれどもうダメだよ。 浮かんだ悲嘆だって、 あぁーあ、痛みじゃないでしょう? 眩んだ瞬間を思い出す度に悶えちまうな。 離れて戻ろうが、 ただ、うっかりしてただけさ。 詩人を気取ってる僕はさ、 今日も君を思って書き散らす。 誰かを救うつもりがあるなら、 手紙じゃ間に合うわけがないのに。 駄文の裏側仕舞ってた 景色も、いずれ廃れ消えるから。 忘れてゆくことそのものに愛を、 じゃなきゃ泣きたくなっちまうさ。 湿気ったフレーク、カビの生えたパンと牛乳。 床に散らす花瓶まるで花のように咲いてる。 暫しブレイク、腹が空くと少し寂しい。 こんくらいの憂いだけで 日々がいつも済めば良いのに。 割れた硝子の上を君は裸足で歩く。 歩き続ける。 割れたガラスの上を、君は一人で歩く必要はもうないよ。 共に朽ちよう。 全部いやんなった? 忘れようとしたけれどもうダメだよ。 浮かんだ悲嘆だって、 あぁーあ、痛みじゃないでしょう? 眩んだ瞬間を悔やむだけの時間、勿体がないんだ。 離れて戻ろうが、 ただ、一緒にいれただけさ。 たまたま、会えただけさ。 僕らはまた、さよなら。 僕は全部いやんなった。 全部いやんなった! それじゃ、全部いやんなった? 君は全部いやんなった? | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | | 花瓶を打ち付ける少女は、 他に気の引き方を知らなんだ。 例えば可愛らしく笑うとか、 はたまたさめざめしく泣くだとか。 写真の裏側に書いてた 日付の針を少し進めたら、 僕が君の横に転がり込むよ。 だって後が詰まってるんだ。 赤色のライト、格子に手をかけるサイモン。 彼女に教えてやってよ、あの50の方法を! 全部いやんなった! 忘れようとしたけれどもうダメだよ。 浮かんだ悲嘆だって、 あぁーあ、痛みじゃないでしょう? 眩んだ瞬間を思い出す度に悶えちまうな。 離れて戻ろうが、 ただ、うっかりしてただけさ。 詩人を気取ってる僕はさ、 今日も君を思って書き散らす。 誰かを救うつもりがあるなら、 手紙じゃ間に合うわけがないのに。 駄文の裏側仕舞ってた 景色も、いずれ廃れ消えるから。 忘れてゆくことそのものに愛を、 じゃなきゃ泣きたくなっちまうさ。 湿気ったフレーク、カビの生えたパンと牛乳。 床に散らす花瓶まるで花のように咲いてる。 暫しブレイク、腹が空くと少し寂しい。 こんくらいの憂いだけで 日々がいつも済めば良いのに。 割れた硝子の上を君は裸足で歩く。 歩き続ける。 割れたガラスの上を、君は一人で歩く必要はもうないよ。 共に朽ちよう。 全部いやんなった? 忘れようとしたけれどもうダメだよ。 浮かんだ悲嘆だって、 あぁーあ、痛みじゃないでしょう? 眩んだ瞬間を悔やむだけの時間、勿体がないんだ。 離れて戻ろうが、 ただ、一緒にいれただけさ。 たまたま、会えただけさ。 僕らはまた、さよなら。 僕は全部いやんなった。 全部いやんなった! それじゃ、全部いやんなった? 君は全部いやんなった? |
comedy改札を抜けて、石楠花の街へ。 どこへゆけば良いのか僕だけが迷っていた。 教室の隅で漫ろに憂いて、気づけば陽が暮れてた。 よだれの河干上がって。 僕の悲しみに名前をつけるな! 塞ぎ込んでたら動き出した。理由も特にないままで。 動き出した隣人は皆、考えなど何もなく見えて。 立ち止まって祈るだけで、 いつの日か救われるわけないだろ。 君がこけなきゃ何も起きない。 案外、単純で退屈なコメディ。 大事なことだけするりと忘れて、 今日の僕は何を成し遂げただろうか。 洗濯物の山が崩れる。 理科の久保爺が褒めてくれた日を 燃やして、暖をとってさ。 何もかもやり過ごしたいんだ。 安くて味の濃い何か、僕は飲み下して眠った。 叫び声がまだ止まないんだ。 心臓は僕を笑っていて 転げ落ちた僕を見下ろす。 同情なら猿にくれてやれ。 僕はどうしてここに立ってて、 言いようのない悲嘆に沈んでるの? シャツの穴から覗く浮世を、 間抜けな顔で生きるコメディ。 フライパンで僕を引っ叩いて、 ペラペラになって風に舞わせて、 早くもってこいよロードローラー。 ベタなバナナも悪くない! 哀愁なんかで騙さないで、 慣習ばっかで嫌んなんね。 口論ばっかにたよんないで、 全て喜劇に変わるはずなんだ。 そんなわけがないけどさ。 塞ぎ込んでたら動き出した、理由も何もないままで。 動き出した瞬間だけは、心臓は僕のものになって。 息が切れたら、足がもげたら、逆立ちで唾を吐いて進め。 動き出した瞬間、僕を指差して笑え阿呆どもよ。 僕はこうして、腰曲がって、 悪態をついて、孤独になって、死ぬんだろな。 構わないけど少し寂しい。 結局さ、仕方なく生きるコメディ。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | | 改札を抜けて、石楠花の街へ。 どこへゆけば良いのか僕だけが迷っていた。 教室の隅で漫ろに憂いて、気づけば陽が暮れてた。 よだれの河干上がって。 僕の悲しみに名前をつけるな! 塞ぎ込んでたら動き出した。理由も特にないままで。 動き出した隣人は皆、考えなど何もなく見えて。 立ち止まって祈るだけで、 いつの日か救われるわけないだろ。 君がこけなきゃ何も起きない。 案外、単純で退屈なコメディ。 大事なことだけするりと忘れて、 今日の僕は何を成し遂げただろうか。 洗濯物の山が崩れる。 理科の久保爺が褒めてくれた日を 燃やして、暖をとってさ。 何もかもやり過ごしたいんだ。 安くて味の濃い何か、僕は飲み下して眠った。 叫び声がまだ止まないんだ。 心臓は僕を笑っていて 転げ落ちた僕を見下ろす。 同情なら猿にくれてやれ。 僕はどうしてここに立ってて、 言いようのない悲嘆に沈んでるの? シャツの穴から覗く浮世を、 間抜けな顔で生きるコメディ。 フライパンで僕を引っ叩いて、 ペラペラになって風に舞わせて、 早くもってこいよロードローラー。 ベタなバナナも悪くない! 哀愁なんかで騙さないで、 慣習ばっかで嫌んなんね。 口論ばっかにたよんないで、 全て喜劇に変わるはずなんだ。 そんなわけがないけどさ。 塞ぎ込んでたら動き出した、理由も何もないままで。 動き出した瞬間だけは、心臓は僕のものになって。 息が切れたら、足がもげたら、逆立ちで唾を吐いて進め。 動き出した瞬間、僕を指差して笑え阿呆どもよ。 僕はこうして、腰曲がって、 悪態をついて、孤独になって、死ぬんだろな。 構わないけど少し寂しい。 結局さ、仕方なく生きるコメディ。 |
