少女病の歌詞一覧リスト  32曲中 1-32曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
unleash凶音が世界に響く 新たなる風を携え 浮かんだ二番目の月へ 向けて貫き叫ぶように  全てが誰かに与えられし理なら 振り落とされずに どんな運命だって乗りこなしてみせるさ  理由無き咎を贖い 祈り続けたって切り拓けはしない 一掴みだけの希望【ヒカリ】でいい 灰色の空に飛ばせ  それはきっと小さな願い どんなに無様でも“――――生きたい” 無数の声なき想いを乗せて 新しい世界を描け  結末を奪われ 放り投げられた童話の 空白は自らの手で 探し繋いで埋めるように  どこで終わるのか まだ紡ぎ続けるのか 誰にも委ねず 自分達のこの手で創りあげていくんだ  理に従うことが 宿命というならそれに背を向けて 笑って欺き背くのもまた それも宿命なのだろう  それはきっと確かな誓い このセカイに神はいらない 信じられるモノは他にもほら たくさんあるのだから  形骸化しきった幻想を いつの日か誰もが取り戻せるように……  理由無き咎を贖い 祈り続けたって切り拓けはしない 一掴みだけの希望【ヒカリ】でいい 灰色の空に飛ばせ  それはきっと小さな願い どんなに無様でも“――――生きたい” 無数の声なき想いを乗せて 新しい未来へ届け――――少女病少女病ピクセルビーピクセルビー凶音が世界に響く 新たなる風を携え 浮かんだ二番目の月へ 向けて貫き叫ぶように  全てが誰かに与えられし理なら 振り落とされずに どんな運命だって乗りこなしてみせるさ  理由無き咎を贖い 祈り続けたって切り拓けはしない 一掴みだけの希望【ヒカリ】でいい 灰色の空に飛ばせ  それはきっと小さな願い どんなに無様でも“――――生きたい” 無数の声なき想いを乗せて 新しい世界を描け  結末を奪われ 放り投げられた童話の 空白は自らの手で 探し繋いで埋めるように  どこで終わるのか まだ紡ぎ続けるのか 誰にも委ねず 自分達のこの手で創りあげていくんだ  理に従うことが 宿命というならそれに背を向けて 笑って欺き背くのもまた それも宿命なのだろう  それはきっと確かな誓い このセカイに神はいらない 信じられるモノは他にもほら たくさんあるのだから  形骸化しきった幻想を いつの日か誰もが取り戻せるように……  理由無き咎を贖い 祈り続けたって切り拓けはしない 一掴みだけの希望【ヒカリ】でいい 灰色の空に飛ばせ  それはきっと小さな願い どんなに無様でも“――――生きたい” 無数の声なき想いを乗せて 新しい未来へ届け――――
偽りなき聲ねぇ メリディエ あなたがいつかね 何もかもを そう 捨て去ってしまっても きっと傍にいるわ 人はあなたを 畏れるかもとも 知れないけれども その心の何よりも美しいこと 知っているから――  「生まれながらにして、王女の友人であることを運命付けられていた。 貴族の娘、メイメイ。」  「光を通さぬ漆黒の髪、感情を閉じ込めた昏い瞳、 国の唯一の跡継ぎと目された。王女、メリクルベル。」  「二人はいつしか。ただの役割以上に、惹かれ合う。」  「密やかな告白。二人の影は、寄り添うように。」  突き刺さる 違和感 何故人は こんなにも 生きるほどに醜く その身 朽ちていく  この身以上の 美など 許しはしない されどなお 汚されていく全てのモノ達が 疎ましく  心のどこか その声は いつしかはっきりと 語りかける とめどなく 肥大する―― それは内に宿した神の囁き  憎悪【odio】 全ての堕落に向けた かくも強きその感情(おもい) 全ての美しきものを手に 有りの儘 穢れぬ様に 渦巻くは神の声 この偽りなき聲を聞け  「あの日、私の心に舞い降りたのはなんだったのか。 私はもう、前のままの自分ではないのかもしれない。 でも、それは私の意志。 ――ねぇ、貴女はどうするの?」  浸潤する 価値観 この人は こんなにも 望むほどに次第に その身 壊していく  全てを撃ち棄てても 願うものが あるのなら その願いのままにならぬものが 呪わしく  その幸せを 思うなら この身にできることを為そうと ただ傍に その傍に―― 道を阻む全てのモノを許さない  憤怒【ira】 全ての腐敗に向けた かくも強きその誓い 愛しき意志の望みのままに その道を ともに歩まん 共振する神の声 その偽りなき聲と共に  村を焼いて 国を焼いた 全てその望みのままに 敗脳を塗し 虚偽を被せた 全てその望みのままに 魔女と呼ぶならば僕となれ 「メリクルベル」の聲を聞け  悲哀【maeror】 私の愛しき魔女よ かくも哀しきその願い 全てがいずれ朽ちるとしても その時までは その傍に  あなたの心の何よりも 美しいことを私は 誰より知っているのだからと その手をそっと握り締め  共に唱える神の声 この偽りなき聲を抱いて  「メイメイ。魔女とともに歩むその命。 人を殺めるときも、人を破滅に堕すときも。 終ぞ変わらぬ誓いだけが、その胸に。」  「メリディエ、哀れな人。世界の全てに傷ついて。」  「でも、私だけは。いつまでも――貴女とともに。」少女病RD-SoundsRD-SoundsRD-Soundsねぇ メリディエ あなたがいつかね 何もかもを そう 捨て去ってしまっても きっと傍にいるわ 人はあなたを 畏れるかもとも 知れないけれども その心の何よりも美しいこと 知っているから――  「生まれながらにして、王女の友人であることを運命付けられていた。 貴族の娘、メイメイ。」  「光を通さぬ漆黒の髪、感情を閉じ込めた昏い瞳、 国の唯一の跡継ぎと目された。王女、メリクルベル。」  「二人はいつしか。ただの役割以上に、惹かれ合う。」  「密やかな告白。二人の影は、寄り添うように。」  突き刺さる 違和感 何故人は こんなにも 生きるほどに醜く その身 朽ちていく  この身以上の 美など 許しはしない されどなお 汚されていく全てのモノ達が 疎ましく  心のどこか その声は いつしかはっきりと 語りかける とめどなく 肥大する―― それは内に宿した神の囁き  憎悪【odio】 全ての堕落に向けた かくも強きその感情(おもい) 全ての美しきものを手に 有りの儘 穢れぬ様に 渦巻くは神の声 この偽りなき聲を聞け  「あの日、私の心に舞い降りたのはなんだったのか。 私はもう、前のままの自分ではないのかもしれない。 でも、それは私の意志。 ――ねぇ、貴女はどうするの?」  浸潤する 価値観 この人は こんなにも 望むほどに次第に その身 壊していく  全てを撃ち棄てても 願うものが あるのなら その願いのままにならぬものが 呪わしく  その幸せを 思うなら この身にできることを為そうと ただ傍に その傍に―― 道を阻む全てのモノを許さない  憤怒【ira】 全ての腐敗に向けた かくも強きその誓い 愛しき意志の望みのままに その道を ともに歩まん 共振する神の声 その偽りなき聲と共に  村を焼いて 国を焼いた 全てその望みのままに 敗脳を塗し 虚偽を被せた 全てその望みのままに 魔女と呼ぶならば僕となれ 「メリクルベル」の聲を聞け  悲哀【maeror】 私の愛しき魔女よ かくも哀しきその願い 全てがいずれ朽ちるとしても その時までは その傍に  あなたの心の何よりも 美しいことを私は 誰より知っているのだからと その手をそっと握り締め  共に唱える神の声 この偽りなき聲を抱いて  「メイメイ。魔女とともに歩むその命。 人を殺めるときも、人を破滅に堕すときも。 終ぞ変わらぬ誓いだけが、その胸に。」  「メリディエ、哀れな人。世界の全てに傷ついて。」  「でも、私だけは。いつまでも――貴女とともに。」
瓦礫の終音「どうして選ばれたのか?」 そんな問いに意味など ないと識っても 心痛は消えることなく 時計の針は廻る...  「この世界には、不死なる5人の魔女がいる。 それぞれが異なる神に見出され、人から成りし存在。 神を信仰する人々はその力に畏怖し、崇めた」  「蒼白の果てで紡がれる、心優しい少年と一人の魔女の物語」  褪せた日々は淀み 怠惰に溺れる 血塗られた月夜は穢れ 無垢な衝動、翳して  変わらぬ忠誠 誓いし下僕たる少女(Servant) シルエラ すべてを委ねた偏愛は永遠に 虚構を壊す  「どうして選ばれたのか?」 そんな問いに意味など ないと識っても 心痛は消えることなく 残されたのはただ魔力だけ  遠い過去の約束 まだ人間だったあの日 未来を誓った 夕暮れ(Abend) ah...幼い恋 叶うことなくて――――  「あたしがまだ人だった頃、小さな恋をしていた。 でも、あたしはもう――――! 手荒になってもいい。あいつをここから遠ざけて」  「お望みのままに」  昏い悦楽にも 精神を傾け 狂おしいほど愚かで 無慈悲な魔女、演じた 不老に近い 存在を(Sein) 愛し焦がれた シルエラ  近づく信奉者すべてを排し 独占し続ける  いつか選ばれたのが 必然であるような 錯角に酔う 消えゆく感情 確かに あんなに傍にあったはずなのに......  姿だけは変わらずとも 変わり果て血に濡れた 「もう、あの頃のあたしなんかじゃない......!」  「お前が主を惑わせる。消えてなくなれ!」  「どうしてここまで来たの......?」 変わらぬその瞳が ただ眩しくて 哀れな自らを晒すのは 決して赦されない ここにいるのは“魔女”だけだから  「魔女に偏愛を抱く少女は命令を自らに都合よく捻じ曲げ、 少年の命をも狙う」  「嫉妬... 狂気... 殺意...」  「負の感情の羅列は、死という結果のみを追い求めていた。 声の... 音の... 歌の連なりは、彼らを翻弄するように空へ と溶けて......」  「音が聞こえる。 これは、世界が軋む音――――」少女病少女病ピクセルビーピクセルビー「どうして選ばれたのか?」 そんな問いに意味など ないと識っても 心痛は消えることなく 時計の針は廻る...  「この世界には、不死なる5人の魔女がいる。 それぞれが異なる神に見出され、人から成りし存在。 神を信仰する人々はその力に畏怖し、崇めた」  「蒼白の果てで紡がれる、心優しい少年と一人の魔女の物語」  褪せた日々は淀み 怠惰に溺れる 血塗られた月夜は穢れ 無垢な衝動、翳して  変わらぬ忠誠 誓いし下僕たる少女(Servant) シルエラ すべてを委ねた偏愛は永遠に 虚構を壊す  「どうして選ばれたのか?」 そんな問いに意味など ないと識っても 心痛は消えることなく 残されたのはただ魔力だけ  遠い過去の約束 まだ人間だったあの日 未来を誓った 夕暮れ(Abend) ah...幼い恋 叶うことなくて――――  「あたしがまだ人だった頃、小さな恋をしていた。 でも、あたしはもう――――! 手荒になってもいい。あいつをここから遠ざけて」  「お望みのままに」  昏い悦楽にも 精神を傾け 狂おしいほど愚かで 無慈悲な魔女、演じた 不老に近い 存在を(Sein) 愛し焦がれた シルエラ  近づく信奉者すべてを排し 独占し続ける  いつか選ばれたのが 必然であるような 錯角に酔う 消えゆく感情 確かに あんなに傍にあったはずなのに......  姿だけは変わらずとも 変わり果て血に濡れた 「もう、あの頃のあたしなんかじゃない......!」  「お前が主を惑わせる。消えてなくなれ!」  「どうしてここまで来たの......?」 変わらぬその瞳が ただ眩しくて 哀れな自らを晒すのは 決して赦されない ここにいるのは“魔女”だけだから  「魔女に偏愛を抱く少女は命令を自らに都合よく捻じ曲げ、 少年の命をも狙う」  「嫉妬... 狂気... 殺意...」  「負の感情の羅列は、死という結果のみを追い求めていた。 声の... 音の... 歌の連なりは、彼らを翻弄するように空へ と溶けて......」  「音が聞こえる。 これは、世界が軋む音――――」
