縁(えにし)この川を この川を 越えれば待ってる 倖せが 苦労かけたな 泣かせたな いいえ今さら 水くさい 春の風 秋しぐれ 冬の雪 めぐる年月 幾山河 縁結んで ふたり旅 この山を この山を 越えれば向こうに 灯がともる つなぐこの手の ぬくもりが あれば笑顔で 生きられる 春の風 秋しぐれ 冬の雪 耐えて寄り添い 信じ合い 縁はなさず ふたり旅 この坂を この坂を 越えれば明日が 見えてくる 涙 痛みを 分け合って いつか花咲く その日まで 春の風 秋しぐれ 冬の雪 浮世かたすみ 夢抱いて 縁ひとすじ ふたり旅 | 鏡五郎&真木柚布子 | 下地亜記子 | 徳久広司 | | この川を この川を 越えれば待ってる 倖せが 苦労かけたな 泣かせたな いいえ今さら 水くさい 春の風 秋しぐれ 冬の雪 めぐる年月 幾山河 縁結んで ふたり旅 この山を この山を 越えれば向こうに 灯がともる つなぐこの手の ぬくもりが あれば笑顔で 生きられる 春の風 秋しぐれ 冬の雪 耐えて寄り添い 信じ合い 縁はなさず ふたり旅 この坂を この坂を 越えれば明日が 見えてくる 涙 痛みを 分け合って いつか花咲く その日まで 春の風 秋しぐれ 冬の雪 浮世かたすみ 夢抱いて 縁ひとすじ ふたり旅 |
おしどり道中富士のお山が 雪白粉(ゆきおしろい)で 笑って見送る 東海道 好きなあなたと 手に手を取って お伊勢参りの 青い空 相惚(あいぼ)れ おか惚れ ひと目惚れ おしどり道中 えェ…ふたりづれ 三保(みほ)の松原(まつばら) 潮風うけて 輪を描くトンビも 夫婦旅 波の華散る 遠州灘の 沖に白帆(しらほ)の 船が行く 相惚れ おか惚れ ひと目惚れ おしどり道中 えェ…ふたりづれ 長脇差(どす)じゃ斬れない 絆の糸を 心に結べば 春の風 虹がまたいだ 天竜川に 唄が流れる 花が咲く 相惚れ おか惚れ ひと目惚れ おしどり道中 えェ…ふたりづれ | 鏡五郎&真木柚布子 | 下地亜記子 | 西條キロク | 池多孝春 | 富士のお山が 雪白粉(ゆきおしろい)で 笑って見送る 東海道 好きなあなたと 手に手を取って お伊勢参りの 青い空 相惚(あいぼ)れ おか惚れ ひと目惚れ おしどり道中 えェ…ふたりづれ 三保(みほ)の松原(まつばら) 潮風うけて 輪を描くトンビも 夫婦旅 波の華散る 遠州灘の 沖に白帆(しらほ)の 船が行く 相惚れ おか惚れ ひと目惚れ おしどり道中 えェ…ふたりづれ 長脇差(どす)じゃ斬れない 絆の糸を 心に結べば 春の風 虹がまたいだ 天竜川に 唄が流れる 花が咲く 相惚れ おか惚れ ひと目惚れ おしどり道中 えェ…ふたりづれ |
お島・千太郎 つれ舞い道中花と咲くには 春まだ浅い 風が身を刺す 峠道 知らぬ他国を つれ舞い道中 追手逃れて お役者化粧 浮世芝居の幕があく エエ…幕があく お島さん その若男那は もうよしておくんなせェ 檜屋の千太郎は とっくの昔に死んだんだ 今の俺らは 只のしがねえ旅役者… 何を言うの若男那 それも これも 濡れぎぬを晴らすまでの辛抱じゃないの そんな弱気な顔 お島は嫌いです さあ胸のすくような 大見栄を切って みせてちょうだい ねぇ 若男那! 俄か役者で 今日また暮れて さぞやつらかろ 旅の空 流れ流れの つれ舞い道中 口でけなして 心で詫びる 恋のさだめはままならぬ エエ…ままならぬ ほら見て 渡り鳥が飛んでゆくわ 明日は天下晴れて ふるさとへ帰れるのね でもあなたはもう一度 檜屋の看板を上げる人 その時が お別れだと思うと お島は…お島は… 馬鹿を言うんじゃねェ 無事にこうして来れたのも みんな おまえの 苦労のお陰 故郷に着いたら その時こそ なあ お島 檜屋のおかみさんになってくれるな! 