カルト神様なんていないだとか 信じたいとか、日々気楽だった。 縋る様に抱えるラジカセと 例年通り異常気象、夏。 信じたものは何ですか? 信じ切るのは誰の為ですか? 国道沿いが、滲んでった。 息を吐いてる。 くだんね、くだんね、くだんないね、全部。 降って、降って、笑ったんだよ、全部。 くだんね、くだんね、くだんないね、全部。 いつかとなにかを死んだ脳で待ってる。 それだけ。 信じたものの大半が “信じてた”に名札を付け替えた。 多分、きっと知らせはあった。 孕んだポストに。 瓶詰めされた本心は、 安い塩と油でマリネした。 よくある味で食べやすいな。 苦手な方は是非! 腫れ物になる暇などないから、 自分の手で潰してゆけ。 だけど全てが跡に残った。 黙って泣いて、生きてたって そんなの虚しいだけ。 わかってたんだろ。 漂わないよ、もう。 彷徨わないよ。 僕は僕を信じてんだ。 こりゃ、カルトだってもう! ばらけた自尊心と AM5:00 発、切符持って 僕は僕に問いただしてんだ、 覚悟あんだろ? 夏の夜が過ぎてく。僕は愛を待っている。 夏の夜は過ぎてく。ただ、ただ、ただ。 夏の夜が過ぎてく。僕は愛を待っている。 夏の夜は過ぎてく。ただ、ただ、ただ。 皮膚を剥がして、if を躱して、溺れて喘いで生きている。 運命なんて、聞きたかないね、二重螺旋の濁流で。 沈んで、沈んで、 変わんないね、全部。 くだんね、くだんね、くだんないね、全部。 ずっと。 信じたものは何ですか? 信じ切るのは誰の為ですか? 神様なんていなかった、信じなくちゃいけない僕だった。 嘲笑いを置いていけ! 昨日はとっくに神話さ。 漂わないよ、もう。 彷徨わないよ。 僕が僕を信じちゃったんだ。 カルトなんだよ! 馬鹿げた理想論も、 否定で歪んだ言葉を研いで、 風の腹を掻っ捌いたんだ。 覚悟あんだろ。 漂わないでよ。彷徨わないでよ。 君が君を信じちゃったんだ。 何が悪いんだろう! 継がれた自尊心も、ここじゃないどこかへ向かう切符も、 君が君に用意してんだ。 ほらカルトなんだよ。 夏の隅を這ってく、僕が愛になってやる。 夏の隅を這ってく、ただ、ただ、ただ。 夏の隅を這ってく、僕が愛になってやる。 夏の隅を這ってく、ただ、ただ、ただ。 今は、ただ、ただ | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 神様なんていないだとか 信じたいとか、日々気楽だった。 縋る様に抱えるラジカセと 例年通り異常気象、夏。 信じたものは何ですか? 信じ切るのは誰の為ですか? 国道沿いが、滲んでった。 息を吐いてる。 くだんね、くだんね、くだんないね、全部。 降って、降って、笑ったんだよ、全部。 くだんね、くだんね、くだんないね、全部。 いつかとなにかを死んだ脳で待ってる。 それだけ。 信じたものの大半が “信じてた”に名札を付け替えた。 多分、きっと知らせはあった。 孕んだポストに。 瓶詰めされた本心は、 安い塩と油でマリネした。 よくある味で食べやすいな。 苦手な方は是非! 腫れ物になる暇などないから、 自分の手で潰してゆけ。 だけど全てが跡に残った。 黙って泣いて、生きてたって そんなの虚しいだけ。 わかってたんだろ。 漂わないよ、もう。 彷徨わないよ。 僕は僕を信じてんだ。 こりゃ、カルトだってもう! ばらけた自尊心と AM5:00 発、切符持って 僕は僕に問いただしてんだ、 覚悟あんだろ? 夏の夜が過ぎてく。僕は愛を待っている。 夏の夜は過ぎてく。ただ、ただ、ただ。 夏の夜が過ぎてく。僕は愛を待っている。 夏の夜は過ぎてく。ただ、ただ、ただ。 皮膚を剥がして、if を躱して、溺れて喘いで生きている。 運命なんて、聞きたかないね、二重螺旋の濁流で。 沈んで、沈んで、 変わんないね、全部。 くだんね、くだんね、くだんないね、全部。 ずっと。 信じたものは何ですか? 信じ切るのは誰の為ですか? 神様なんていなかった、信じなくちゃいけない僕だった。 嘲笑いを置いていけ! 昨日はとっくに神話さ。 漂わないよ、もう。 彷徨わないよ。 僕が僕を信じちゃったんだ。 カルトなんだよ! 馬鹿げた理想論も、 否定で歪んだ言葉を研いで、 風の腹を掻っ捌いたんだ。 覚悟あんだろ。 漂わないでよ。彷徨わないでよ。 君が君を信じちゃったんだ。 何が悪いんだろう! 継がれた自尊心も、ここじゃないどこかへ向かう切符も、 君が君に用意してんだ。 ほらカルトなんだよ。 夏の隅を這ってく、僕が愛になってやる。 夏の隅を這ってく、ただ、ただ、ただ。 夏の隅を這ってく、僕が愛になってやる。 夏の隅を這ってく、ただ、ただ、ただ。 今は、ただ、ただ |
金星初めて倒したボウリングピン。 僕、慣れてないんだ。 こういう雰囲気も。 例えば、クソダサい POPS で思わず踊ってしまうよな。 決めていたんだ一生涯、僕の日々の手綱は握らせないってさ。 それなのに、朝が来るまでは帰らぬ理由を探している。 君は僕より夜に馴染んだ。 意味はないけど、僕は口論がしたくなった。 金星、僕だけに抱きしめていさせてお願い。 もう夜を告げなくてもいいよ。 僕は、身勝手に君の周期を遮る。 味など無くした発泡酒、 とてもよく似た君の奔放主義だとか、 僕だけ文法を知らない時代にそぐった言葉も、 君は僕より上手く馴染んだ。 夜半の夏、ただ微温い後悔を知らない。 金星、僕だけを抱きしめて。 未来はなくていい。 もう僕は間違いでもいいと、 君を奪って盛場、夏の夜、転げる。 朝明けも、夕暮れも、 君の海馬の残像になれたら。 金星、僕だけに抱きしめていさせてお願い。 もう夜を告げなくてもいいよ。 散々僕は語ってた。 ため息みたいな理由が欲しくて。 歓声、ざわめきが置いてゆく。 手よ、離さないで。 明日また暗がりへと消える君をおいて、 最終駅、改札前、僕は両手に夜風を隠した。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 初めて倒したボウリングピン。 僕、慣れてないんだ。 こういう雰囲気も。 例えば、クソダサい POPS で思わず踊ってしまうよな。 決めていたんだ一生涯、僕の日々の手綱は握らせないってさ。 それなのに、朝が来るまでは帰らぬ理由を探している。 君は僕より夜に馴染んだ。 意味はないけど、僕は口論がしたくなった。 金星、僕だけに抱きしめていさせてお願い。 もう夜を告げなくてもいいよ。 僕は、身勝手に君の周期を遮る。 味など無くした発泡酒、 とてもよく似た君の奔放主義だとか、 僕だけ文法を知らない時代にそぐった言葉も、 君は僕より上手く馴染んだ。 夜半の夏、ただ微温い後悔を知らない。 金星、僕だけを抱きしめて。 未来はなくていい。 もう僕は間違いでもいいと、 君を奪って盛場、夏の夜、転げる。 朝明けも、夕暮れも、 君の海馬の残像になれたら。 金星、僕だけに抱きしめていさせてお願い。 もう夜を告げなくてもいいよ。 散々僕は語ってた。 ため息みたいな理由が欲しくて。 歓声、ざわめきが置いてゆく。 手よ、離さないで。 明日また暗がりへと消える君をおいて、 最終駅、改札前、僕は両手に夜風を隠した。 |