狂聲ドミナシオン「ようこそ、七人目の美しき少女。ふふっ。さ、踊りなさいな?」  「そして始まる。晩餐会。 幸せそうに、皆口々に魔女を称えながら。 けれど、みなどこか空ろな目をしていて。」  「(何なのこれは……胸がざわつく。こんな事が……許されていいの?)」  「心のどこかに巣くう弱音を噛み潰しながら、ミリリは立ち上がる。」  「論戦にも成り得ない拙い感情の吐露。興味深げに応じる魔女。」  「――それは、彼女の最後の抵抗。」  ねえ貴女 その両手がどれほどの血に塗れているのか 省みることはないの その蛮行(おこない)を 何を今更 魔女は嗤う この手がどれほど穢れようとも この美は欠片ほども損なわれないと  ねえ貴女 この娘(こ)達が貴女にどれほど傷つけられたか 何も言うことはないの その陵辱(おこない)に 何を愚かな 魔女は嗤う その美が堕すのに比べるならば、 これらの幸せなど疑いようは無いと  神に見出された私の正義(ことば)の前には お前の偽善(ことば)など児戯に等しいと知れ  負けるな 己を保て この狂気の沙汰に飲み込まれなどしないと 歪みきった世界の主は ただ嗤うばかりで――  「拙い応酬の間にも、宴は続いていく。 冷笑。失笑。憐憫。侮蔑。猜疑。軽蔑。 少女たちからミリリへと向けられる、 ありとあらゆる負の感情を孕んだ視線」  「たまらずミリリは叫びかける。」  「どうして、ねぇ、どうして! あなたたちも昔はこうじゃなかったはずなのに! この魔女の言うことが……本当に正しいっていうの!?」  「悲痛なその声に応えるものは、誰一人として、いなかった。」  暗い闇の底を覗き込む 呆然として ただ立ち尽くす 私だけが道化のように滑稽な有様で 誰も手など差し伸べてはくれなかった ――だけど  ……負けたくない 認めたくない 歪な幸せを 吐き戻そうと頑なに  けれど 紡ぐ言葉の全てが 力なく消えていく  朽ちた眼嵩は 何も語らず 宴の一席に据え置かれた亡骸 何のための罪の贖いか? 何も赦されはしない  錯綜するエゴの仮託 生きるのか 朽ちるべきか 正しいのは私だ とも もはや信じることさえ出来なくなって ah…少女病RD-SoundsRD-SoundsRD-Sounds「ようこそ、七人目の美しき少女。ふふっ。さ、踊りなさいな?」  「そして始まる。晩餐会。 幸せそうに、皆口々に魔女を称えながら。 けれど、みなどこか空ろな目をしていて。」  「(何なのこれは……胸がざわつく。こんな事が……許されていいの?)」  「心のどこかに巣くう弱音を噛み潰しながら、ミリリは立ち上がる。」  「論戦にも成り得ない拙い感情の吐露。興味深げに応じる魔女。」  「――それは、彼女の最後の抵抗。」  ねえ貴女 その両手がどれほどの血に塗れているのか 省みることはないの その蛮行(おこない)を 何を今更 魔女は嗤う この手がどれほど穢れようとも この美は欠片ほども損なわれないと  ねえ貴女 この娘(こ)達が貴女にどれほど傷つけられたか 何も言うことはないの その陵辱(おこない)に 何を愚かな 魔女は嗤う その美が堕すのに比べるならば、 これらの幸せなど疑いようは無いと  神に見出された私の正義(ことば)の前には お前の偽善(ことば)など児戯に等しいと知れ  負けるな 己を保て この狂気の沙汰に飲み込まれなどしないと 歪みきった世界の主は ただ嗤うばかりで――  「拙い応酬の間にも、宴は続いていく。 冷笑。失笑。憐憫。侮蔑。猜疑。軽蔑。 少女たちからミリリへと向けられる、 ありとあらゆる負の感情を孕んだ視線」  「たまらずミリリは叫びかける。」  「どうして、ねぇ、どうして! あなたたちも昔はこうじゃなかったはずなのに! この魔女の言うことが……本当に正しいっていうの!?」  「悲痛なその声に応えるものは、誰一人として、いなかった。」  暗い闇の底を覗き込む 呆然として ただ立ち尽くす 私だけが道化のように滑稽な有様で 誰も手など差し伸べてはくれなかった ――だけど  ……負けたくない 認めたくない 歪な幸せを 吐き戻そうと頑なに  けれど 紡ぐ言葉の全てが 力なく消えていく  朽ちた眼嵩は 何も語らず 宴の一席に据え置かれた亡骸 何のための罪の贖いか? 何も赦されはしない  錯綜するエゴの仮託 生きるのか 朽ちるべきか 正しいのは私だ とも もはや信じることさえ出来なくなって ah…
空導ノ果テ深窓から焦がれた 一片(ひとひら)の理想(ゆめ)は唯遠く 粉雪(ゆき)のように溶けては 悲しき歌声(アリオ)を奏で続けていた  病魔(やまい)はこの身体を 穏やかに死へと誘(いざな)って 心まで屠るだろう 叶わない夢物語(いつか)を祈りながら  まだ……抗ってみせる。  運命(さだめ)を超えて 切り裂く為に 気高き大剣(つるぎ)を纏いたい 何物にも折れない意思は 未来を護る為に この血脈(ち)が繋ぐ 希望の灯火(ほのお) 決して絶やしはしない 全ての願望(ゆめ)を継いで 導く姫君(イヴリィ) 伸ばした双手(もろて)は夜空へと消えて行く 幻想の花を追って  「とある大国の姫君・イヴリィ。 彼女は生まれつき病弱で外を出歩くことを禁じられていた。 身体を治し、将来は両親と国政を支えたいと夢見ていた。 しかしある晩、国家の秩序転覆を企てる一派が クーデターを起こし、それまでの平和は一瞬にして崩れ去った。 非力な姫君はただ無力で……。進化に促されるままに逃げるも、 病に侵された身体は思うように動いてくれない。 衛兵に支えられながら、痛む心臓を必死に堪えて走った。」  不穏な種子(たね)は芽吹き 緩やかに根を伸ばしていた 無力に嘆く少女 その両目(め)に映る凄惨な赤は  もう……洗い流せない。  憤怒(いかり)を薙いで 覚醒(めざめ)の為に 寂滅の大剣(つるぎ)を与えて 刻み付けた王(ちち)の言葉と 王妃(はは)の笑顔を胸に 過去も未来も 葬る劫火(ほのお) 決して忘れはしない 全ての宿願(ゆめ)を背負い、虚空に誓う 伸ばした双手(もろて)が血に塗(まみ)れ穢されても 魂は穢されないと  「姫君は己の非力を責め、無力を呪い、そして力を欲した。 絶望した姫君の前に、黒いカラスを連れた女が 現れ甘言を囁く。」  「そう、力が欲しいの?」  「光栄に思いなさい。その美しさを、気高さを…… メリクルベル様が認めてくださったわ。あなたは救われる」  「復讐がしたいのでしょう?果たしたいのでしょう? 安心なさい、すべてはメリクルベル様のお導きのままに……」  「そして少女は差し出された果実を手にした……」  「望みのまま、おいでなさい 貴女が求めた復讐(ちから)は此処に−−」  毒牙に堕ちて 生かされながら 幻想の大剣(つるぎ)を振るって 無数の死を積み重ねては 終わらない悪夢(ゆめ)を視(み)る 砂礫の夜空(そら)に響く咆哮 何(いず)れ過去も自己も喪い 無(ゼロ)を刻む終(つい)の姫君(イヴリィ) 精神(いのち)尽きるまで 永遠に繰り返す 空導の箱庭に 救済(しあわせ)を捜して  「ずっと私が救ってあげる。決して見捨てたりはしないわ。 ふふっ、美しいわよ。憎らしいほどに。 ……ねぇ、あなたが斬り裂きたいのは、 見知らぬ敵?それとも、あなた自身?」少女病Mitsukiピクセルビーピクセルビー深窓から焦がれた 一片(ひとひら)の理想(ゆめ)は唯遠く 粉雪(ゆき)のように溶けては 悲しき歌声(アリオ)を奏で続けていた  病魔(やまい)はこの身体を 穏やかに死へと誘(いざな)って 心まで屠るだろう 叶わない夢物語(いつか)を祈りながら  まだ……抗ってみせる。  運命(さだめ)を超えて 切り裂く為に 気高き大剣(つるぎ)を纏いたい 何物にも折れない意思は 未来を護る為に この血脈(ち)が繋ぐ 希望の灯火(ほのお) 決して絶やしはしない 全ての願望(ゆめ)を継いで 導く姫君(イヴリィ) 伸ばした双手(もろて)は夜空へと消えて行く 幻想の花を追って  「とある大国の姫君・イヴリィ。 彼女は生まれつき病弱で外を出歩くことを禁じられていた。 身体を治し、将来は両親と国政を支えたいと夢見ていた。 しかしある晩、国家の秩序転覆を企てる一派が クーデターを起こし、それまでの平和は一瞬にして崩れ去った。 非力な姫君はただ無力で……。進化に促されるままに逃げるも、 病に侵された身体は思うように動いてくれない。 衛兵に支えられながら、痛む心臓を必死に堪えて走った。」  不穏な種子(たね)は芽吹き 緩やかに根を伸ばしていた 無力に嘆く少女 その両目(め)に映る凄惨な赤は  もう……洗い流せない。  憤怒(いかり)を薙いで 覚醒(めざめ)の為に 寂滅の大剣(つるぎ)を与えて 刻み付けた王(ちち)の言葉と 王妃(はは)の笑顔を胸に 過去も未来も 葬る劫火(ほのお) 決して忘れはしない 全ての宿願(ゆめ)を背負い、虚空に誓う 伸ばした双手(もろて)が血に塗(まみ)れ穢されても 魂は穢されないと  「姫君は己の非力を責め、無力を呪い、そして力を欲した。 絶望した姫君の前に、黒いカラスを連れた女が 現れ甘言を囁く。」  「そう、力が欲しいの?」  「光栄に思いなさい。その美しさを、気高さを…… メリクルベル様が認めてくださったわ。あなたは救われる」  「復讐がしたいのでしょう?果たしたいのでしょう? 安心なさい、すべてはメリクルベル様のお導きのままに……」  「そして少女は差し出された果実を手にした……」  「望みのまま、おいでなさい 貴女が求めた復讐(ちから)は此処に−−」  毒牙に堕ちて 生かされながら 幻想の大剣(つるぎ)を振るって 無数の死を積み重ねては 終わらない悪夢(ゆめ)を視(み)る 砂礫の夜空(そら)に響く咆哮 何(いず)れ過去も自己も喪い 無(ゼロ)を刻む終(つい)の姫君(イヴリィ) 精神(いのち)尽きるまで 永遠に繰り返す 空導の箱庭に 救済(しあわせ)を捜して  「ずっと私が救ってあげる。決して見捨てたりはしないわ。 ふふっ、美しいわよ。憎らしいほどに。 ……ねぇ、あなたが斬り裂きたいのは、 見知らぬ敵?それとも、あなた自身?」
climactic cry薙ぎ払えその手で 選ばれし運命に刻まれた者よ 解き放った光はこのセカイを 繋ぎとめるための鎖だ  雷鳴の華が罪過の月を切り裂いた 磔にされた 滑稽な真実の廃墟【ruin】  十字の杭を打ち込んで 崩れた絶望の墓標に 血塗れた偽典の観測者が奏でる 因果の旋律【melody】  薙ぎ払えその手で 選ばれし運命に刻まれた者よ 解き放った光はこのセカイを 繋ぎとめるための鎖だ  書架から零れて落ちた一欠片の愛情 救済という名の それは只死を纏って  白む黎明の福音 無価値な呪縛を断ち切った 想いを今は厚い鎧に変えて 負けない力になる  握り締めたその手は 培った固い絆のように強く 握り翳した剣はこのセカイを このまま終わらせないために――――  倒れられない これが最後の試練なんかじゃない 此処から生きていく限り戦いは続くんだ  薙ぎ払えその手で 選ばれし運命に刻まれた者よ 与えられた力はこのセカイを救う為のものだ  燃え滾る決意は 迸る紅き光よりも熱く 振り翳した剣はこのセカイで これから歩いていくために――――少女病少女病ピクセルビーピクセルビー薙ぎ払えその手で 選ばれし運命に刻まれた者よ 解き放った光はこのセカイを 繋ぎとめるための鎖だ  雷鳴の華が罪過の月を切り裂いた 磔にされた 滑稽な真実の廃墟【ruin】  十字の杭を打ち込んで 崩れた絶望の墓標に 血塗れた偽典の観測者が奏でる 因果の旋律【melody】  薙ぎ払えその手で 選ばれし運命に刻まれた者よ 解き放った光はこのセカイを 繋ぎとめるための鎖だ  書架から零れて落ちた一欠片の愛情 救済という名の それは只死を纏って  白む黎明の福音 無価値な呪縛を断ち切った 想いを今は厚い鎧に変えて 負けない力になる  握り締めたその手は 培った固い絆のように強く 握り翳した剣はこのセカイを このまま終わらせないために――――  倒れられない これが最後の試練なんかじゃない 此処から生きていく限り戦いは続くんだ  薙ぎ払えその手で 選ばれし運命に刻まれた者よ 与えられた力はこのセカイを救う為のものだ  燃え滾る決意は 迸る紅き光よりも熱く 振り翳した剣はこのセカイで これから歩いていくために――――