月にひと声 雁 啼いて こころ晴れ晴れ 夫婦笠 命むすんだ つれ舞い道中 なびく幟も 日本一の お島千太郎戻り旅 エエ…戻り旅 | 鏡五郎&真木柚布子 | 水木れいじ | 宮下健治 | | 花と咲くには 春まだ浅い 風が身を刺す 峠道 知らぬ他国を つれ舞い道中 追手逃れて お役者化粧 浮世芝居の幕があく エエ…幕があく お島さん その若男那は もうよしておくんなせェ 檜屋の千太郎は とっくの昔に死んだんだ 今の俺らは 只のしがねえ旅役者… 何を言うの若男那 それも これも 濡れぎぬを晴らすまでの辛抱じゃないの そんな弱気な顔 お島は嫌いです さあ胸のすくような 大見栄を切って みせてちょうだい ねぇ 若男那! 俄か役者で 今日また暮れて さぞやつらかろ 旅の空 流れ流れの つれ舞い道中 口でけなして 心で詫びる 恋のさだめはままならぬ エエ…ままならぬ ほら見て 渡り鳥が飛んでゆくわ 明日は天下晴れて ふるさとへ帰れるのね でもあなたはもう一度 檜屋の看板を上げる人 その時が お別れだと思うと お島は…お島は… 馬鹿を言うんじゃねェ 無事にこうして来れたのも みんな おまえの 苦労のお陰 故郷に着いたら その時こそ なあ お島 檜屋のおかみさんになってくれるな! 月にひと声 雁 啼いて こころ晴れ晴れ 夫婦笠 命むすんだ つれ舞い道中 なびく幟も 日本一の お島千太郎戻り旅 エエ…戻り旅 |
藤十郎の恋聞いてくだされ この胸のうち 秘めて幾年(いくとせ) せつない恋よ 女心に 火をつけ燃やす 甘い言葉の 愛しさ憎さ 鴨川(かも)の川風 祇園の夜風 嘘が彩(いろど)る 恋ざんげ お梶どの 嘘や偽りで この様なことが打ち明けられようか… わしが二十歳、そなたが十六の祇園祭の夜 出会(でお)うた時から 一日も忘れた日はない 心が焼けるように 恋焦がれていたのじゃ… この想い 哀れと思うてくだされ…のう お梶どの… 藤十郎様…それはみな本心かえ あなたは京歌舞伎 当代随一の 誉れも高い立役者。それが人妻の私のような者を好いて下さるとは… あぁ…でも それが真実(まこと)ならば 梶は三国一の果報者…嬉しゅうございます… 人目逃れの 離れの座敷 女泣かせの 偽(いつわ)り芝居 妻という名も 操(みさお)も捨てて ついてゆきたい 地獄へなりと そっと吹き消す 絹行燈(きぬあんどん)よ 闇に溶けゆく 恋ざんげ あ…許して下され 不義密通は天下のご法度。 とんでもない事を言うてしまった… 心の奥に隠して 耐えて忍んできたものを…忘れて下され お梶どの… 何を今更 もう私の心は後戻りできませぬ たとえ水火(すいか)の苦しみも 死出の三途の道なりと 梶は藤十郎様とならば厭(いと)いませぬ… どうぞ抱いてくださりませ… 芸のためなら命もかける 恋もしかける 涙も流す たとえ嘘でも 恨みはしない 夢の一夜(ひとよ)が 冥途(めいど)の土産(みやげ) 響く拍子木(ひょうしぎ) 散る夕ざくら 罪な花道 恋ざんげ | 鏡五郎&真木柚布子 | 下地亜記子 | 西條キロク | 池多孝春 | 聞いてくだされ この胸のうち 秘めて幾年(いくとせ) せつない恋よ 女心に 火をつけ燃やす 甘い言葉の 愛しさ憎さ 鴨川(かも)の川風 祇園の夜風 嘘が彩(いろど)る 恋ざんげ お梶どの 嘘や偽りで この様なことが打ち明けられようか… わしが二十歳、そなたが十六の祇園祭の夜 出会(でお)うた時から 一日も忘れた日はない 心が焼けるように 恋焦がれていたのじゃ… この想い 哀れと思うてくだされ…のう お梶どの… 藤十郎様…それはみな本心かえ あなたは京歌舞伎 当代随一の 誉れも高い立役者。