鯨の子ねえ、フレンズ。 どこへいっちゃったの? 僕はここで待ってるんだよ。 ねえ、フレンズ。 あんなに嫌がってた、恥ずかしい大人になっちまうんだよ。 たぶん今夜、曖昧な言葉で満たされ眠るよりも、 最悪な朝に君と踊ってたらいいな。 灰になってゆこう。 僕らは何度だって「こういうものだ!」と頷いて 今日も沈んでゆく、沈んでゆくだろう。 最後だって、もう僕ら飽きるくらいに通り過ぎるはず。 だから履き潰した踵のよに今は笑っていて。 ねぇ、フレンズ。 どこへいっちゃったの? 僕ら、街を泳いでるんだよ。 ねぇ、フレンズ。 別に興味ないけど、街はいつから論破ゲーム飲まれ育っちまったの? だから、今すぐ透明な僕らだけの暗号で話そう。 癇癪持ちの猫を寝かしつける暇なんて僕らにはないだろ。 君のタフさに全てを委ねないで。 自由を愛する事をやめないで。 人を疑い憎み諦める事こそ、 賢いだなんて決して言わないで。 眠れない夜は君のせいじゃない、 それはたぶん外の風が少し強すぎるだけ。 喜びも悲しみも理由はないから、不安にならないで。 僕たちは、鯨の子。 今夜この街を飲み干すため遥々とやってきた。 僕たちは、鯨の子。 さぁ踊りましょう。 今夜全て終わっちゃって構わなんだぜ。 だから、 灰になってゆこう。 僕らは何度だって「こういうものだ!」と頷いて、 今日も沈んでゆく、沈んでゆくだろう。 最期だって、もう僕らは何度だって通り過ぎるはず。 「じゃあ、履き直したスニーカーでどこへゆけばいいだろう???」 灰になってゆこう。 僕らは何度だってゆこう! いつかはこの夜の光を全て恨んでしまっても。 最後なんだよもう。 僕ら理由もなしに会えぬ夜が来る。 だから、今だけはここで待ってるんだよ。 待ってるよ。 灰になって。何度だって何度だってゆこう。 僕ら最後だって何度だって何度だってゆこう。 灰になって。何度だって何度だってゆこう。 僕ら最後だって何度だって何度だってゆこう。 灰になって。何度だって何度だってゆこう。 僕ら最期だって何度だって何度だって。もう一度。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | ねえ、フレンズ。 どこへいっちゃったの? 僕はここで待ってるんだよ。 ねえ、フレンズ。 あんなに嫌がってた、恥ずかしい大人になっちまうんだよ。 たぶん今夜、曖昧な言葉で満たされ眠るよりも、 最悪な朝に君と踊ってたらいいな。 灰になってゆこう。 僕らは何度だって「こういうものだ!」と頷いて 今日も沈んでゆく、沈んでゆくだろう。 最後だって、もう僕ら飽きるくらいに通り過ぎるはず。 だから履き潰した踵のよに今は笑っていて。 ねぇ、フレンズ。 どこへいっちゃったの? 僕ら、街を泳いでるんだよ。 ねぇ、フレンズ。 別に興味ないけど、街はいつから論破ゲーム飲まれ育っちまったの? だから、今すぐ透明な僕らだけの暗号で話そう。 癇癪持ちの猫を寝かしつける暇なんて僕らにはないだろ。 君のタフさに全てを委ねないで。 自由を愛する事をやめないで。 人を疑い憎み諦める事こそ、 賢いだなんて決して言わないで。 眠れない夜は君のせいじゃない、 それはたぶん外の風が少し強すぎるだけ。 喜びも悲しみも理由はないから、不安にならないで。 僕たちは、鯨の子。 今夜この街を飲み干すため遥々とやってきた。 僕たちは、鯨の子。 さぁ踊りましょう。 今夜全て終わっちゃって構わなんだぜ。 だから、 灰になってゆこう。 僕らは何度だって「こういうものだ!」と頷いて、 今日も沈んでゆく、沈んでゆくだろう。 最期だって、もう僕らは何度だって通り過ぎるはず。 「じゃあ、履き直したスニーカーでどこへゆけばいいだろう???」 灰になってゆこう。 僕らは何度だってゆこう! いつかはこの夜の光を全て恨んでしまっても。 最後なんだよもう。 僕ら理由もなしに会えぬ夜が来る。 だから、今だけはここで待ってるんだよ。 待ってるよ。 灰になって。何度だって何度だってゆこう。 僕ら最後だって何度だって何度だってゆこう。 灰になって。何度だって何度だってゆこう。 僕ら最後だって何度だって何度だってゆこう。 灰になって。何度だって何度だってゆこう。 僕ら最期だって何度だって何度だって。もう一度。 |
クレイクレイ色のビルディングがオレンジに照らされて、 一様に愛想がない。 僕は昨晩は、労働に勤しんで。 薄給にすがりつけ。 意味を見出しちゃダメなの? 息を止めちゃダメだよ。 意味を見出しちゃダメなの? 息を止めちゃダメだよ。 頼むよ。 クレイ色のビルディングは東方へ消えてゆく。 各駅の速度すら、もうすでに追いつけない。 定期券の期限切れ、切符買って損をした。 540、他愛もないさ。 そういえばお腹が空いてた。 意味を見出しちゃダメなの? 息を止めちゃダメだよ。 意味を見出しちゃダメなの? 息を止めちゃダメだよ。 ほら朝が、平等に眠たい瞼を押し上げる。 まだ幼い優しさじゃ、愛しい君が一番憎らしい。 それじゃあ世界、おやすみ。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | | クレイ色のビルディングがオレンジに照らされて、 一様に愛想がない。 僕は昨晩は、労働に勤しんで。 薄給にすがりつけ。 意味を見出しちゃダメなの? 息を止めちゃダメだよ。 意味を見出しちゃダメなの? 息を止めちゃダメだよ。 頼むよ。 クレイ色のビルディングは東方へ消えてゆく。 各駅の速度すら、もうすでに追いつけない。 定期券の期限切れ、切符買って損をした。 540、他愛もないさ。 そういえばお腹が空いてた。 意味を見出しちゃダメなの? 息を止めちゃダメだよ。 意味を見出しちゃダメなの? 息を止めちゃダメだよ。 ほら朝が、平等に眠たい瞼を押し上げる。 まだ幼い優しさじゃ、愛しい君が一番憎らしい。 それじゃあ世界、おやすみ。 |
ことほぎ夜更けに目が覚めて、湯気を手繰り寄せた。 浅煎りの珈琲じゃ、雨音はかき消せないか。 ソプラノ歌手のように咽び泣くやかんを、 僕はいつか捨てる。 ゴミ出しのルール、 守って。 正しくはないけど、間違っちゃないだろう。 生簀の中で海を待ってる。 幸福をいつでも恐れる僕らは、穏やかな不幸に溺れている。 さよならだけを抱き寄せないで。 愛される権利は君にある! もう全部がくだらなくて、裸足のまま街を歩いている。 拙い言葉で祝うからさ、たまに笑ってくれ。 争わずとも、別れは芽吹く。 町の裾から、朝がほどける。 飛び乗った路線、向かう先。 僕はこっからわかんなくっていいよ。 窓を2分割している海、篩う風。 花弁が散った方途。 錆びた無人駅、割いた試金石。 片付けあってショートしようよ。 サレンダーだけはしないさ。 ねえ、君一体全体どうしちゃったんだ? もう、間違っていいんだよ。 理屈の外で僕は待ってる。 幸福であること恐れるな。 僕らは瞬きすら惜しんでる。 転がってく! さよならだけを抱き寄せないで、 愛される権利は君にある! もう全部がくだらなくて、裸足のまま街を進んでゆく。 ああ僕らは呪いじゃなくて、 馬鹿げている祝福でいたいや! さあ、ことほぎよ。 だから声澄ませ。 もう今は、ばいばい。 拝啓、僕らきっと忘れていいよ。 思い出を美化はしないぜ。 だって素晴らしかった。美しかった。 だからもう、次の未来へ。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 夜更けに目が覚めて、湯気を手繰り寄せた。 浅煎りの珈琲じゃ、雨音はかき消せないか。 ソプラノ歌手のように咽び泣くやかんを、 僕はいつか捨てる。 ゴミ出しのルール、 守って。 正しくはないけど、間違っちゃないだろう。 生簀の中で海を待ってる。 幸福をいつでも恐れる僕らは、穏やかな不幸に溺れている。 さよならだけを抱き寄せないで。 愛される権利は君にある! もう全部がくだらなくて、裸足のまま街を歩いている。 拙い言葉で祝うからさ、たまに笑ってくれ。 争わずとも、別れは芽吹く。 町の裾から、朝がほどける。 飛び乗った路線、向かう先。 僕はこっからわかんなくっていいよ。 窓を2分割している海、篩う風。 花弁が散った方途。 錆びた無人駅、割いた試金石。 片付けあってショートしようよ。 サレンダーだけはしないさ。 ねえ、君一体全体どうしちゃったんだ? もう、間違っていいんだよ。 理屈の外で僕は待ってる。 幸福であること恐れるな。 僕らは瞬きすら惜しんでる。 転がってく! さよならだけを抱き寄せないで、 愛される権利は君にある! もう全部がくだらなくて、裸足のまま街を進んでゆく。 ああ僕らは呪いじゃなくて、 馬鹿げている祝福でいたいや! さあ、ことほぎよ。 だから声澄ませ。 もう今は、ばいばい。 拝啓、僕らきっと忘れていいよ。 思い出を美化はしないぜ。 だって素晴らしかった。美しかった。 だからもう、次の未来へ。 |