紅蓮に穢れしモノ「嘗て権勢をふるった若き亡国の王は、 力弱き民を従えて巨大な塔を建設していた。 星に手が届く程の高さまでその威容が達した暁には、 神に並ぶ立場で対話を果たしたいと願って――――」  犠牲の鍵と 凝結せし偽聖の顎門 神の領域踏み込んだ 不死なる亡国の王  紅蓮に堕ちて 乖離する蒼の継承者 無式の意識 青嵐に身を委ねた  斬り刻め いつか眺め失ったその幻想を 乞われ壊れ奪った最愛の生命に 虚ろな意思を死を捧げるように  杭え蒼き異端者よ【heretic】 血に染まった運命に躍れ 交錯する永劫と虚無の 狭間に永遠に囚われて  従え紅き無秩序に【Chaotic】 戦火の果て粉塵に穢れた はじまりの場所 呪われたこの地で天へと叫べ 狂気の継承者【successor】 変わり果て朽ちた風景を背にして  苦痛の仕儀と 悲痛な声音はまるで死人 全能感の偽装飾【veil】は時を経て剥がされた  ルールとレーレ 幼き双子の殉教者 尊きその名を あの聳え建つ塔【Babylon】に刻んで  本当に欲しいモノは 何一つ手に入らずに ついに終に失意に蝕まれた王の 奇妙な暴走は矜持を捨てて  打て紅蓮を纏って 導火線に業火を燈して 名も知らぬ神の御許へ強く 撃ち抜け射抜け天へ向け  偽りを奏でよう 血の呪いをここで終えるために はじまりの場所 蒼を失いし地で想い焦がせ 狂気の後継者【successor】 「……さよなら」 終わりゆくこのセカイに 流れゆく血の涙に あの日壊した美しい永遠に――――  まるで満たされない感情のまま どれだけ血を見ようと 不死の牢獄に光が指すことはないから  これほどに高く塔を創った 真実の理由は 愛する妹達のいる場所に辿り着くために――――  撃て紅蓮を纏って 導火線に業火を燈して 名も知らぬ神の御許へ強く 撃ち抜け射抜け天へ向け 偽りを奏でよう 血の呪いをここで終えるために はじまりの場所 蒼を失いし地で想い焦がせ 狂気の後継者【successor】 変わり果て朽ちた風景を背にして ――――多分、ささやかな絶望を抱えて  「塔が落成し、彼がその頂から天を見上げたその刹那、 神の怒りが雷鳴に轟いた。 巻き起こったのは、居合わせた者が“世界の終わりか”と 祈ることしかできぬほどの局地的な天変地異。 塔は不敬を償うかのように崩壊し、 不死であるはずの王は眩い光と共に消え去る――――」  「ふふっ、この結末を望んでいたのね? でも、本当に死ねたのかなぁ……?」少女病少女病RD-SoundsRD-Sounds「嘗て権勢をふるった若き亡国の王は、 力弱き民を従えて巨大な塔を建設していた。 星に手が届く程の高さまでその威容が達した暁には、 神に並ぶ立場で対話を果たしたいと願って――――」  犠牲の鍵と 凝結せし偽聖の顎門 神の領域踏み込んだ 不死なる亡国の王  紅蓮に堕ちて 乖離する蒼の継承者 無式の意識 青嵐に身を委ねた  斬り刻め いつか眺め失ったその幻想を 乞われ壊れ奪った最愛の生命に 虚ろな意思を死を捧げるように  杭え蒼き異端者よ【heretic】 血に染まった運命に躍れ 交錯する永劫と虚無の 狭間に永遠に囚われて  従え紅き無秩序に【Chaotic】 戦火の果て粉塵に穢れた はじまりの場所 呪われたこの地で天へと叫べ 狂気の継承者【successor】 変わり果て朽ちた風景を背にして  苦痛の仕儀と 悲痛な声音はまるで死人 全能感の偽装飾【veil】は時を経て剥がされた  ルールとレーレ 幼き双子の殉教者 尊きその名を あの聳え建つ塔【Babylon】に刻んで  本当に欲しいモノは 何一つ手に入らずに ついに終に失意に蝕まれた王の 奇妙な暴走は矜持を捨てて  打て紅蓮を纏って 導火線に業火を燈して 名も知らぬ神の御許へ強く 撃ち抜け射抜け天へ向け  偽りを奏でよう 血の呪いをここで終えるために はじまりの場所 蒼を失いし地で想い焦がせ 狂気の後継者【successor】 「……さよなら」 終わりゆくこのセカイに 流れゆく血の涙に あの日壊した美しい永遠に――――  まるで満たされない感情のまま どれだけ血を見ようと 不死の牢獄に光が指すことはないから  これほどに高く塔を創った 真実の理由は 愛する妹達のいる場所に辿り着くために――――  撃て紅蓮を纏って 導火線に業火を燈して 名も知らぬ神の御許へ強く 撃ち抜け射抜け天へ向け 偽りを奏でよう 血の呪いをここで終えるために はじまりの場所 蒼を失いし地で想い焦がせ 狂気の後継者【successor】 変わり果て朽ちた風景を背にして ――――多分、ささやかな絶望を抱えて  「塔が落成し、彼がその頂から天を見上げたその刹那、 神の怒りが雷鳴に轟いた。 巻き起こったのは、居合わせた者が“世界の終わりか”と 祈ることしかできぬほどの局地的な天変地異。 塔は不敬を償うかのように崩壊し、 不死であるはずの王は眩い光と共に消え去る――――」  「ふふっ、この結末を望んでいたのね? でも、本当に死ねたのかなぁ……?」
黒衣の放浪者「幾つもの国々を見て回る旅を続ける、 どこか影のある憂いを背負った青年。 黒衣の青年は、不死なる魔女の一人、 アイリーンの影響下にある街を睥睨していた」  疲弊する 寒々しい雑踏 酷く重苦しい街は 夜に蝕まれ 歪に滲んだ 粛清に風はさざめき 幻想に終止符を刻んだ無辺の爛れた闇  風説の真偽など荒廃した この風景をみたなら 疑うこともできはしない  キミの名をその欠片を 白夜の果てにまで連れていこう どこにもそんな場所はないのだとわかっていても 罅割れたその欠片に 虚勢ではない無傷の姿を いつか示し探そう 未来の物語――――  忘れえぬ あの日起きた過ち 大切な絆 存在を失った過去 その影は重く 今は絆というモノに 途方もない憧れ 抱きながら踏み出せずにいた  他人との距離を置き 関わらない それは逃げでしかないと 自責の念を内に秘めて  『キミならばどう言うだろう?』 そんなことばかりを考えては 成長しない自分に 嘆息し拳を握る 隔たれた星の欠片 孤高の旅路に終わりは見えず 空虚に巡り彷徨う、そんな物語――――  「この国から得るものは何もないと、旅を急ごうとする青年。 そんなとき、魔女が黒狼という種族の動物達を捕らえ、 無理矢理に使役しているという話を耳にしてしまう」  熱量が奥底から 膨れ上がるようなその感覚 どこにもそんな感情はないのだと思ってたのに 罅割れたこの心を 虚勢でしかない傷ついた瞳を 今は隠して踏み出そう 闇を屠り  かつての親友の遺品 黒狼の牙での首飾り(collier) 俯き握り締めて 切り拓くは未来の物語――――  「孤高の旅を続けるその黒衣の放浪者の名は、ルクセイン。 その眼光はまるで獣の牙のように鋭く。 過去を恨みながら、遠く先を見据えて……」  「もう道を違えることはしない。俺は――――」少女病少女病ピクセルビーピクセルビー「幾つもの国々を見て回る旅を続ける、 どこか影のある憂いを背負った青年。 黒衣の青年は、不死なる魔女の一人、 アイリーンの影響下にある街を睥睨していた」  疲弊する 寒々しい雑踏 酷く重苦しい街は 夜に蝕まれ 歪に滲んだ 粛清に風はさざめき 幻想に終止符を刻んだ無辺の爛れた闇  風説の真偽など荒廃した この風景をみたなら 疑うこともできはしない  キミの名をその欠片を 白夜の果てにまで連れていこう どこにもそんな場所はないのだとわかっていても 罅割れたその欠片に 虚勢ではない無傷の姿を いつか示し探そう 未来の物語――――  忘れえぬ あの日起きた過ち 大切な絆 存在を失った過去 その影は重く 今は絆というモノに 途方もない憧れ 抱きながら踏み出せずにいた  他人との距離を置き 関わらない それは逃げでしかないと 自責の念を内に秘めて  『キミならばどう言うだろう?』 そんなことばかりを考えては 成長しない自分に 嘆息し拳を握る 隔たれた星の欠片 孤高の旅路に終わりは見えず 空虚に巡り彷徨う、そんな物語――――  「この国から得るものは何もないと、旅を急ごうとする青年。 そんなとき、魔女が黒狼という種族の動物達を捕らえ、 無理矢理に使役しているという話を耳にしてしまう」  熱量が奥底から 膨れ上がるようなその感覚 どこにもそんな感情はないのだと思ってたのに 罅割れたこの心を 虚勢でしかない傷ついた瞳を 今は隠して踏み出そう 闇を屠り  かつての親友の遺品 黒狼の牙での首飾り(collier) 俯き握り締めて 切り拓くは未来の物語――――  「孤高の旅を続けるその黒衣の放浪者の名は、ルクセイン。 その眼光はまるで獣の牙のように鋭く。 過去を恨みながら、遠く先を見据えて……」  「もう道を違えることはしない。俺は――――」
黒紫のオーンブレ「----葬列。並ぶ者の居ない、闃寂の空間。参列者は、たった独り。 孤独な少女は回想する。共に過ごした美しい思い出の、その全てを。 彼女は笑いながら呪う。忌まわしい世界に向けた、底なしの悪意。 ……少女の纏う、黒紫の影がざわめきだした----」  響き渡る それは欷歔の声 吹き晒す風に乗せ 猶も届きはしない  身に纏う 無数の「声」が 黒紫の装束となって 信じるべきものを告げている  何を愛し 何を呪う 何を許し 何を憎む  全てその内に  沈む影の中に幾重に 渦巻かせる呪いと愛だけ けして満たされぬその姿 未だ不完全な魔女(riflydia)  その声は空虚なほどに 歪にして気高き覚悟を 無貌無尽--“己”は誰かいつか喪う定めでも  その無数の命もて その無限の命もて 天の巡るまで  許しを乞い続ける声 この影の中で けして解放たれること無く  犯した罪を嘆く声 この影の中で 永久にその罪 贖い続けよ  その運命に涙する声 この影の中で その涙を祈りとするがいい  終わらぬ生獄(いのち)呪う声 この影の中で 私の一部となって生きよと  共に産まれ されど倦まれ 戯れに選ばれたのは 下らぬ神の悪戯で終わらせない  そう、誓う--。  その罪人(いのち)も その咎人(いのち)も その凶人(いのち)も その禍人(いのち)も  そう 全て愛しき片割(リフル)の為にと 嗚呼。  愚直なまでにただ一心に 愛深きが故に貪欲に けして満たされぬその景色 未だ未完成な理想郷(utopia)  ならけして滅びぬようにと その罪咎凶禍(いのち)をこの身に束ねて 無暁無届--“己”は誰かいつか喪う覚悟でも  その無数の命もて その無限の命もて 天の巡るまで  しかるに分かたれた命 その思いに涙して 吼え猛る----ああ!  「少女は膝をつく。けれど、その心は決して折れない。 それは、最も愛深きが故に、最も貪欲。後にそう伝えられる、 第四の魔女“リディア”の姿----」  「いつか、彼女は帰ってくる----決して潰えることなきその幻想を胸に。 少女は生きる。生きて、生き続ける。 ----いつまでも。世界が終焉するその時まで」少女病RD-SoundsRD-SoundsRD-Sounds「----葬列。並ぶ者の居ない、闃寂の空間。参列者は、たった独り。 孤独な少女は回想する。共に過ごした美しい思い出の、その全てを。 彼女は笑いながら呪う。忌まわしい世界に向けた、底なしの悪意。 ……少女の纏う、黒紫の影がざわめきだした----」  響き渡る それは欷歔の声 吹き晒す風に乗せ 猶も届きはしない  身に纏う 無数の「声」が 黒紫の装束となって 信じるべきものを告げている  何を愛し 何を呪う 何を許し 何を憎む  全てその内に  沈む影の中に幾重に 渦巻かせる呪いと愛だけ けして満たされぬその姿 未だ不完全な魔女(riflydia)  その声は空虚なほどに 歪にして気高き覚悟を 無貌無尽--“己”は誰かいつか喪う定めでも  その無数の命もて その無限の命もて 天の巡るまで  許しを乞い続ける声 この影の中で けして解放たれること無く  犯した罪を嘆く声 この影の中で 永久にその罪 贖い続けよ  その運命に涙する声 この影の中で その涙を祈りとするがいい  終わらぬ生獄(いのち)呪う声 この影の中で 私の一部となって生きよと  共に産まれ されど倦まれ 戯れに選ばれたのは 下らぬ神の悪戯で終わらせない  そう、誓う--。  その罪人(いのち)も その咎人(いのち)も その凶人(いのち)も その禍人(いのち)も  そう 全て愛しき片割(リフル)の為にと 嗚呼。  愚直なまでにただ一心に 愛深きが故に貪欲に けして満たされぬその景色 未だ未完成な理想郷(utopia)  ならけして滅びぬようにと その罪咎凶禍(いのち)をこの身に束ねて 無暁無届--“己”は誰かいつか喪う覚悟でも  その無数の命もて その無限の命もて 天の巡るまで  しかるに分かたれた命 その思いに涙して 吼え猛る----ああ!  「少女は膝をつく。けれど、その心は決して折れない。 それは、最も愛深きが故に、最も貪欲。後にそう伝えられる、 第四の魔女“リディア”の姿----」  「いつか、彼女は帰ってくる----決して潰えることなきその幻想を胸に。 少女は生きる。生きて、生き続ける。 ----いつまでも。世界が終焉するその時まで」