それが人妻の私のような者を好いて下さるとは… あぁ…でも それが真実(まこと)ならば 梶は三国一の果報者…嬉しゅうございます… 人目逃れの 離れの座敷 女泣かせの 偽(いつわ)り芝居 妻という名も 操(みさお)も捨てて ついてゆきたい 地獄へなりと そっと吹き消す 絹行燈(きぬあんどん)よ 闇に溶けゆく 恋ざんげ あ…許して下され 不義密通は天下のご法度。 とんでもない事を言うてしまった… 心の奥に隠して 耐えて忍んできたものを…忘れて下され お梶どの… 何を今更 もう私の心は後戻りできませぬ たとえ水火(すいか)の苦しみも 死出の三途の道なりと 梶は藤十郎様とならば厭(いと)いませぬ… どうぞ抱いてくださりませ… 芸のためなら命もかける 恋もしかける 涙も流す たとえ嘘でも 恨みはしない 夢の一夜(ひとよ)が 冥途(めいど)の土産(みやげ) 響く拍子木(ひょうしぎ) 散る夕ざくら 罪な花道 恋ざんげ |
夫婦善哉遊び呆(ほう)けて 行き着く先は やっぱりおまえの 胸の中 金も甲斐性も ない人やけど あんた優しい あかんたれ すまんなぁ しゃあないなぁ 夫婦善哉 人生泣き笑い 「お蝶 そんなに怒りなや 浮気なんかしてへんがな… わいには おまえしか おらへんのや 本当(ほんま)やでえ…」 「柳吉はん 帰るとこ よう忘れへんかったなぁ… ようやく貯めたお金やのに… 今度という今度は 愛想(あいそ)も尽きたわ もう…知らん…」 こんな男と 出逢うてなけりゃ 倖せみつけて いただろに 下手(へた)な芝居に またほだされて 惚れた弱みの くされ縁(えん) すまんなぁ しゃあないなぁ 夫婦善哉 人情夢しぐれ 「うちは奥さんになろうなんて思てまへん うちの力であんさんを 一人前の男にしたら本望や…きっと してみせまっさかいなぁ」 「そ そんな意地張らんかてええがな わいは今の気楽な暮らしが 性(しょう)に合(おう)とんのや… どや なんぞ旨(うま)いもんでも 食いに行こか…」 意地だ義理だと 並べるよりも 暢気(のんき)におもろう 生きりゃええ 浮かれトンボの あんたと二人 両手合わせる 法善寺 すまんなぁ しゃあないなぁ 夫婦善哉 浪花の恋あかり | 鏡五郎&真木柚布子 | 下地亜記子 | 久保進一 | 南郷達也 | 遊び呆(ほう)けて 行き着く先は やっぱりおまえの 胸の中 金も甲斐性も ない人やけど あんた優しい あかんたれ すまんなぁ しゃあないなぁ 夫婦善哉 人生泣き笑い 「お蝶 そんなに怒りなや 浮気なんかしてへんがな… わいには おまえしか おらへんのや 本当(ほんま)やでえ…」 「柳吉はん 帰るとこ よう忘れへんかったなぁ… ようやく貯めたお金やのに… 今度という今度は 愛想(あいそ)も尽きたわ もう…知らん…」 こんな男と 出逢うてなけりゃ 倖せみつけて いただろに 下手(へた)な芝居に またほだされて 惚れた弱みの くされ縁(えん) すまんなぁ しゃあないなぁ 夫婦善哉 人情夢しぐれ 「うちは奥さんになろうなんて思てまへん うちの力であんさんを 一人前の男にしたら本望や…きっと してみせまっさかいなぁ」 「そ そんな意地張らんかてええがな わいは今の気楽な暮らしが 性(しょう)に合(おう)とんのや… どや なんぞ旨(うま)いもんでも 食いに行こか…」 意地だ義理だと 並べるよりも 暢気(のんき)におもろう 生きりゃええ 浮かれトンボの あんたと二人 両手合わせる 法善寺 すまんなぁ しゃあないなぁ 夫婦善哉 浪花の恋あかり |