ghostあなたにぼくが見えていたら、 もう少し空は綺麗だ。 降り止んだ雨の匂いが、 染み付いたハンカチで拭う。 賛美歌の聞こえる大通り。 小児科の裏の水溜り。 代わりたいまま、 変われないまま。 ここにいるよ、叫び疲れて。 すり抜け落ちたあなたの涙は 今、ぼくを置いて花を咲かす。 朝焼けを待てど、呼吸は絶え。 街は今、ぼくを忘れる。 鼻先を擽る、あなたの吐息すら。 立ち込める夜霧が連れ去る。 水際に浮かぶ飴坊に 羨みが募れば、蹴り飛ばせ。 忘れたいなら、忘れりゃいいさ。 孤独は誰の物にもならない。 すり抜け消えた、あなたの視線が 今、ぼくを置いて朝を目指す。 ああバイパス、光の粒。 ぼくを通り抜け消えてゆく。 あなたの瞳も、あなたの耳も、あなたの肌もぼくに気づかない。 じゃあ立ち尽くして待ち続けるかい、それじゃまるでほら。 代わりたいまま、 変われないまま。 ここにいるよ、すべて許して。 すり抜け落ちたあなたの涙が 今、ぼくを僕に変えて 頬を朝日が照らすだろう。 あなたの下へ僕が花を咲かそう。 僕が花を咲かそう。 My life is ghost. | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | | あなたにぼくが見えていたら、 もう少し空は綺麗だ。 降り止んだ雨の匂いが、 染み付いたハンカチで拭う。 賛美歌の聞こえる大通り。 小児科の裏の水溜り。 代わりたいまま、 変われないまま。 ここにいるよ、叫び疲れて。 すり抜け落ちたあなたの涙は 今、ぼくを置いて花を咲かす。 朝焼けを待てど、呼吸は絶え。 街は今、ぼくを忘れる。 鼻先を擽る、あなたの吐息すら。 立ち込める夜霧が連れ去る。 水際に浮かぶ飴坊に 羨みが募れば、蹴り飛ばせ。 忘れたいなら、忘れりゃいいさ。 孤独は誰の物にもならない。 すり抜け消えた、あなたの視線が 今、ぼくを置いて朝を目指す。 ああバイパス、光の粒。 ぼくを通り抜け消えてゆく。 あなたの瞳も、あなたの耳も、あなたの肌もぼくに気づかない。 じゃあ立ち尽くして待ち続けるかい、それじゃまるでほら。 代わりたいまま、 変われないまま。 ここにいるよ、すべて許して。 すり抜け落ちたあなたの涙が 今、ぼくを僕に変えて 頬を朝日が照らすだろう。 あなたの下へ僕が花を咲かそう。 僕が花を咲かそう。 My life is ghost. |
私小説君の悲しみを知らない、それすら喜びの朝も知らない。 風が吹き、君は発つ、退屈な日々の折へと。 誰かが君のこと憎む朝、 残念ながら君はよく目覚め。 歳を経て女優へ化けていく友を思い出して泣いている。 湯気が上ってく七時過ぎ、 暗転する視界にもう慣れて。 星を見上げてるニシンのよう、君は今日に生きてる。 小っ恥ずかしくて言えない程、 夢の中で笑っていた。 海抜の低いこの町で君は海を許せない。 珊瑚礁にばっかり愛注ぐ。 端的に言えば馬鹿げてる。 窓に線を引く東京タワーは恋を知らぬまま。 誰かの視線が気になって、 ボタンの一番上閉める。 爪先を踏んだアイツの着ているスーツを忘れるな。 「あなたによく似た人を私、この町で今も探してるの。」 陳腐なセリフが吐けたもんだ。 ほら、緞帳が上がるよ。 君の悲しみを知らない。 それすら喜びの朝も知らない。 絶望を乗り越えた先には退屈な生活が待ってて。 風はまだ少し冷たい、起き抜けに飲んだソーダの輝き。 辺境へ変わってく都市に僕たちの居場所などないと思っていた。 同じ部屋で生きる僕ら、 誰一人同じ瞳などなく。 浅ましいほどに個性的で、 悩ましいほどに無個性だ。 それじゃあまだ風はうるさい? 君の喉の奥を深く刺すかい? さらしもの。美しい愚者よ。 ただ生きよう、どうにせよ僕ら醜いから。 だから人は君を思い、 優しさを覚え、もう少し明日を生きてみる。 憐憫なマネキンの海を流されて君は生きる。 僕はただ愛していたい。 それでも知ることもおよそあるまい。 絶望を乗り越えた先の、退屈で厳かなあなたの溜息を。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | | 君の悲しみを知らない、それすら喜びの朝も知らない。 風が吹き、君は発つ、退屈な日々の折へと。 誰かが君のこと憎む朝、 残念ながら君はよく目覚め。 歳を経て女優へ化けていく友を思い出して泣いている。 湯気が上ってく七時過ぎ、 暗転する視界にもう慣れて。 星を見上げてるニシンのよう、君は今日に生きてる。 小っ恥ずかしくて言えない程、 夢の中で笑っていた。 海抜の低いこの町で君は海を許せない。 珊瑚礁にばっかり愛注ぐ。 端的に言えば馬鹿げてる。 窓に線を引く東京タワーは恋を知らぬまま。 誰かの視線が気になって、 ボタンの一番上閉める。 爪先を踏んだアイツの着ているスーツを忘れるな。 「あなたによく似た人を私、この町で今も探してるの。」 陳腐なセリフが吐けたもんだ。 ほら、緞帳が上がるよ。 君の悲しみを知らない。 それすら喜びの朝も知らない。 絶望を乗り越えた先には退屈な生活が待ってて。 風はまだ少し冷たい、起き抜けに飲んだソーダの輝き。 辺境へ変わってく都市に僕たちの居場所などないと思っていた。 同じ部屋で生きる僕ら、 誰一人同じ瞳などなく。 浅ましいほどに個性的で、 悩ましいほどに無個性だ。 それじゃあまだ風はうるさい? 君の喉の奥を深く刺すかい? さらしもの。美しい愚者よ。 ただ生きよう、どうにせよ僕ら醜いから。 だから人は君を思い、 優しさを覚え、もう少し明日を生きてみる。 憐憫なマネキンの海を流されて君は生きる。 僕はただ愛していたい。 それでも知ることもおよそあるまい。 絶望を乗り越えた先の、退屈で厳かなあなたの溜息を。 |