最終楽章:魔女と七人の美しい少女「晩餐会の象徴のように設置された、大きな写し鏡。 その鏡には、7人の少女たちがこの場所を 訪れなかったケースの映像が映し出されていて…。」  壊死は進み 循環する 悲哀観念 最終楽章へ  居並ぶ 嬲る 奈落少女 glow 愚弄 苦楽殺傷 楽団員達は 死旋律弾(ひ)いて  最高の 偽幸者(ぎこうしゃ)に為りたい そんな悪夢(ゆめ)を見ていた ここはそう 薄暗い ショーケースだ 光は奪われて 届かない  「どうしたの?あなたも欲しくはないの?」  「みんな、みんな錯覚だったんだ。 やっぱりこんなの、幸せであるはずがないじゃないっ……!」  薬効のない 不具合 遅すぎる 最後通牒だ 血塗られた 白旗は もう意味を成さずに  有耶無耶 病むは 弱き証左 已むに 已まず 痛覚抹消 反吐が出るような 自己完結を呪う  網膜は 確かに映した 世界像の変革を 今はもう どんなに目 見開いても 錯覚だったのか 見つからない  「違う。私が、私たちが欲していたのは、 もっと尊くて……どこまでも純粋なっ……」  「そんな幸せは一過性のもので、すぐに儚く終わってしまうものよ? それよりも、私の与えられるモノのほうが 永続的で正しいとは思わない?あはははっ……!」  「あなたは このリンゴを 食べるの? 入っているのが毒かは知らない……」  最高の 偽幸者(ぎこうしゃ)に為りたい そんな悪夢(ゆめ)を見ていた ここはそう 薄暗い ショーケースだ 光は奪われた  逃れられない 運命(さだめ)を 感じた 少女は 薬(それ)を飲んだ 哀れなる 七人(しちにん)に 加わり笑う たった 一人の 観客へと  「例えこれが毒リンゴだとわかっていても、 今よりも楽になれるのなら……もういい」  「ふふっ、痛くて苦しいのは、最初だけ。 すぐに気持ちよくなれるから、ね?」  「ありとあらゆる災禍から美しいものを…… あなたたちを保護してあげる。 何も劣化なんてさせはしない。ずっとずっと、 ここに一緒にいましょ?生きて、いたいのなら……」  「何が正しくて、何が間違っているのか。 一人一人にある小さな世界像を描き変えるのは…… いつだって抗えないほどの力だった」  「魔女と七人の美しい少女は、 森の奥深くでいつまでも幸せに暮らしましたとさ……。 多分、ね。ふふふふっ……!あはは、あははははっ!!」少女病少女病ピクセルビーピクセルビー「晩餐会の象徴のように設置された、大きな写し鏡。 その鏡には、7人の少女たちがこの場所を 訪れなかったケースの映像が映し出されていて…。」  壊死は進み 循環する 悲哀観念 最終楽章へ  居並ぶ 嬲る 奈落少女 glow 愚弄 苦楽殺傷 楽団員達は 死旋律弾(ひ)いて  最高の 偽幸者(ぎこうしゃ)に為りたい そんな悪夢(ゆめ)を見ていた ここはそう 薄暗い ショーケースだ 光は奪われて 届かない  「どうしたの?あなたも欲しくはないの?」  「みんな、みんな錯覚だったんだ。 やっぱりこんなの、幸せであるはずがないじゃないっ……!」  薬効のない 不具合 遅すぎる 最後通牒だ 血塗られた 白旗は もう意味を成さずに  有耶無耶 病むは 弱き証左 已むに 已まず 痛覚抹消 反吐が出るような 自己完結を呪う  網膜は 確かに映した 世界像の変革を 今はもう どんなに目 見開いても 錯覚だったのか 見つからない  「違う。私が、私たちが欲していたのは、 もっと尊くて……どこまでも純粋なっ……」  「そんな幸せは一過性のもので、すぐに儚く終わってしまうものよ? それよりも、私の与えられるモノのほうが 永続的で正しいとは思わない?あはははっ……!」  「あなたは このリンゴを 食べるの? 入っているのが毒かは知らない……」  最高の 偽幸者(ぎこうしゃ)に為りたい そんな悪夢(ゆめ)を見ていた ここはそう 薄暗い ショーケースだ 光は奪われた  逃れられない 運命(さだめ)を 感じた 少女は 薬(それ)を飲んだ 哀れなる 七人(しちにん)に 加わり笑う たった 一人の 観客へと  「例えこれが毒リンゴだとわかっていても、 今よりも楽になれるのなら……もういい」  「ふふっ、痛くて苦しいのは、最初だけ。 すぐに気持ちよくなれるから、ね?」  「ありとあらゆる災禍から美しいものを…… あなたたちを保護してあげる。 何も劣化なんてさせはしない。ずっとずっと、 ここに一緒にいましょ?生きて、いたいのなら……」  「何が正しくて、何が間違っているのか。 一人一人にある小さな世界像を描き変えるのは…… いつだって抗えないほどの力だった」  「魔女と七人の美しい少女は、 森の奥深くでいつまでも幸せに暮らしましたとさ……。 多分、ね。ふふふふっ……!あはは、あははははっ!!」
残響「そのレギオンは、死の残響でできていた。 すべては魔女アイリーンの掌の上。 小さな暇潰しのための遊戯でしかない事象。 残響の余韻は、たった一人の少女だけが担っていた。 壊れモノの少女はふらつきながら塔の端に立ち、 夢見るように空へと語りかける……。 大好きな兄に向けて。素敵な仲間との出会いを。 短い時間に深めた友情を。 それらが全て形のない幻想だったことは、 受け入れないままに……」  深すぎるその絶望を 受胎した少女は 吹き荒ぶ緋の悪意 全て飲み干した  心の壊れる音 一瞬に散る花 美しく鮮烈な その最期の残響に  詩をのせて 魔女は奏でる 埋葬された虚飾の光焦がして  『夢のような、時でした』 真実の解放を 流れる星の下でいつか誓い合った夜 明日を信じて 死によって下された 白い解放はその夢が 悪夢の中にあることを告げて――――  『――――いつか笑って、会えるかな?』 不安を小さな文字で描いた 健気にah...兄想い 問いかけるフランチェスカに 仲間は無言で頷き微笑んだ  『きっととても驚くね?私にこんな素敵なお友達ができたよ。 短い時間だけれどたくさん話したよ……』  『ねぇ答えて?お願いは最後にはいつだって 聞いてくれていたじゃない。もう我儘言わないから』 音無き言葉は 虚空へと消えてゆく 見えない何かに語るように 壊れきった瞳はもう幻想だけに  焦点を合わせて 虚構へと 嗚呼戻れないほどに ah...深く深く もう沈みきっていた――――  「さあ、次はどんな遊びをしましょうか」  「これは、最も残虐だといわれる魔女の物語。 ふふっ……おはなしは、おしまい」少女病少女病RD-SoundsRD-Sounds「そのレギオンは、死の残響でできていた。 すべては魔女アイリーンの掌の上。 小さな暇潰しのための遊戯でしかない事象。 残響の余韻は、たった一人の少女だけが担っていた。 壊れモノの少女はふらつきながら塔の端に立ち、 夢見るように空へと語りかける……。 大好きな兄に向けて。素敵な仲間との出会いを。 短い時間に深めた友情を。 それらが全て形のない幻想だったことは、 受け入れないままに……」  深すぎるその絶望を 受胎した少女は 吹き荒ぶ緋の悪意 全て飲み干した  心の壊れる音 一瞬に散る花 美しく鮮烈な その最期の残響に  詩をのせて 魔女は奏でる 埋葬された虚飾の光焦がして  『夢のような、時でした』 真実の解放を 流れる星の下でいつか誓い合った夜 明日を信じて 死によって下された 白い解放はその夢が 悪夢の中にあることを告げて――――  『――――いつか笑って、会えるかな?』 不安を小さな文字で描いた 健気にah...兄想い 問いかけるフランチェスカに 仲間は無言で頷き微笑んだ  『きっととても驚くね?私にこんな素敵なお友達ができたよ。 短い時間だけれどたくさん話したよ……』  『ねぇ答えて?お願いは最後にはいつだって 聞いてくれていたじゃない。もう我儘言わないから』 音無き言葉は 虚空へと消えてゆく 見えない何かに語るように 壊れきった瞳はもう幻想だけに  焦点を合わせて 虚構へと 嗚呼戻れないほどに ah...深く深く もう沈みきっていた――――  「さあ、次はどんな遊びをしましょうか」  「これは、最も残虐だといわれる魔女の物語。 ふふっ……おはなしは、おしまい」
終幕症候群「あらかじめ約束されていた最期の夜。 イレギュラーなき旋律の開演。今宵、盤上の駒は揃った」  「――――はじまりのおわり。おわりのはじまり」  「もっと昂らせて……」  風のない真遠の夜に 小さな進軍の灯が無音に輝き 全ての遍く事象に 根源が或るなら壊してみせよう  其々の宿願を胸に 小さな行軍の日は訪れる そうは眠ることなきアイリーン 永い周期を待ち続けた反逆のレギオン  無慈悲なリフレイン 聞こえがいいばかりの言葉じゃ 運命など打破できない 勝ち取るんだ 今この手で――――  射殺せ ヴェールに逃れた空隙を 滅びの詩は聞こえない 病葉舞う地を疾って 響け 怜悧な静寂を砕いて 誰一人として欠けることなく夜を抜けよう  祈りの羅列は終幕の序曲を、奏でていた――――  「誰かを救うために、別の誰かの命を奪うことはできない」  「うん。奪って赦されるのは、アイリーンの命だけ」  「見張りの兵士も殺さず、武器を奪い無力化して縛りおいておくだけ。 塔を駆け上り、どうにか囚われた仲間達の部屋に辿りつくも、 その扉は魔力で固く閉ざされていて……」  「……っ」  「ちっ、そんなに簡単じゃあないな……」  囚われの場所 そこに近づく程に ルークとミリアに刻まれた刻印は 淡い熱を帯びて紅く輝きだした 帰還を歓待するように  射殺せ ヴェールに逃れた空隙を 滅びの詩は聞こえない 病葉舞う地を疾って 響け 怜悧な静寂を砕いて 誰一人として欠けることなく夜を抜けよう  月夜は悲劇が孵化する残響音 紡いでゆく (嘲笑うように) いつしか神格化された幻想も 冒涜して――――  「眠っている魔女を殺せば、魔法も解けてこの扉も開くよ。きっと」  「ああ。やるしか、ないのか……」  「塔の最上階。冷え切った部屋で椅子に腰掛けたまま眠る暴虐の魔女。 湛える余裕はそのままに、寸分も揺らぐことなく……」  「手を汚すのは俺だけでいい。子供は下がってろ」  「ルクセインが押し切る形でその役を背負い、 暗い部屋で眠る魔女にナイフを突き刺した。 声もなく。音もなく。不死なる魔女といえど、 絶命さぜるをえないほどに深く――――」少女病少女病RD-SoundsRD-Sounds「あらかじめ約束されていた最期の夜。 イレギュラーなき旋律の開演。今宵、盤上の駒は揃った」  「――――はじまりのおわり。