雪のみちゆき 梅川・忠兵衛たとえ死のうと 嘲笑(わらわ)れようと 引くに引けない 恋の意地 つらい浮世の 哀しい運命(さだめ) あなたいりゃこそ 耐えられた 梅川… 忠さま… 揺れる紅(あか)い灯(ひ) しのび泣く 『察(さっ)しはついていようが あの金は届け ねばならぬ預かり金 その封印(ふういん)を切った からには命がないのは知れた事… あのように衆人(みな)の前で恥かかされて は男の一分(いちぶ)がたたず…梅川 わいと 一緒に死んでくれるか…』 『かんにんして下さんせ いとしい忠さま を罪人(とがにん)にしたのも みんなこの私ゆ え‥ 命など なんで惜しい事がありま しょう 金(かね)が仇(かたき)の世の中で 主(ぬし)さんだけ が わてのもの 一緒に死ねるなら本望(ほんもう) 嬉しいわいなぁ…』 花は散っても 根元に還(かえ)る 人は還れぬ 死出の旅 恨みますまい この世のことは みんな儚い 夢の夢 梅川… 忠さま… 急ぐ大和路(やまとじ) 凍る空 『死ぬる身に心残りはないけれど 忠さ まの親父様(おやじさま)に一目逢(お)うて お詫びがし たかった…さだめしこの梅川を恨みに 思うていられるにちがいない…』 『そなたの母御(ははご)とて同じこと 先立つ不 孝はあの世とやらで詫びもしょう… さぁ さ急げ 追っ手に見つかり引き離されて は一大事 離れまいぞえ なぁ梅川』 吹雪く荒野(あれの)で よろけて倒れ 息を殺して 肌寄せる どうぞ許して 私の咎(とが)を これが今生(こんじょう)の お別れか 梅川… 忠さま… 雪のみちゆき 鳥が啼く | 鏡五郎&真木柚布子 | 下地亜記子 | 久保進一 | | たとえ死のうと 嘲笑(わらわ)れようと 引くに引けない 恋の意地 つらい浮世の 哀しい運命(さだめ) あなたいりゃこそ 耐えられた 梅川… 忠さま… 揺れる紅(あか)い灯(ひ) しのび泣く 『察(さっ)しはついていようが あの金は届け ねばならぬ預かり金 その封印(ふういん)を切った からには命がないのは知れた事… あのように衆人(みな)の前で恥かかされて は男の一分(いちぶ)がたたず…梅川 わいと 一緒に死んでくれるか…』 『かんにんして下さんせ いとしい忠さま を罪人(とがにん)にしたのも みんなこの私ゆ え‥ 命など なんで惜しい事がありま しょう 金(かね)が仇(かたき)の世の中で 主(ぬし)さんだけ が わてのもの 一緒に死ねるなら本望(ほんもう) 嬉しいわいなぁ…』 花は散っても 根元に還(かえ)る 人は還れぬ 死出の旅 恨みますまい この世のことは みんな儚い 夢の夢 梅川… 忠さま… 急ぐ大和路(やまとじ) 凍る空 『死ぬる身に心残りはないけれど 忠さ まの親父様(おやじさま)に一目逢(お)うて お詫びがし たかった…さだめしこの梅川を恨みに 思うていられるにちがいない…』 『そなたの母御(ははご)とて同じこと 先立つ不 孝はあの世とやらで詫びもしょう… さぁ さ急げ 追っ手に見つかり引き離されて は一大事 離れまいぞえ なぁ梅川』 吹雪く荒野(あれの)で よろけて倒れ 息を殺して 肌寄せる どうぞ許して 私の咎(とが)を これが今生(こんじょう)の お別れか 梅川… 忠さま… 雪のみちゆき 鳥が啼く |