誰も愛せない人肩を撫でる淡い髪。 遠く消える陸橋。 星の数だけ泣いたチェシェと、 記憶を無くした煙草。 穴の空いた緑のネット。 焦げた花に降る小雨。 難破船への救難信号。 それが君への愛。 誰も愛せない人へとどうかゆるがない愛を。 何も変わらないものなどある訳がないのにね。 誰も愛せない人へと今は何よりも愛を。 一人きりで生きるには君は優しすぎるよ。 ヨブを信じた吊り目の君。 サンタモニカの励行。 くだらないこの毎日を 僕は愛してるのに。 夏が秋に変わる瞬間。 蛹の中、空洞。 踊る少女には靴がない。 ずっと気づいてたでしょう? 瞼の裏に吹いた風。 思い出したくない季節。 愚かだから人間だ。 ほんと、悲しいほどに。 誰も愛せない筈だよ、こんな苦しみの辺境。 まかり通った私利私欲全部置いてゆくよ、一緒に。 誰も愛せない君へとどうか揺るがない愛を。 わかりきってる不幸程、僕ら信じちゃうよね。 誰も愛せない君でもどうか許される愛を。 それが君で良いんだよ。ずっと、気づいてたでしょう。 全部気づいてたでしょう。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | | 肩を撫でる淡い髪。 遠く消える陸橋。 星の数だけ泣いたチェシェと、 記憶を無くした煙草。 穴の空いた緑のネット。 焦げた花に降る小雨。 難破船への救難信号。 それが君への愛。 誰も愛せない人へとどうかゆるがない愛を。 何も変わらないものなどある訳がないのにね。 誰も愛せない人へと今は何よりも愛を。 一人きりで生きるには君は優しすぎるよ。 ヨブを信じた吊り目の君。 サンタモニカの励行。 くだらないこの毎日を 僕は愛してるのに。 夏が秋に変わる瞬間。 蛹の中、空洞。 踊る少女には靴がない。 ずっと気づいてたでしょう? 瞼の裏に吹いた風。 思い出したくない季節。 愚かだから人間だ。 ほんと、悲しいほどに。 誰も愛せない筈だよ、こんな苦しみの辺境。 まかり通った私利私欲全部置いてゆくよ、一緒に。 誰も愛せない君へとどうか揺るがない愛を。 わかりきってる不幸程、僕ら信じちゃうよね。 誰も愛せない君でもどうか許される愛を。 それが君で良いんだよ。ずっと、気づいてたでしょう。 全部気づいてたでしょう。 |
東京宣言おはよう、東京が怯えてる。 最早、童謡は産まれない。 取り残された僕たちはどこへゆこうか。 風邪は同情じゃ治らない。 それを駅員は忘れてる。 もう、群れは雨脚と証券だけで動く。 233℃の夏に僕ら愛を待つ。 さあ一体君はどうするの? 僕は書くよ音楽を。 ねえ、 酸欠の国。僕に気づいてよ。 なんで苦もなく君を殺せるの。 僕を僕にたらしめる何かを 探していた、幼稚なまま。 明日が来る度僕ら祈るんだ。 どうかこれが最後の夏であれと。 誰も聴かない声で 理由を話しているんだ。 「もうここじゃ夢はきっと見えないから。」 不貞腐れた僕は珈琲を飲んだ。 酸欠の国。早く気づきなよ。 君の為に僕は死なないよ。 風が声の居場所を奪うなら、 僕は愛を突き刺すだろう。 ねえ、 酸欠の国。僕に気づいてよ。 だってそれでも息は続くだろ。 僕を僕に足らしめる悲劇を 忘れていた正気なまま。 明日が来る度僕ら祈るんだ。 最期くらい選んで生きてたいと。 消えた声がいつか 君を許すといいな。 この歌が決して童謡にならずとも、 子守唄くらいにはなったらいいのにな。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | おはよう、東京が怯えてる。 最早、童謡は産まれない。 取り残された僕たちはどこへゆこうか。 風邪は同情じゃ治らない。 それを駅員は忘れてる。 もう、群れは雨脚と証券だけで動く。 233℃の夏に僕ら愛を待つ。 さあ一体君はどうするの? 僕は書くよ音楽を。 ねえ、 酸欠の国。僕に気づいてよ。 なんで苦もなく君を殺せるの。 僕を僕にたらしめる何かを 探していた、幼稚なまま。 明日が来る度僕ら祈るんだ。 どうかこれが最後の夏であれと。 誰も聴かない声で 理由を話しているんだ。 「もうここじゃ夢はきっと見えないから。」 不貞腐れた僕は珈琲を飲んだ。 酸欠の国。早く気づきなよ。 君の為に僕は死なないよ。 風が声の居場所を奪うなら、 僕は愛を突き刺すだろう。 ねえ、 酸欠の国。僕に気づいてよ。 だってそれでも息は続くだろ。 僕を僕に足らしめる悲劇を 忘れていた正気なまま。 明日が来る度僕ら祈るんだ。 最期くらい選んで生きてたいと。 消えた声がいつか 君を許すといいな。 この歌が決して童謡にならずとも、 子守唄くらいにはなったらいいのにな。 |
箱庭の灯灯りを忘れた箱庭で、 言葉が窓辺の海になる。 あいつの罵倒は遠くの雲、 稲光だけ。 飾りの過剰な優しさで、 染みついたエゴは隠せない。 あたり一面に飛び散るスパンコール、拾ってね。 僕ら不完全で、日々は未完成だ。 僕ら不安で、ひら、ひら、ひらと笑う。 寂しさは今じゃ免罪符。 他人を妬む自分を庇う為の 「誰も彼も醜すぎる。」って 自分はどうなの? ありふれた日々に殺される。 孤独を舐めたら中毒になって 部屋の底溜まり、吐いた言葉がまた穢すだけ。 僕ら不安定で、日々は不完全だ。 僕ら不安で、ひら、ひら、ひらと笑う。 僕ら不安定で、日々は不完全だ。 箱庭の中で、遊ぶように息を紡げ。 ばいばい、どこへゆこうか。 砂漠でぽつんと夢が覚める。 何回も求めた光は幻だったな。 ばいばい、灯りはどこ? 足元を憎む義務なんてない。 あなたの言葉が造った世界を愛せばいい。 あなたの言葉をまず適当に愛したっていい。 僕ら不安定で、不完全だ。 箱庭の外へ、笑うように君を許せ。 輝け。 かたちのない自分でも。 また憧れ、でも壊され、 傷つけあっても未来へとずっと。 燻んだ瞳を振り解く愛が笑った。 ほら、わかったろう。 僕らこそが箱庭の灯。 君が君であるなら ずっと箱庭の灯。 箱庭の灯。 僕ら不安定で、日々は不完全だ。 僕ら不安で、ひら、ひら、ひらと笑う。 僕ら不安定で、日々は不完全だ。 僕ら不安で、ひら、ひら、ひらと笑う。 僕ら不安定で、日々は不完全だ。 僕ら不安で、ひら、ひら、ひらと笑う。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | | 灯りを忘れた箱庭で、 言葉が窓辺の海になる。 あいつの罵倒は遠くの雲、 稲光だけ。 飾りの過剰な優しさで、 染みついたエゴは隠せない。 あたり一面に飛び散るスパンコール、拾ってね。 僕ら不完全で、日々は未完成だ。 僕ら不安で、ひら、ひら、ひらと笑う。 寂しさは今じゃ免罪符。 他人を妬む自分を庇う為の 「誰も彼も醜すぎる。」って 自分はどうなの? ありふれた日々に殺される。 孤独を舐めたら中毒になって 部屋の底溜まり、吐いた言葉がまた穢すだけ。 僕ら不安定で、日々は不完全だ。 僕ら不安で、ひら、ひら、ひらと笑う。 僕ら不安定で、日々は不完全だ。 箱庭の中で、遊ぶように息を紡げ。 ばいばい、どこへゆこうか。 砂漠でぽつんと夢が覚める。 何回も求めた光は幻だったな。 ばいばい、灯りはどこ? 足元を憎む義務なんてない。 あなたの言葉が造った世界を愛せばいい。 あなたの言葉をまず適当に愛したっていい。 僕ら不安定で、不完全だ。 箱庭の外へ、笑うように君を許せ。 輝け。 かたちのない自分でも。 また憧れ、でも壊され、 傷つけあっても未来へとずっと。 燻んだ瞳を振り解く愛が笑った。 ほら、わかったろう。 僕らこそが箱庭の灯。 君が君であるなら ずっと箱庭の灯。 箱庭の灯。 僕ら不安定で、日々は不完全だ。 僕ら不安で、ひら、ひら、ひらと笑う。 僕ら不安定で、日々は不完全だ。 僕ら不安で、ひら、ひら、ひらと笑う。 僕ら不安定で、日々は不完全だ。 僕ら不安で、ひら、ひら、ひらと笑う。 |