おわりのはじまり」  「もっと昂らせて……」  風のない真遠の夜に 小さな進軍の灯が無音に輝き 全ての遍く事象に 根源が或るなら壊してみせよう  其々の宿願を胸に 小さな行軍の日は訪れる そうは眠ることなきアイリーン 永い周期を待ち続けた反逆のレギオン  無慈悲なリフレイン 聞こえがいいばかりの言葉じゃ 運命など打破できない 勝ち取るんだ 今この手で――――  射殺せ ヴェールに逃れた空隙を 滅びの詩は聞こえない 病葉舞う地を疾って 響け 怜悧な静寂を砕いて 誰一人として欠けることなく夜を抜けよう  祈りの羅列は終幕の序曲を、奏でていた――――  「誰かを救うために、別の誰かの命を奪うことはできない」  「うん。奪って赦されるのは、アイリーンの命だけ」  「見張りの兵士も殺さず、武器を奪い無力化して縛りおいておくだけ。 塔を駆け上り、どうにか囚われた仲間達の部屋に辿りつくも、 その扉は魔力で固く閉ざされていて……」  「……っ」  「ちっ、そんなに簡単じゃあないな……」  囚われの場所 そこに近づく程に ルークとミリアに刻まれた刻印は 淡い熱を帯びて紅く輝きだした 帰還を歓待するように  射殺せ ヴェールに逃れた空隙を 滅びの詩は聞こえない 病葉舞う地を疾って 響け 怜悧な静寂を砕いて 誰一人として欠けることなく夜を抜けよう  月夜は悲劇が孵化する残響音 紡いでゆく (嘲笑うように) いつしか神格化された幻想も 冒涜して――――  「眠っている魔女を殺せば、魔法も解けてこの扉も開くよ。きっと」  「ああ。やるしか、ないのか……」  「塔の最上階。冷え切った部屋で椅子に腰掛けたまま眠る暴虐の魔女。 湛える余裕はそのままに、寸分も揺らぐことなく……」  「手を汚すのは俺だけでいい。子供は下がってろ」  「ルクセインが押し切る形でその役を背負い、 暗い部屋で眠る魔女にナイフを突き刺した。 声もなく。音もなく。不死なる魔女といえど、 絶命さぜるをえないほどに深く――――」
深紅のエヴェイユ「希望と絶望を司る二つの光彩。 この世界では決して等量に降り注ぐことのない光の雨。 寂寞の音は波紋に。 そして空を覆う赤き月の残光は、いつしか残響となって……」  「それは、幾多の嘆きの中紡がれる、第二の魔女の物語」  悲鳴の中降り注いだ 深紅の雨に浮かぶ 第二の魔女の影(silhouette) 日々に飽いた魔女 嗜みしは残忍な狂気(folie) 神託は堕つ 不遜 不変 不滅の混沌(chaos)に飲みこまれ ただ冷えた死だけが 支配せし煉獄(purgatoire)  ah... 退屈だわ 血塗られた指を舐め 彼女は薄く哂う 動かぬ玩具踏み潰して  今 秩序のなき 澱んだ古城で 反逆の狼煙を上げるような無謀な者はいない 魔女に跪いて神を呪って 人々が謡うは称賛の嘆き(chagrin)  扇動して巻き起こした 戦争を眺め 優雅に食事を楽しむのもすぐに飽きて 愛玩動物(pet)の蛇と少女だけを 暗く狭い蔵に入れて 閉じ込める遊びも 食傷してしまった  ah... どれもこれも愉快なのは最初だけ 彼女は苛立ちを 隠しもせず刃を薙ぐ  さあ 刹那の夜 ここで生まれる 仮初の生命を 忌まわしい物語に残そう 魔女はまた新たな 遊戯に耽り 結末を想って快楽にふるえて 笑った――――  「描けた。不快で愉快な、終わりまでの軌跡...」  穢れた狂信者(fanatique)の 祈りを受けただ厳かに 赦されざる魔法で 紅き光に包まれゆく――――  「ふふっ。ねぇ、目をそらさないで。 ――――物語がはじまるよ」  今 秩序のなき 澱んだ古城で 反逆の狼煙を上げるような無謀な者はいない 魔女に跪いて神を呪って 人々が謡うは称賛の嘆き(chagrin)  さあ 刹那の夜に、ここで生まれた 仮初の生命を呪わしい物語に宿そう 血の黙示録に刻む 終焉の覚醒(eveil) 幻想は静かにはじまりを告げた...  「望まぬままに開け放たれた棺」  「それは、消費されゆく凶夢の断章。踏み躙られた絆の物語」  「知らないなら教えてあげる。本当の終わりの歌を――――」少女病少女病ピクセルビーピクセルビー「希望と絶望を司る二つの光彩。 この世界では決して等量に降り注ぐことのない光の雨。 寂寞の音は波紋に。 そして空を覆う赤き月の残光は、いつしか残響となって……」  「それは、幾多の嘆きの中紡がれる、第二の魔女の物語」  悲鳴の中降り注いだ 深紅の雨に浮かぶ 第二の魔女の影(silhouette) 日々に飽いた魔女 嗜みしは残忍な狂気(folie) 神託は堕つ 不遜 不変 不滅の混沌(chaos)に飲みこまれ ただ冷えた死だけが 支配せし煉獄(purgatoire)  ah... 退屈だわ 血塗られた指を舐め 彼女は薄く哂う 動かぬ玩具踏み潰して  今 秩序のなき 澱んだ古城で 反逆の狼煙を上げるような無謀な者はいない 魔女に跪いて神を呪って 人々が謡うは称賛の嘆き(chagrin)  扇動して巻き起こした 戦争を眺め 優雅に食事を楽しむのもすぐに飽きて 愛玩動物(pet)の蛇と少女だけを 暗く狭い蔵に入れて 閉じ込める遊びも 食傷してしまった  ah... どれもこれも愉快なのは最初だけ 彼女は苛立ちを 隠しもせず刃を薙ぐ  さあ 刹那の夜 ここで生まれる 仮初の生命を 忌まわしい物語に残そう 魔女はまた新たな 遊戯に耽り 結末を想って快楽にふるえて 笑った――――  「描けた。不快で愉快な、終わりまでの軌跡...」  穢れた狂信者(fanatique)の 祈りを受けただ厳かに 赦されざる魔法で 紅き光に包まれゆく――――  「ふふっ。ねぇ、目をそらさないで。 ――――物語がはじまるよ」  今 秩序のなき 澱んだ古城で 反逆の狼煙を上げるような無謀な者はいない 魔女に跪いて神を呪って 人々が謡うは称賛の嘆き(chagrin)  さあ 刹那の夜に、ここで生まれた 仮初の生命を呪わしい物語に宿そう 血の黙示録に刻む 終焉の覚醒(eveil) 幻想は静かにはじまりを告げた...  「望まぬままに開け放たれた棺」  「それは、消費されゆく凶夢の断章。踏み躙られた絆の物語」  「知らないなら教えてあげる。本当の終わりの歌を――――」
真実の解放「待ち望んでいた解放の時。 久々にみる仲間達の顔は、少しやつれているようで。 けれど、変わらずそこにあった――――今も」  「ねぇ、嬉しいのに不自然にしか笑顔を作れないんだ」 魔女に矯正された 紛いモノの表情  ah...魔女の毒は 歓喜の波も抑制するほど深く 痛ましい爪痕は消えないかもしれないけど  恐る恐る控えめながら 喜びを分かち合う子供達は 鎖を外し 手を取り合い生を確かめるように  碧に染まるセカイで 産声をあげるは 狩り尽くされて失くしていた新たなる絆 血よりも色濃い絆が いつか生まれていた 強く結ばれた仲間 これからを紡ぐ幻想――――  「羨ましいな、彼らが……」  「ルクセインは、自分の役目は終わったとばかりにその場を離れ、繋 がれている黒狼達を解き放った。 そしてそのまま一言の別れさえ告げずに、単身で古城を後にする。 白夜の果てへの旅。大切な首飾りを強く握りなおして……」  「ねぇ、二人だけで逃げ出したのに僕らを責めはしないの?」 徴かな後ろ暗さ その想いを吐露した  「ルーク、例えキミがそのままどこか遠くへ逃げたとしても 多分誰一人としてその行為を咎めやしない」  「そうさ。ここで辛苦共にした家族みたいなものだ。 だから今は自由より、また生きて逢えたことがただ嬉しいんだ」  ah...残響瞬く 夜が明けようと今 白霧はただ霧散した 遠鐘鳴り響いて 空ろな光は彼等を 導くようにただ 碧に染まったセカイを 凛と照らし始めていた  「喜びに抱き合う仲間達。 けれど、彼らの表情が次第に心配げに曇っていって……」  「ルークと私の顔色が悪い?ううん、きっと疲れてるだけ」  「体が冷たいって?そんなことはない……よな?」  「……ッ!」  「面白い見世物だったわ」 囁いたのは、確かに死に絶えていた暴虐の魔女――――  「悠然と立つ魔女によって語られる真実。 ルークとミリアは、遊戯に耐えきれずに とっくの昔に命を落としている存在であるということ」  「私の力で動いているだけ。 イレモノが綺麗だったから再利用してみたの」  「そんな……」  「いや……いやっ……いやぁぁぁぁぁぁっ!」  死の残響 魂なき亡霊のような ルークとミリアは仲間とフランチェスカヘと向け 救いを請うような視線を刹那残して ah... それがあるべき姿であったかのように その動きを止めた  もう二度とは動かぬ二人の残骸 ah... どんなに強く揺すれど 瞳に光は戻らない “愉悦”を“歓喜”を隠さず 深紅の魔女は哂う 夜を抜けることのない 哀れなるそのレギオンを――――  「可愛いお人形さん。ぜーんぶ思い通りに動いてくれちゃって。 城から逃げ出させたのも、いずれは取り残されたお友達を助けに 戻るようにと思考を巡らせたのも、みーんな私の掌の上。 思っていた以上に楽しめたわ」  「それは、少年達の絶望する表情を見たいがための新しい遊戯。 ルークとミリアは、まるで電源が切れてしまったかのように動きを止め、 もう二度と動くことはなかった……」  「残された少年達はこれ以上ないであろう絶望に突き落とされる。 そんな中で、フランチェスカは狂ったように兄の姿を探し続けていて……。 魔女はそれに気づき、何気ない風に告げる」  「あんたの探してる大好きなお兄ちゃんも、 もうとっくに死んでここにはいないよ――――」少女病少女病ピクセルビーピクセルビー「待ち望んでいた解放の時。 久々にみる仲間達の顔は、少しやつれているようで。 けれど、変わらずそこにあった――――今も」  「ねぇ、嬉しいのに不自然にしか笑顔を作れないんだ」 魔女に矯正された 紛いモノの表情  ah...魔女の毒は 歓喜の波も抑制するほど深く 痛ましい爪痕は消えないかもしれないけど  恐る恐る控えめながら 喜びを分かち合う子供達は 鎖を外し 手を取り合い生を確かめるように  碧に染まるセカイで 産声をあげるは 狩り尽くされて失くしていた新たなる絆 血よりも色濃い絆が いつか生まれていた 強く結ばれた仲間 これからを紡ぐ幻想――――  「羨ましいな、彼らが……」  「ルクセインは、自分の役目は終わったとばかりにその場を離れ、繋 がれている黒狼達を解き放った。 そしてそのまま一言の別れさえ告げずに、単身で古城を後にする。 白夜の果てへの旅。大切な首飾りを強く握りなおして……」  「ねぇ、二人だけで逃げ出したのに僕らを責めはしないの?」 徴かな後ろ暗さ その想いを吐露した  「ルーク、例えキミがそのままどこか遠くへ逃げたとしても 多分誰一人としてその行為を咎めやしない」  「そうさ。ここで辛苦共にした家族みたいなものだ。 だから今は自由より、また生きて逢えたことがただ嬉しいんだ」  ah...残響瞬く 夜が明けようと今 白霧はただ霧散した 遠鐘鳴り響いて 空ろな光は彼等を 導くようにただ 碧に染まったセカイを 凛と照らし始めていた  「喜びに抱き合う仲間達。 けれど、彼らの表情が次第に心配げに曇っていって……」  「ルークと私の顔色が悪い?ううん、きっと疲れてるだけ」  「体が冷たいって?そんなことはない……よな?」  「……ッ!」  「面白い見世物だったわ」 囁いたのは、確かに死に絶えていた暴虐の魔女――――  「悠然と立つ魔女によって語られる真実。 ルークとミリアは、遊戯に耐えきれずに とっくの昔に命を落としている存在であるということ」  「私の力で動いているだけ。 イレモノが綺麗だったから再利用してみたの」  「そんな……」  「いや……いやっ……いやぁぁぁぁぁぁっ!」  死の残響 魂なき亡霊のような ルークとミリアは仲間とフランチェスカヘと向け 救いを請うような視線を刹那残して ah... それがあるべき姿であったかのように その動きを止めた  もう二度とは動かぬ二人の残骸 ah... どんなに強く揺すれど 瞳に光は戻らない “愉悦”を“歓喜”を隠さず 深紅の魔女は哂う 夜を抜けることのない 哀れなるそのレギオンを――――  「可愛いお人形さん。ぜーんぶ思い通りに動いてくれちゃって。 城から逃げ出させたのも、いずれは取り残されたお友達を助けに 戻るようにと思考を巡らせたのも、みーんな私の掌の上。 思っていた以上に楽しめたわ」  「それは、少年達の絶望する表情を見たいがための新しい遊戯。 ルークとミリアは、まるで電源が切れてしまったかのように動きを止め、 もう二度と動くことはなかった……」  「残された少年達はこれ以上ないであろう絶望に突き落とされる。 そんな中で、フランチェスカは狂ったように兄の姿を探し続けていて……。 魔女はそれに気づき、何気ない風に告げる」  「あんたの探してる大好きなお兄ちゃんも、 もうとっくに死んでここにはいないよ――――」
十三月の不確定なドール華美で豪奢な塔(tour) 荘厳な支配(domination) 囲われるは美しい少年達 散見される不幸な少女も 男装強いられ  暴虐の魔女が夜な夜な繰り広げるのは 永久に解放されない悪夢(cauchemar)  踊りましょう? 絶望の声を従えて 歌いましょう? 消えゆく心音に乗せて  (無様に踊れ 死ぬまで 滑稽に謡え 沈め)  滅びましょう? 己の全てを失って 受け入れれば飽きるまで可愛がってあげる――――  (我に弓ひけ 求めよ 真の自由を...)  「美しくないものはみんな死んだらいいのに……。 美しいものはいつか私の手で壊してあげよう、ね?」  心を手折られて 人が屈服する様 それがとても“美しい”と嘲笑った どんなに凛と咲き誇る花も いつかは枯れゆく  彼らが大切に想う家族や恋人 邪魔で不要な命を奪った  絆狩りの忌み名を掲げる負の儀式(rituel) その洗礼を浴びて集いし兄弟達(freres)  (さあ思い出せ その身に 託されたah... 遺志を)  首輪をつけ 心項垂れたコレクション 決して消えぬ 痛ましい烙印を背負って――――  (先に潰えた仲間の 声に応えよ)  「髪まで切られて、名前を名乗る自由さえ奪われて。 私がどこにもいなくなるみたい...」  「ここで屈服したらヤツの思惑通りになるんだ。 みんなで耐えて、生きよう。そうすればいつか……」  「生きたって、私達に帰る場所なんてないじゃない!」  ah...次々と落命する仲間達(freres) 懸命に支えあった 悲劇の人形(doll)  踊りましょう? 絶望の声を従えて 歌いましょう? 消えゆく心音に乗せて 摘み取りましょう? 幽かに残る澄んだ芽を 血に染まった渇望を今奏でて...  可愛いよ 凛々しいよ だから穢してあげる 苦しいの? 悲しいの? ならば壊してあげよう ねぇ、生まれてきたことを後悔しているの? 簡単には終わらせない 可愛がってあげる――――  (はじめよう 真の悲劇を...)  「不死なる永劫の日々に飽いてしまった暴虐の魔女、アイリーン。 彼女が今最も夢中になっている遊戯。 それは、見目麗しい少年達を囲い、身も心も屈服させること。 人の悲しむ顔が一番美しいと感じる彼女は、彼らにとっての大切な者達を 殺してから少年達をコレクションに加えていて……」  「簡単には折れない。これが宿命だなんて認めはしない。だから……」少女病少女病ピクセルビーピクセルビー華美で豪奢な塔(tour) 荘厳な支配(domination) 囲われるは美しい少年達 散見される不幸な少女も 男装強いられ  暴虐の魔女が夜な夜な繰り広げるのは 永久に解放されない悪夢(cauchemar)  踊りましょう? 絶望の声を従えて 歌いましょう? 消えゆく心音に乗せて  (無様に踊れ 死ぬまで 滑稽に謡え 沈め)  滅びましょう? 己の全てを失って 受け入れれば飽きるまで可愛がってあげる――――  (我に弓ひけ 求めよ 真の自由を...)  「美しくないものはみんな死んだらいいのに……。 美しいものはいつか私の手で壊してあげよう、ね?」  心を手折られて 人が屈服する様 それがとても“美しい”と嘲笑った どんなに凛と咲き誇る花も いつかは枯れゆく  彼らが大切に想う家族や恋人 邪魔で不要な命を奪った  絆狩りの忌み名を掲げる負の儀式(rituel) その洗礼を浴びて集いし兄弟達(freres)  (さあ思い出せ その身に 託されたah... 遺志を)  首輪をつけ 心項垂れたコレクション 決して消えぬ 痛ましい烙印を背負って――――  (先に潰えた仲間の 声に応えよ)  「髪まで切られて、名前を名乗る自由さえ奪われて。 私がどこにもいなくなるみたい...」  「ここで屈服したらヤツの思惑通りになるんだ。 みんなで耐えて、生きよう。そうすればいつか……」  「生きたって、私達に帰る場所なんてないじゃない!」  ah...次々と落命する仲間達(freres) 懸命に支えあった 悲劇の人形(doll)  踊りましょう? 絶望の声を従えて 歌いましょう? 消えゆく心音に乗せて 摘み取りましょう? 幽かに残る澄んだ芽を 血に染まった渇望を今奏でて...  可愛いよ 凛々しいよ だから穢してあげる 苦しいの? 悲しいの? ならば壊してあげよう ねぇ、生まれてきたことを後悔しているの? 簡単には終わらせない 可愛がってあげる――――  (はじめよう 真の悲劇を...)  「不死なる永劫の日々に飽いてしまった暴虐の魔女、アイリーン。 彼女が今最も夢中になっている遊戯。 それは、見目麗しい少年達を囲い、身も心も屈服させること。 人の悲しむ顔が一番美しいと感じる彼女は、彼らにとっての大切な者達を 殺してから少年達をコレクションに加えていて……」  「簡単には折れない。これが宿命だなんて認めはしない。だから……」
Still Unforgiven「こんばんは、フィーナ。」 「…誰?」 「私はメイメイ。貴女を救いにきたの。」 「貴女に見せてあげる。“今”の貴女が、 これからどんな運命を辿るはずだったのかを」  「メイメイは語りかける。かつて語られなかった、最も最悪の可能性。」 「メイメイは語りかける。 残酷な運命。その全てを見通したモノの目で。」 「メイメイは語りかける。 フィーナの意思など存在しない、一方的な救済。」 「メイメイは語りかける。その美しい魂の家、損なわれぬよう。」  「これは誰……?まさか……私?」  捻くれた螺旋―― ――運命の神はかくも厳し 赦された罪過―― ――生きることだけを考えよ 終り無き夢想―― ――いつか生まれ来る君を信じ 慎ましき日々―― ――そこに来る悪夢の使者  こちらに向ける目が 哀れそうに私を射抜いて 発せられる言葉が 残酷な運命を告げる 小さな鏡が 映し出した見知らぬ光景 見慣れぬ誰かが “何か”を抱いて泣いていた……  醜い魂に価値などないと吐き棄てて 指し示すその姿は 見てはならない凄惨な赤(いろ)を帯びていた――  響く叫び声 只一つの名前 かつて描いたそれを彼女は叫び続けていた 生まれた時にはと 心に決めていた わが子の名前が刻まれたひとつの瑕  何度も何度もその名を呼ぶは 壊れかけの機械のようで 何度も何度もその名を呼ぶは それが愛しきもの故  「そんな……あれは、私。じゃあ、あの子がエフティヒア……。 そんな……だって、死んでるじゃない……!」  凡そ己とは 認められようもない姿に たまらずフィーナは 呆然として膝をついた いくつもの世界を 垣間見選んだ筈の現実(せかい)に どうしてこんな仕打ち 誰を呪えばいいのだろう  響く無為な羽音が明日を呆気なく壊して その最後待っていたのが わが子を喪った私(ははおや)の姿か  ねえお願いだから その目をあけてよ エフィー!鳴...まだ碌に抱きしめても いなかったのに…… 大切なモノを 奪われる未来に 何の価値があるのかとただ自問し続けた  何度も何度も頭を振って 必死に否定しようとするけど 何度も何度も蘇る光景 そして倒れ伏すフィーナ  放棄せよ ただ嫌悪せよ 生を選び地を這うその姿 絶望せよ ただ恭順せよ 明日も選ぶことのないように その一切から目を逸らしても――  ねえもういいでしょう? 貴女の未来なんて こんなどうしようもない結末しか待っていないのだから 愛しているなら 死なせたくないなら 貴女の“選び取る”道など一つしかない  現実は虚ろ 告解の果てに 全て否定する 薬を一つ これで貴女も きっと幸せに 永遠の世界を歩もう――  「愛を注がれる間もなく、消えていく。そんな可能性は、 最初から生まれない方がいい。そう思うでしょう?」  「大丈夫。全ては嫌な夢。忘れてしまえるからね? 貴女はなーんにも心配しなくていいのよ」  「さあ、目を覚ましなさい、フィーナ。」  「う…貴女は…誰…?」  「知らないのも無理はないわ。私は、 貴女の遠い血縁にあたる者。 倒れた貴女の様子を見ていたの。」  「これをお飲みなさい。今よりも、もっと、楽になれるわ…」  「フィーナ。残酷な運命に翻弄された少女。 そうしてあるときを境に、 彼女の行方は誰も知ることはなかった――」少女病RD-SoundsRD-SoundsRD-Sounds「こんばんは、フィーナ。」 「…誰?」 「私はメイメイ。貴女を救いにきたの。」 「貴女に見せてあげる。“今”の貴女が、 これからどんな運命を辿るはずだったのかを」  「メイメイは語りかける。かつて語られなかった、最も最悪の可能性。」 「メイメイは語りかける。 残酷な運命。その全てを見通したモノの目で。」 「メイメイは語りかける。 フィーナの意思など存在しない、一方的な救済。」 「メイメイは語りかける。その美しい魂の家、損なわれぬよう。」  「これは誰……?まさか……私?」  捻くれた螺旋―― ――運命の神はかくも厳し 赦された罪過―― ――生きることだけを考えよ 終り無き夢想―― ――いつか生まれ来る君を信じ 慎ましき日々―― ――そこに来る悪夢の使者  こちらに向ける目が 哀れそうに私を射抜いて 発せられる言葉が 残酷な運命を告げる 小さな鏡が 映し出した見知らぬ光景 見慣れぬ誰かが “何か”を抱いて泣いていた……  醜い魂に価値などないと吐き棄てて 指し示すその姿は 見てはならない凄惨な赤(いろ)を帯びていた――  響く叫び声 只一つの名前 かつて描いたそれを彼女は叫び続けていた 生まれた時にはと 心に決めていた わが子の名前が刻まれたひとつの瑕  何度も何度もその名を呼ぶは 壊れかけの機械のようで 何度も何度もその名を呼ぶは それが愛しきもの故  「そんな……あれは、私。じゃあ、あの子がエフティヒア……。 そんな……だって、死んでるじゃない……!」  凡そ己とは 認められようもない姿に たまらずフィーナは 呆然として膝をついた いくつもの世界を 垣間見選んだ筈の現実(せかい)に どうしてこんな仕打ち 誰を呪えばいいのだろう  響く無為な羽音が明日を呆気なく壊して その最後待っていたのが わが子を喪った私(ははおや)の姿か  ねえお願いだから その目をあけてよ エフィー!鳴...まだ碌に抱きしめても いなかったのに…… 大切なモノを 奪われる未来に 何の価値があるのかとただ自問し続けた  何度も何度も頭を振って 必死に否定しようとするけど 何度も何度も蘇る光景 そして倒れ伏すフィーナ  放棄せよ ただ嫌悪せよ 生を選び地を這うその姿 絶望せよ ただ恭順せよ 明日も選ぶことのないように その一切から目を逸らしても――  ねえもういいでしょう? 貴女の未来なんて こんなどうしようもない結末しか待っていないのだから 愛しているなら 死なせたくないなら 貴女の“選び取る”道など一つしかない  現実は虚ろ 告解の果てに 全て否定する 薬を一つ これで貴女も きっと幸せに 永遠の世界を歩もう――  「愛を注がれる間もなく、消えていく。そんな可能性は、 最初から生まれない方がいい。そう思うでしょう?」  「大丈夫。全ては嫌な夢。忘れてしまえるからね? 貴女はなーんにも心配しなくていいのよ」  「さあ、目を覚ましなさい、フィーナ。」  「う…貴女は…誰…?」  「知らないのも無理はないわ。私は、 貴女の遠い血縁にあたる者。 倒れた貴女の様子を見ていたの。」  「これをお飲みなさい。今よりも、もっと、楽になれるわ…」  「フィーナ。残酷な運命に翻弄された少女。 そうしてあるときを境に、 彼女の行方は誰も知ることはなかった――」