初恋ろくでもないこの世界で、 呼吸を奪っていたのは紛れない僕自身だった。 理由はいらない。 夢中になりたい。 薄膜のような愛に騙されても。 まるで初恋のように。 あてもなく無謀に。 食い違いも、とうに運命と呼んじゃってさ。 全てが裏目に出て。 こんなはずじゃなかったんだ、わかってくれ。 難破船のように、 言葉はきみを介し行方を失っていた。 不甲斐ないぜ。 どうか、来世では僕より情けない人でいて。 野山も、奴隷も、戦争も知らない世界で、 僕らは愛のための愛を歌い交わし、 ネバーランドの月賦を捻り出す。 午前3時の仄暗い机の上に、 訳もなく落ちた感情の残渣。 もう、呪いなんだ。 消えてしまえよ。 まるで初恋のように。 持て余す無法に。 勘違いと共に、二人は沈んじゃってさ。 水面は離れてゆく。 こんなはずじゃなかったんだ。 じゃあどんなつもりなんだ、 話してくれ! まるで初恋のように。 当てもなく無謀に。 食い違いも、とうに運命と呼んじゃってさ。 全てに目を瞑って、 これが愛と信じていた、笑ってくれ! 難破船は、とうに心の風を介し、 穏やかな浜辺に時が経ち流れ着く。 いつか、迸る孤独を懐かしむ君でいて。 恥ずかしい君でいて!!! どうか来世では僕より情けない人でいて。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | ろくでもないこの世界で、 呼吸を奪っていたのは紛れない僕自身だった。 理由はいらない。 夢中になりたい。 薄膜のような愛に騙されても。 まるで初恋のように。 あてもなく無謀に。 食い違いも、とうに運命と呼んじゃってさ。 全てが裏目に出て。 こんなはずじゃなかったんだ、わかってくれ。 難破船のように、 言葉はきみを介し行方を失っていた。 不甲斐ないぜ。 どうか、来世では僕より情けない人でいて。 野山も、奴隷も、戦争も知らない世界で、 僕らは愛のための愛を歌い交わし、 ネバーランドの月賦を捻り出す。 午前3時の仄暗い机の上に、 訳もなく落ちた感情の残渣。 もう、呪いなんだ。 消えてしまえよ。 まるで初恋のように。 持て余す無法に。 勘違いと共に、二人は沈んじゃってさ。 水面は離れてゆく。 こんなはずじゃなかったんだ。 じゃあどんなつもりなんだ、 話してくれ! まるで初恋のように。 当てもなく無謀に。 食い違いも、とうに運命と呼んじゃってさ。 全てに目を瞑って、 これが愛と信じていた、笑ってくれ! 難破船は、とうに心の風を介し、 穏やかな浜辺に時が経ち流れ着く。 いつか、迸る孤独を懐かしむ君でいて。 恥ずかしい君でいて!!! どうか来世では僕より情けない人でいて。 |
花筏僕が呪いになる前に君を愛しきってさ、 抜け殻になってしまいたい。 僕が夜明けを待つ側に、 できれば君がいいから 構わないかな。 どうして言葉にならないんだろう。 雨の続く5月の暮れに、 僕は湿気った最中を飲み込んだ。 柳の葉が風に靡き、泣き伏せる。 AM5:00の明治通りは、 風に乗るのには丁度いいのさ。 たまには一人生きようよ。 そして、たまには会って話そうよ。 参っちまうな! 僕が呪いになる前に君を愛しきってさ、 抜け殻になってしまいたい。 僕は呼吸を待つように 君に会いたくってさ、 夜更けに靴を擦り減らしてる。 振り出しに戻ればどうしよう。 出会い方諸々変えとこう。 やっぱりこのままがいいだろう。 僕らは美しい。 離れたら愛は鎖なの? そんなのよっぽどおかしいよ。 僕たちは風のままにゆこう。 僕らは美しい。 それでも、美しい。 どうして変わってしまうんだろう? 雨上がりのガラス戸のように僕ら。 きっと燻み、曇り、 ある日何も見えなくなるだろう。 それでも、今はいいよ。 僕が呪いになる前に君を愛しきってさ、 抜け殻になってしまいたいんだよ。 でも、僕はどうしようもないからさ。 ずっと、愛したいんだよ。 死ぬまでは生きてたいんだよ、君と。 愛しきって、愛想尽きても、 朝を待つよ。 僕の呪いであってくれ、 僕が記憶になる前に。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | | 僕が呪いになる前に君を愛しきってさ、 抜け殻になってしまいたい。 僕が夜明けを待つ側に、 できれば君がいいから 構わないかな。 どうして言葉にならないんだろう。 雨の続く5月の暮れに、 僕は湿気った最中を飲み込んだ。 柳の葉が風に靡き、泣き伏せる。 AM5:00の明治通りは、 風に乗るのには丁度いいのさ。 たまには一人生きようよ。 そして、たまには会って話そうよ。 参っちまうな! 僕が呪いになる前に君を愛しきってさ、 抜け殻になってしまいたい。 僕は呼吸を待つように 君に会いたくってさ、 夜更けに靴を擦り減らしてる。 振り出しに戻ればどうしよう。 出会い方諸々変えとこう。 やっぱりこのままがいいだろう。 僕らは美しい。 離れたら愛は鎖なの? そんなのよっぽどおかしいよ。 僕たちは風のままにゆこう。 僕らは美しい。 それでも、美しい。 どうして変わってしまうんだろう? 雨上がりのガラス戸のように僕ら。 きっと燻み、曇り、 ある日何も見えなくなるだろう。 それでも、今はいいよ。 僕が呪いになる前に君を愛しきってさ、 抜け殻になってしまいたいんだよ。 でも、僕はどうしようもないからさ。 ずっと、愛したいんだよ。 死ぬまでは生きてたいんだよ、君と。 愛しきって、愛想尽きても、 朝を待つよ。 僕の呪いであってくれ、 僕が記憶になる前に。 |
バースデイ冷蔵庫、仕舞っておいた ケーキは諦めの味がする。 空気の抜けた生クリーム、 優しいがなぜか好きになれない。 蝋燭なんていらないだろう、 吹き消すくらいなら焼き尽くせ。 焦げてもケーキは甘いかな。 君は怒るかな。 僕らに明日はないんだぜ。 今すぐ何かを変えようぜ。 いつまでたってもこのままで、 いられても困るだろう。 閉塞感、着込んで生きた 鉄骨の城は遥か彼方。 空気の抜けた生クリーム、 あの人はなぜか好きになれない。 「約束なんていらないだろう? 自由こそ全てさ、わかるだろう?」 何も恐れを知らなかった、 僕は笑うかな。 僕らに明日などないんだぜ。 今すぐ何かを変えようぜ。 いつまでたってもこのままで、 いられても困るだろう。 僕らに夢などないんだぜ。 最早怒りすらないけどね。 いつまでたってもそのままで、 いられると思うなよ。 気づけば未来は死んでいて、 思い出の余白が増えてった。 随分寝過ごしたようだから 行き先を変えるのさ。 気づけば僕らは死んでいて、 離れ離れになるのかな。 もういちど会えたら嬉しいな。 それじゃまた明日。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | | 冷蔵庫、仕舞っておいた ケーキは諦めの味がする。 空気の抜けた生クリーム、 優しいがなぜか好きになれない。 蝋燭なんていらないだろう、 吹き消すくらいなら焼き尽くせ。 焦げてもケーキは甘いかな。 君は怒るかな。 僕らに明日はないんだぜ。 今すぐ何かを変えようぜ。 いつまでたってもこのままで、 いられても困るだろう。 閉塞感、着込んで生きた 鉄骨の城は遥か彼方。 空気の抜けた生クリーム、 あの人はなぜか好きになれない。 「約束なんていらないだろう? 自由こそ全てさ、わかるだろう?」 何も恐れを知らなかった、 僕は笑うかな。 僕らに明日などないんだぜ。 今すぐ何かを変えようぜ。 いつまでたってもこのままで、 いられても困るだろう。 僕らに夢などないんだぜ。 最早怒りすらないけどね。 いつまでたってもそのままで、 いられると思うなよ。 気づけば未来は死んでいて、 思い出の余白が増えてった。 随分寝過ごしたようだから 行き先を変えるのさ。 気づけば僕らは死んでいて、 離れ離れになるのかな。 もういちど会えたら嬉しいな。 それじゃまた明日。 |