Celestial Blue「目覚めたのは、白雨の降りしきる小高い丘。 辺りに人影はなく、ただ唇に暖かな温もりだけが残されていて。 僕はどうしてここにいるのだろう。 やっと会えたのに、一緒に帰ろうって伝えることもできず。 ここで何があったのだろう。 シスは、別れ際に耳元で何事か囁いていた。 けれどそれがどうしても、思いだせなくて――――」  初めて出会った その瞬間から 想いは決まっていたのかな? 幸せって言葉の象徴は 疑う余地なく、キミの存在だった  色んなことが変わってしまって 二人離れてしまったけれど まだ変わらないモノも 確かにあるはずだから  出会わなければ なんて 後悔した夜もあった 蒼白の空は遠すぎて いつまでも 届かない気がして  忘れられたら なんて 思い悩む時もあった けれど奥底に包まれた 想いに嘘はつけない...  濡れているのは瞳だけじゃなくて 小粒の白雨は全て洗い落とすように いつからだろう 降りつづけてた  「二人の思い出を消し去ろう。 あたしという存在に囚われることなどなく、 全て忘れて幸せに生きられるように。 二人はここで別れ、もう二度と出会うことはない」  「囁かれたのは、そんな悲しい魔法。 魔女と下僕は倒れ伏す少年を置き、静かにその場を後にした」  ぼやけた思考は 痛み残し  鮮明に切り開かれた 蒼ざめた魔女の優しい魔法は かかることはなく、言葉だけが残された  たとえば、誰もが幸せになれる 結末なんて望めなくても キミの心だけが ねぇ、泣いて終わるなんて...  昔みたいに なんて 簡単には言えないけれど 蒼白のキミに伝えたい いつまでも 忘れたりしないって  白雨に霞む 空が ただ切なく思えるのは 寂しい風景その下の どこかにキミがいるから...  「ありがとうなんて感情が、まだあたしにもあったんだ。 でも、これで本当のさよならにしよう……?ね」  傷つき 傷つけ 遠ざけて なぜ... ? シスフェリア 誓った未来は今でも 褪せることはなく この胸にあるよ...  「少年にかけられた小さな魔法。 シスフェリアとの思い出が消えてしまうこと。 幸せに生きられるように、ということ。 その二つの魔法は相反し、 少年の中で両立することは不可能だった。 彼女との記憶を忘れてしまうことは、 少年にとって何一つ幸せなんかじゃなくて。 魔法はその想いの強さに掻き消され、無効化されていた。 少年は、再び旅路をゆく。 次会えたときは、今度は自分から再会の口づけをするのだと、 心に誓って……」  「蒼白の果て。 それがどんなに遠くても、いつかきっと――――」少女病少女病ピクセルビーピクセルビー「目覚めたのは、白雨の降りしきる小高い丘。 辺りに人影はなく、ただ唇に暖かな温もりだけが残されていて。 僕はどうしてここにいるのだろう。 やっと会えたのに、一緒に帰ろうって伝えることもできず。 ここで何があったのだろう。 シスは、別れ際に耳元で何事か囁いていた。 けれどそれがどうしても、思いだせなくて――――」  初めて出会った その瞬間から 想いは決まっていたのかな? 幸せって言葉の象徴は 疑う余地なく、キミの存在だった  色んなことが変わってしまって 二人離れてしまったけれど まだ変わらないモノも 確かにあるはずだから  出会わなければ なんて 後悔した夜もあった 蒼白の空は遠すぎて いつまでも 届かない気がして  忘れられたら なんて 思い悩む時もあった けれど奥底に包まれた 想いに嘘はつけない...  濡れているのは瞳だけじゃなくて 小粒の白雨は全て洗い落とすように いつからだろう 降りつづけてた  「二人の思い出を消し去ろう。 あたしという存在に囚われることなどなく、 全て忘れて幸せに生きられるように。 二人はここで別れ、もう二度と出会うことはない」  「囁かれたのは、そんな悲しい魔法。 魔女と下僕は倒れ伏す少年を置き、静かにその場を後にした」  ぼやけた思考は 痛み残し  鮮明に切り開かれた 蒼ざめた魔女の優しい魔法は かかることはなく、言葉だけが残された  たとえば、誰もが幸せになれる 結末なんて望めなくても キミの心だけが ねぇ、泣いて終わるなんて...  昔みたいに なんて 簡単には言えないけれど 蒼白のキミに伝えたい いつまでも 忘れたりしないって  白雨に霞む 空が ただ切なく思えるのは 寂しい風景その下の どこかにキミがいるから...  「ありがとうなんて感情が、まだあたしにもあったんだ。 でも、これで本当のさよならにしよう……?ね」  傷つき 傷つけ 遠ざけて なぜ... ? シスフェリア 誓った未来は今でも 褪せることはなく この胸にあるよ...  「少年にかけられた小さな魔法。 シスフェリアとの思い出が消えてしまうこと。 幸せに生きられるように、ということ。 その二つの魔法は相反し、 少年の中で両立することは不可能だった。 彼女との記憶を忘れてしまうことは、 少年にとって何一つ幸せなんかじゃなくて。 魔法はその想いの強さに掻き消され、無効化されていた。 少年は、再び旅路をゆく。 次会えたときは、今度は自分から再会の口づけをするのだと、 心に誓って……」  「蒼白の果て。 それがどんなに遠くても、いつかきっと――――」
双生プロヴィデンス「名前を知れない、小さな村。 村人たちは神を深く信仰し、慎ましく暮らしていた。 そこに、一際敬虔な夫婦がいたという。 皆から愛され、穏やかに、平穏に。小さな幸せと共に」  「彼らには、たったひとつだけ不幸があった。 夫婦は長らく、子を授かる事ができなかった」  「妻は祈る」「夫も祈る」  「神より、新たな命を授かるべく。 そうして、漸く。村の誰もが二人を祝福する----はずだった」  もしも罪悪に重さがあるのなら 生を授かって 小さな身にかかる負荷に惑う  重なった産声は過ちを悔いてか 神に赦されぬ双子という宿業 禁忌の子ら 呪いの子ら  十字架の重さ分け合って 背負い生きていく きっと二人なら でも 永遠(とわ)に降ろすことはできないのですか? MyGod...  「やっと授かった神の贈り物にあるまじき形態。 それでもと夫婦は必死に懇願する。 二人がこの村に----この世界に受け容れられるようにと」  異物 怪物と後ろ指さされた 全てが平等 されど敬虔さだけが不揃い ----神との距離  普通なら さして難しくないはずの願い 小さく儚い ねぇ、叶うのなら 二人だけで生きる希望を あぁ リディア リフルにも 孤独の闇に囚われぬように 神の御慈悲が降り注ぐように 想いは背負う罪より重くなっていた  「今日もまた、姉のリディアはリフルに神の存在を説く」  「いい、リフル?神様はいるのです。あなたもそれを信じなさい。 そうすれば、あなたも皆に嫌われずに、寂しい思いをせずにすむの」  「頷きながらも、リフルは控えめに言葉を紡ぐ」  「……実はね。私、いつかこの村を出ようと思う。 それで……その時は、リディアも、一緒に。 ねぇ、来てくれるかな……?」  二人で 生きていくことができるなら ねぇ、明日(あす)の事さえわからないけど たったひとつの約束に 無数の願い 想いを託して 共に生きていこうと 手のひらを重ねた  あらゆる権利を持てず けれどきっと二人にも どうか救いを でも... 夢を抱く権利くらいは与えられて---- そうでしょう? ねぇ、ねぇ... 小さな望み----  「妹からのおもいがけない誘いの言葉。 それにはっきりとは答えずに、 それでも姉は包み込むように優しく……約束をした」  「……リフル、大丈夫。いつまでも……ずっと、一緒よ。」少女病少女病ピクセルビーピクセルビー「名前を知れない、小さな村。 村人たちは神を深く信仰し、慎ましく暮らしていた。 そこに、一際敬虔な夫婦がいたという。 皆から愛され、穏やかに、平穏に。小さな幸せと共に」  「彼らには、たったひとつだけ不幸があった。 夫婦は長らく、子を授かる事ができなかった」  「妻は祈る」「夫も祈る」  「神より、新たな命を授かるべく。 そうして、漸く。村の誰もが二人を祝福する----はずだった」  もしも罪悪に重さがあるのなら 生を授かって 小さな身にかかる負荷に惑う  重なった産声は過ちを悔いてか 神に赦されぬ双子という宿業 禁忌の子ら 呪いの子ら  十字架の重さ分け合って 背負い生きていく きっと二人なら でも 永遠(とわ)に降ろすことはできないのですか? MyGod...  「やっと授かった神の贈り物にあるまじき形態。 それでもと夫婦は必死に懇願する。 二人がこの村に----この世界に受け容れられるようにと」  異物 怪物と後ろ指さされた 全てが平等 されど敬虔さだけが不揃い ----神との距離  普通なら さして難しくないはずの願い 小さく儚い ねぇ、叶うのなら 二人だけで生きる希望を あぁ リディア リフルにも 孤独の闇に囚われぬように 神の御慈悲が降り注ぐように 想いは背負う罪より重くなっていた  「今日もまた、姉のリディアはリフルに神の存在を説く」  「いい、リフル?神様はいるのです。あなたもそれを信じなさい。 そうすれば、あなたも皆に嫌われずに、寂しい思いをせずにすむの」  「頷きながらも、リフルは控えめに言葉を紡ぐ」  「……実はね。私、いつかこの村を出ようと思う。 それで……その時は、リディアも、一緒に。 ねぇ、来てくれるかな……?」  二人で 生きていくことができるなら ねぇ、明日(あす)の事さえわからないけど たったひとつの約束に 無数の願い 想いを託して 共に生きていこうと 手のひらを重ねた  あらゆる権利を持てず けれどきっと二人にも どうか救いを でも... 夢を抱く権利くらいは与えられて---- そうでしょう? ねぇ、ねぇ... 小さな望み----  「妹からのおもいがけない誘いの言葉。 それにはっきりとは答えずに、 それでも姉は包み込むように優しく……約束をした」  「……リフル、大丈夫。いつまでも……ずっと、一緒よ。」