Veranda僕は君のベランダを知らない。 あの部屋では遂に煙草を吸わなかったから。 夜の隙間に隠れた時計、 まるで散らぬような顔の花。 風が頬に振り落とす。 季節が告げている、 さよならだと。 愛はここにあって、 まだ言えない理由も夢中も 全部笑って待ってる。 代替案持ってこないで、 不憫じゃないか。 いつか、 抱擁で縛り合い憎み合うなんて。 金糸雀色のカーテンについた、 真っ黒い点から目が離せないや! 僕は君のベランダを知らない。 朝日が差し込む角度も、 その寂しささえも。 僕の隙間に入り込んじまってさ、 まるで平気な顔で眠りにつく。 狸みたいな猫のあくびで、 崩れた君の顔を眺めていたんだ。 別れを知らない僕らは、 再会をいつだって恐れてる。 別れを知らない僕はさ、 再会を君とだけはしたくないんだ! 愛はここにあって、 まだ言えない理由も夢中も 全部笑って待ってる。 代替案持ってこないで、 不憫じゃないか。 いつか抱擁が縛り合い、 陽が落ちるなんて! 愛はここにあんぜ。 まだ見えない? 僕は待つよ。 地続きでパリにいけるまで! もう最悪でやるせない夜は、 できれば僕に寄りかかっていて。 金糸雀色のカーテンが揺れる。 陽だまりからは溢れた二人。 金糸雀色のカーテンを外す。 ザマアミロ!君の手をとり街をゆく。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 僕は君のベランダを知らない。 あの部屋では遂に煙草を吸わなかったから。 夜の隙間に隠れた時計、 まるで散らぬような顔の花。 風が頬に振り落とす。 季節が告げている、 さよならだと。 愛はここにあって、 まだ言えない理由も夢中も 全部笑って待ってる。 代替案持ってこないで、 不憫じゃないか。 いつか、 抱擁で縛り合い憎み合うなんて。 金糸雀色のカーテンについた、 真っ黒い点から目が離せないや! 僕は君のベランダを知らない。 朝日が差し込む角度も、 その寂しささえも。 僕の隙間に入り込んじまってさ、 まるで平気な顔で眠りにつく。 狸みたいな猫のあくびで、 崩れた君の顔を眺めていたんだ。 別れを知らない僕らは、 再会をいつだって恐れてる。 別れを知らない僕はさ、 再会を君とだけはしたくないんだ! 愛はここにあって、 まだ言えない理由も夢中も 全部笑って待ってる。 代替案持ってこないで、 不憫じゃないか。 いつか抱擁が縛り合い、 陽が落ちるなんて! 愛はここにあんぜ。 まだ見えない? 僕は待つよ。 地続きでパリにいけるまで! もう最悪でやるせない夜は、 できれば僕に寄りかかっていて。 金糸雀色のカーテンが揺れる。 陽だまりからは溢れた二人。 金糸雀色のカーテンを外す。 ザマアミロ!君の手をとり街をゆく。 |
包帯君からする死の匂いは 焼きたてのパンに少し似て、 トースターの底、溜まっていた思い出を愛し損ねている。 忌諱からくる庇護し合いは外来の花が育つようで。 水面を全て埋め尽くした。 美しく、息が、詰まる。 息が詰まる。 日々、絡まる譲り合いはコンセント積もる、埃の匂い。 ある朝全てがなくなってしまっても、 多分いいんだろう。 木々さざめく庭の端で、 爪先立ちを繰り返す。 諦めた後啜る珈琲は、少し甘い。 ダクトに流れる暮らし≒額縁の中にしまう後悔。 馬鹿げている世界を、 踏み越える度に悲鳴が響いた。 解けてゆく。 君の身体、心も、 包帯のようだった。 鞄の中、溢れていた水筒に肩を落としながら ガードレールが 1-1 ゴールの旗を目指していた。 煙が昇って行く。 諦めたあと啜る珈琲は 少し甘い、少し甘かった。 割れた電球の破片を金属バットで端にやる。 階段に座り、眠りにつく。眠りにつく。 明日また、僕じゃないといいな。 明日には、僕じゃないといいな。 ぐにゃりと歪んだ、足元の何か。 馬鹿げている世界を、 踏み越える度に悲鳴が響いた。 解けてゆく君の、 結び目に僕はなれやしなかった。 馬鹿げている世界を、 振り返る度にケラケラ笑った。 ふざけている。 未来は、生き延びた灰の溜り場じゃないんだ。 ささくれだつ、君が優しさと呼んだ硝子を飲み込んだ。 飲み込んだ。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | | 君からする死の匂いは 焼きたてのパンに少し似て、 トースターの底、溜まっていた思い出を愛し損ねている。 忌諱からくる庇護し合いは外来の花が育つようで。 水面を全て埋め尽くした。 美しく、息が、詰まる。 息が詰まる。 日々、絡まる譲り合いはコンセント積もる、埃の匂い。 ある朝全てがなくなってしまっても、 多分いいんだろう。 木々さざめく庭の端で、 爪先立ちを繰り返す。 諦めた後啜る珈琲は、少し甘い。 ダクトに流れる暮らし≒額縁の中にしまう後悔。 馬鹿げている世界を、 踏み越える度に悲鳴が響いた。 解けてゆく。 君の身体、心も、 包帯のようだった。 鞄の中、溢れていた水筒に肩を落としながら ガードレールが 1-1 ゴールの旗を目指していた。 煙が昇って行く。 諦めたあと啜る珈琲は 少し甘い、少し甘かった。 割れた電球の破片を金属バットで端にやる。 階段に座り、眠りにつく。眠りにつく。 明日また、僕じゃないといいな。 明日には、僕じゃないといいな。 ぐにゃりと歪んだ、足元の何か。 馬鹿げている世界を、 踏み越える度に悲鳴が響いた。 解けてゆく君の、 結び目に僕はなれやしなかった。 馬鹿げている世界を、 振り返る度にケラケラ笑った。 ふざけている。 未来は、生き延びた灰の溜り場じゃないんだ。 ささくれだつ、君が優しさと呼んだ硝子を飲み込んだ。 飲み込んだ。 |
ホムンクルス僕たちは退屈な日々に相槌を打って、 結局は排泄のような愛着で生きている。 地方都市、むせかえる夏。 河川敷に生ぬるい風が。 同心円にひろがる「私」 重機の軋む音。 おんなじ声、声、声。 取り繕ったら僕だった。 それが答えだと告ぐように、 風の匂いが深くなった。 どうしてだろう。どうしてだろう。 何もかも傷つけて守った僕が、 ありきたりな空洞で笑える。 何でもないまま誰かになっても、 変わらない劣等感が追いついて、 聞き飽きた声は染み付いて、 あなたはあなたのまま。 僕たちは退屈な日々に相槌を打って。 相槌を打って。 「相槌を打って」 「相槌を打って」 「相槌を打って」 「相槌を打って」 止まない音を躱して! 取り繕ったら僕だった。 それが答えだと告ぐように、 咽せる暮らしだけ過ぎていた。 どうしてだろう?どうしてだろう? 明日になったら僕だった。 変わらずつまらない僕のまま。 だけど、変われない僕だから。 さあ、体よ。 もう動けよ。 読みかけの本が増えていた。 書き出しで嘘は熟れていた。 記憶より肌を信じてた。 「私」を脱ぎ去る。 ありふれた僕もいいもんだ。 おんなじ声を許したんだ。 やがて凪ぐ日々に恋をした。 消えない、僕らはホムンクルス。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 僕たちは退屈な日々に相槌を打って、 結局は排泄のような愛着で生きている。 地方都市、むせかえる夏。 河川敷に生ぬるい風が。 同心円にひろがる「私」 重機の軋む音。 おんなじ声、声、声。 取り繕ったら僕だった。 それが答えだと告ぐように、 風の匂いが深くなった。 どうしてだろう。どうしてだろう。 何もかも傷つけて守った僕が、 ありきたりな空洞で笑える。 何でもないまま誰かになっても、 変わらない劣等感が追いついて、 聞き飽きた声は染み付いて、 あなたはあなたのまま。 僕たちは退屈な日々に相槌を打って。 相槌を打って。 「相槌を打って」 「相槌を打って」 「相槌を打って」 「相槌を打って」 止まない音を躱して! 取り繕ったら僕だった。 それが答えだと告ぐように、 咽せる暮らしだけ過ぎていた。 どうしてだろう?どうしてだろう? 明日になったら僕だった。 変わらずつまらない僕のまま。 だけど、変われない僕だから。 さあ、体よ。 もう動けよ。 読みかけの本が増えていた。 書き出しで嘘は熟れていた。 記憶より肌を信じてた。 「私」を脱ぎ去る。 ありふれた僕もいいもんだ。 おんなじ声を許したんだ。 やがて凪ぐ日々に恋をした。 消えない、僕らはホムンクルス。 |
夜行バス夜行バスを掴む霧が、下降気味の心を閉ざす。 嗜好品だけの彼女では、栄養失調は治らない。 夜行バスは騙し騙し、蛇行気味の坂を下る。 社交ダンス踊れぬ僕は、 「カリフォルニアガール。」 旅路の夢に見る。 眠い時に眠りたいから、楽しい時には歌いたいから。 旅に出る意味はそれだけでいい。 それだけがいい。なんならなくってもいい。 ああ、全ては眠れない猫のために。 ああ、全てはイギリスかぶれのうらぶれた馬鹿のために。 流れるビルの灯りが滲む、辺りを見渡す。 トンネル抜ければ愛した人だけ笑える世界が、 できればあれば素晴らしいのに。 なんてね、 ああ、全ては眠れない夜の幻。 ああ、全ては眠れない君のために。 ああ、全てはルサンチマンとキスをする僕のために。 逃げ出す姿に貴賎などない。 溺れ行くバカに猶予などない。 この国に最早幸せはない。 ベイベ、夢の中で生まれて。 明日はただの明日でしかない。 僕には僕の日々でしかない。 ポケットに孤独を押し込んだなら、 バス停の知らない宝石の待つ街へ。 待つ街へ。 待つ街へ。 待つ街へ。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | | 夜行バスを掴む霧が、下降気味の心を閉ざす。 嗜好品だけの彼女では、栄養失調は治らない。 夜行バスは騙し騙し、蛇行気味の坂を下る。 社交ダンス踊れぬ僕は、 「カリフォルニアガール。」 旅路の夢に見る。 眠い時に眠りたいから、楽しい時には歌いたいから。 旅に出る意味はそれだけでいい。 それだけがいい。なんならなくってもいい。 ああ、全ては眠れない猫のために。 ああ、全てはイギリスかぶれのうらぶれた馬鹿のために。 流れるビルの灯りが滲む、辺りを見渡す。 トンネル抜ければ愛した人だけ笑える世界が、 できればあれば素晴らしいのに。 なんてね、 ああ、全ては眠れない夜の幻。 ああ、全ては眠れない君のために。 ああ、全てはルサンチマンとキスをする僕のために。 逃げ出す姿に貴賎などない。 溺れ行くバカに猶予などない。 この国に最早幸せはない。 ベイベ、夢の中で生まれて。 明日はただの明日でしかない。 僕には僕の日々でしかない。 ポケットに孤独を押し込んだなら、 バス停の知らない宝石の待つ街へ。 待つ街へ。 待つ街へ。 待つ街へ。 |
ロックスター朝靄みたいに曖昧なものに名付けて生まれた商売。 ブラウン管に毒づいてる横で有機 el がショウタイム。 ダラダラダラ、鳴り止まぬダウンビート。 きらきらきら、今年ももう終わる。 音もなく消えた向かいの喫茶店。 金なきゃしょうがないか。 誰一人として世界を救うつもりのない冷めたマーベル。 ユラユラユラ、世界は美しい。 きらきらきら、虚しくまた終わる。 あぁ、ロックスター。君が嘘をつき続ければ、 大体退屈な彼女は息を続けるだろう。 あぁ、ロックスター、誰かやつに教えてやれよ。 「とっくにお前はさ、誰かにとって奇跡なんだ。」って、 ありふれた主義に、思想のフリフリ。 ゴスロリに謝罪どうだい? 大それた事は言えないよ、だけどできれば愛が欲しいさ。 ダラダラダラ、追いかけるダウンビート。 きらきらきら、今年ももう終われ。 愛したいものだけ愛せたらいいのにね。 スクランブル、歓声が響く。もう終わる。 ばかみたいに幸福で。 あぁ、ロックスター。君が嘘をつき続ければ、 大体退屈な彼女は息を続けるだろう。 あぁ、ロックスター、いつまでも嘘のまま唄って。 結局さ、君だけが僕に愛を突きつけていたんだ。 あぁ、ロックスター。君が嘘をつき続ければ、 大体退屈な彼女はずっと生きてゆける。 だからお願いだ、ロックスター。いつまでも嘘のまま唄って。 「とっくにお前はさ、僕にとっての奇跡なんだ。」って 結局、君だけが僕にとっての奇跡だったって。 あぁ、ロックスター。 | Tele | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 谷口喜多朗 | 朝靄みたいに曖昧なものに名付けて生まれた商売。 ブラウン管に毒づいてる横で有機 el がショウタイム。 ダラダラダラ、鳴り止まぬダウンビート。 きらきらきら、今年ももう終わる。 音もなく消えた向かいの喫茶店。 金なきゃしょうがないか。 誰一人として世界を救うつもりのない冷めたマーベル。 ユラユラユラ、世界は美しい。 きらきらきら、虚しくまた終わる。 あぁ、ロックスター。君が嘘をつき続ければ、 大体退屈な彼女は息を続けるだろう。 あぁ、ロックスター、誰かやつに教えてやれよ。 「とっくにお前はさ、誰かにとって奇跡なんだ。」って、 ありふれた主義に、思想のフリフリ。 ゴスロリに謝罪どうだい? 大それた事は言えないよ、だけどできれば愛が欲しいさ。 ダラダラダラ、追いかけるダウンビート。 きらきらきら、今年ももう終われ。 愛したいものだけ愛せたらいいのにね。 スクランブル、歓声が響く。もう終わる。 ばかみたいに幸福で。 あぁ、ロックスター。君が嘘をつき続ければ、 大体退屈な彼女は息を続けるだろう。 あぁ、ロックスター、いつまでも嘘のまま唄って。 結局さ、君だけが僕に愛を突きつけていたんだ。 あぁ、ロックスター。君が嘘をつき続ければ、 大体退屈な彼女はずっと生きてゆける。 だからお願いだ、ロックスター。いつまでも嘘のまま唄って。 「とっくにお前はさ、僕にとっての奇跡なんだ。」って 結局、君だけが僕にとっての奇跡だったって。 あぁ、ロックスター。 |