天巡:終わりにしてその始まり許されない 命がある そう 世界が存在を拒むなら  天の巡(めぐり)に 抗ってでも 生きていこうと誓いながら 二人だけ 在るように  「ある日、リフルは病に倒れる。 村で孤立していた彼女に手を差し伸べる者は----」  味方など 何処にも居ない  呪われている その命の全ては穢れ  命の重さに 差などない筈なのに  医者でさえその命を 護ろうとはしない  私独りにできることなんて---- 震える両の手をただ胸で組み合わせて あなたに乞うばかり  天よ聞け 慈悲があるなら 呪いなど知らない この子の命に 庇護のあるようにと  天よ聞け 信じた全て あの子の分までさえ 私がどうか背負いますからと  虚空に消える 儚い祈り それでも今日も跪く少女は健気に  次第に募る 疑念が薄黒く  神というまやかしだけ それでも変えられない  弱弱しくも笑うその顔に 今日も笑いかける 世界が害さぬよう 護ってあげたい  天よ聞け 祈りよ届け 吹いて飛ぶような命 それでもけして消させなどしないと  天よ聞け ただ一心に 何のための命か ここで消える運命になどないと  「何の役にも立たない祈り。 人一人さえ救うことのできぬ神--リディアは力なく頭を垂れる」  「ありがとう、でももういいんだよ。 ……私はね、最初から産まれてこなければよかったんだよ」  「そんなはず……無い。そんなこと、あっていいはずが無い。 これが全部神の悪戯だなんて。そんなの、絶対認めない」  「リディア。傍にいてくれて、ありがとう----」  許されない 命がある そう 世界が存在を拒むなら  私こそが 世界だったなら この子を許すことができただろうか  天よ聞け 無価値な祈り 唾棄すべき幻想 こんな世界は決して認めないと  人よ聞け 無窮の誓い 永久に傍にいるため この命さえ手放すその刹那  言葉にならぬ 雷鳴にも似た 不可視なる衝撃  声が聞こえる 語りかけるは 「お前こそ そう、相応しい」  「それは祝福か、あるいは呪いなのか。 少女(リディア)から広がり、立ち上りゆく無数の影。 そしてその影はやがて全てを呑み込み始める。 ----それこそが、新たなる魔女の誕生の瞬間だった」少女病RD-Soundsピクセルビーピクセルビー許されない 命がある そう 世界が存在を拒むなら  天の巡(めぐり)に 抗ってでも 生きていこうと誓いながら 二人だけ 在るように  「ある日、リフルは病に倒れる。 村で孤立していた彼女に手を差し伸べる者は----」  味方など 何処にも居ない  呪われている その命の全ては穢れ  命の重さに 差などない筈なのに  医者でさえその命を 護ろうとはしない  私独りにできることなんて---- 震える両の手をただ胸で組み合わせて あなたに乞うばかり  天よ聞け 慈悲があるなら 呪いなど知らない この子の命に 庇護のあるようにと  天よ聞け 信じた全て あの子の分までさえ 私がどうか背負いますからと  虚空に消える 儚い祈り それでも今日も跪く少女は健気に  次第に募る 疑念が薄黒く  神というまやかしだけ それでも変えられない  弱弱しくも笑うその顔に 今日も笑いかける 世界が害さぬよう 護ってあげたい  天よ聞け 祈りよ届け 吹いて飛ぶような命 それでもけして消させなどしないと  天よ聞け ただ一心に 何のための命か ここで消える運命になどないと  「何の役にも立たない祈り。 人一人さえ救うことのできぬ神--リディアは力なく頭を垂れる」  「ありがとう、でももういいんだよ。 ……私はね、最初から産まれてこなければよかったんだよ」  「そんなはず……無い。そんなこと、あっていいはずが無い。 これが全部神の悪戯だなんて。そんなの、絶対認めない」  「リディア。傍にいてくれて、ありがとう----」  許されない 命がある そう 世界が存在を拒むなら  私こそが 世界だったなら この子を許すことができただろうか  天よ聞け 無価値な祈り 唾棄すべき幻想 こんな世界は決して認めないと  人よ聞け 無窮の誓い 永久に傍にいるため この命さえ手放すその刹那  言葉にならぬ 雷鳴にも似た 不可視なる衝撃  声が聞こえる 語りかけるは 「お前こそ そう、相応しい」  「それは祝福か、あるいは呪いなのか。 少女(リディア)から広がり、立ち上りゆく無数の影。 そしてその影はやがて全てを呑み込み始める。 ----それこそが、新たなる魔女の誕生の瞬間だった」
偽物の夜に誓え反逆者万雷の死が暗澹と 降り注ぐ不夜城を 背にして二人は 走る――――  「魔女に囲われていた一人の少年と一人の少女は、 監視の目を縫うようにして脱出に成功する。 共に囚われている者達を見捨てるような形で。 けれど、いつか必ず助けられる機が訪れると信じて……」  「振り返るな、足を前に運べ!」  「わ、わかってるっ」  気付いた時には 形振り構わず不意に駆け出していた 折れていると思った心をまた 奮いたたせてくれた 一人じゃない...互いの存在  二人が逃げれば 残された者の処遇にどんな酷い 影響を及ぼしてしまうだろう? 想像をすることさえも怖く 必死に思考押し殺した――――  月明かり その色彩は偽者の夜だけを染め上げて 諦観めいた囀りを 最果てに照らしだす 無垢なる残骸を憂い...  幾夜を徹して 街へ戻っても帰る場所なんてなく 家族はもうどこにもいないのだと わかりきった事実を 突きつけられ...言葉を失う  旧知の誰かに 見つかることさえ許されないと知った 魔女の元へ連れ戻されてしまう ゆっくりと眠ることさえできず... 自由は虚空に掻き消え――――  ah...遠く離れた 異国にまで逃げる路銀もない二人 この地から離れたとして 安寧の瞬間など訪れない  身体に焼きつけられた 永遠に足枷となる消えない烙印 その烙印を見咎められれば すぐに魔女に引き渡されるだろう  立ち上がれ 未だ囚われ救いを待ち続ける友のため その意思だけは失くさない この傷に誓うんだ 夜天を睨んで 月明かり その色彩は偽物の夜だけを染め上げて 諦観めいた囀りを 最果てに照らしだす 無垢なる残骸を憂い...  「ね、顔色が悪いよ?」  「キミこそ真っ青だ。けど、いつまでも怖がってばかりもいられない」  「もう、わかってるっての!」  「仲間を助けると誓った確かな決意。 これを一夜限りの自由になんてしないと、二人は中空を睨んで……」  「一瞬でした決意など、一瞬で消えてしまうものだ――――」少女病少女病RD-SoundsRD-Sounds万雷の死が暗澹と 降り注ぐ不夜城を 背にして二人は 走る――――  「魔女に囲われていた一人の少年と一人の少女は、 監視の目を縫うようにして脱出に成功する。 共に囚われている者達を見捨てるような形で。 けれど、いつか必ず助けられる機が訪れると信じて……」  「振り返るな、足を前に運べ!」  「わ、わかってるっ」  気付いた時には 形振り構わず不意に駆け出していた 折れていると思った心をまた 奮いたたせてくれた 一人じゃない...互いの存在  二人が逃げれば 残された者の処遇にどんな酷い 影響を及ぼしてしまうだろう? 想像をすることさえも怖く 必死に思考押し殺した――――  月明かり その色彩は偽者の夜だけを染め上げて 諦観めいた囀りを 最果てに照らしだす 無垢なる残骸を憂い...  幾夜を徹して 街へ戻っても帰る場所なんてなく 家族はもうどこにもいないのだと わかりきった事実を 突きつけられ...言葉を失う  旧知の誰かに 見つかることさえ許されないと知った 魔女の元へ連れ戻されてしまう ゆっくりと眠ることさえできず... 自由は虚空に掻き消え――――  ah...遠く離れた 異国にまで逃げる路銀もない二人 この地から離れたとして 安寧の瞬間など訪れない  身体に焼きつけられた 永遠に足枷となる消えない烙印 その烙印を見咎められれば すぐに魔女に引き渡されるだろう  立ち上がれ 未だ囚われ救いを待ち続ける友のため その意思だけは失くさない この傷に誓うんだ 夜天を睨んで 月明かり その色彩は偽物の夜だけを染め上げて 諦観めいた囀りを 最果てに照らしだす 無垢なる残骸を憂い...  「ね、顔色が悪いよ?」  「キミこそ真っ青だ。けど、いつまでも怖がってばかりもいられない」  「もう、わかってるっての!」  「仲間を助けると誓った確かな決意。 これを一夜限りの自由になんてしないと、二人は中空を睨んで……」  「一瞬でした決意など、一瞬で消えてしまうものだ――――」
灰色のトランジェント「国が管理する孤児院で生活する少女。 年上の孤児たちは一人、また一人と順番に貰われていく。 笑顔で新しい家族に迎え入れられる彼らに、羨望の眼差しを向けて……」  「きっと、生まれ変わるみたいに何もかもが変わるんだ」  「次は、彼女の番――――」  誕生日には 枢機卿【Cardinal】様の 娘として引き取られることになった でも喜べない 彼の舐るような視線に不安が募る  悩みを月に吐露した その夜に意図せず立ち聞きしてしまう 「あの方々の趣味も困ったものだわ……」  「記憶も瞳も 手足でさえも 全て別の子供のものを組み合わせることで、理想の娘を造る。 養子でも、まだ幼い恋人でもある愛玩人形。 人を人として見ない、偽りの博愛主義者……!」  「猊下は、あの子の美しい瞳が欲しいそうなの」  「その瞳からは、綺麗な粒の涙が静かに流れて――――」  この瞳だけ欲しいというなら いっそ自分で潰してしまいたい けれどそんな怒りも どこか空虚なまま諦観に沈んでゆく  先に引き取られていった この孤児院の義姉達は生きているの? 幸せになっていると思ってたのに――――  長い夢をみた 蒼白の夢 永遠と紛うような深くて優しい夢を 揺すられて目を覚ましたら 孤児院の教師達は残らず死体になっていた  「あのね、魔女がみんな壊していっちゃった……。 こわかったよぅ……」  「枢機卿【Cardinal】も殺されたらしい、と義妹が泣く」  「どうして……?まさか、私達のため……?」  用は済んだ、と この孤児院から立ち去ろうとしている魔女を追って跪く 「何かしら。あなたも死にたい?」 その問いに無言のまま ただ首を強く振った 楽しげに興味深げに 微笑んだ 蒼白の魔女は試すように囁く  「そう。なら、ついてきなさい。戻らぬ覚悟があるなら……」  「少女は過去を想い返しながら、返り血に濡れた髪をみる」  「確かに、あの日一度生まれ変わったのかもしれない」  「感傷を捨てて、魔女の傍らに跪く。 それだけが小女の――――シルエラの、存在理由だと言うように」少女病少女病RD-SoundsRD-Sounds「国が管理する孤児院で生活する少女。 年上の孤児たちは一人、また一人と順番に貰われていく。 笑顔で新しい家族に迎え入れられる彼らに、羨望の眼差しを向けて……」  「きっと、生まれ変わるみたいに何もかもが変わるんだ」  「次は、彼女の番――――」  誕生日には 枢機卿【Cardinal】様の 娘として引き取られることになった でも喜べない 彼の舐るような視線に不安が募る  悩みを月に吐露した その夜に意図せず立ち聞きしてしまう 「あの方々の趣味も困ったものだわ……」  「記憶も瞳も 手足でさえも 全て別の子供のものを組み合わせることで、理想の娘を造る。 養子でも、まだ幼い恋人でもある愛玩人形。 人を人として見ない、偽りの博愛主義者……!」  「猊下は、あの子の美しい瞳が欲しいそうなの」  「その瞳からは、綺麗な粒の涙が静かに流れて――――」  この瞳だけ欲しいというなら いっそ自分で潰してしまいたい けれどそんな怒りも どこか空虚なまま諦観に沈んでゆく  先に引き取られていった この孤児院の義姉達は生きているの? 幸せになっていると思ってたのに――――  長い夢をみた 蒼白の夢 永遠と紛うような深くて優しい夢を 揺すられて目を覚ましたら 孤児院の教師達は残らず死体になっていた  「あのね、魔女がみんな壊していっちゃった……。 こわかったよぅ……」  「枢機卿【Cardinal】も殺されたらしい、と義妹が泣く」  「どうして……?まさか、私達のため……?」  用は済んだ、と この孤児院から立ち去ろうとしている魔女を追って跪く 「何かしら。あなたも死にたい?」 その問いに無言のまま ただ首を強く振った 楽しげに興味深げに 微笑んだ 蒼白の魔女は試すように囁く  「そう。なら、ついてきなさい。戻らぬ覚悟があるなら……」  「少女は過去を想い返しながら、返り血に濡れた髪をみる」  「確かに、あの日一度生まれ変わったのかもしれない」  「感傷を捨てて、魔女の傍らに跪く。 それだけが小女の――――シルエラの、存在理由だと言うように」
聖華の双子が祈るのは「美しい双子の少女、ディーとウィー。 優しい父と母、四人での幸せな生活。 何不自由なく暮らしていた双子は、 幸せな日常に忍び寄る影に……気付くこともなく」  「不穏な種は静かに芽吹き、 いつしか取り返しのつかない悪夢と化して。 嵩んだ借金の果ての一家解散。双子は離れ離れに…… 別々の家へと引き取られていった」  何を違えたのか その問いに解はなくて 今はただ、冷たさに耐えるだけ 『聖華(はな)の双子だね』と云われては微笑みあう 幸せな時間(とき)はもう過去の中  帰る家もなく 食べるものもなく やがて離れ離れになった  『いつか、我が家(うち)に帰ろう 三年先の聖夜(きょう)に必ず迎えにくるからね』と 父と母が残したのは 離別(さいご)の口づけ(キス)だけ  「それぞれに引き取られた新しい家で、 安寧を得ることは叶わなかった。 ウィーは義理の姉達から陰湿な虐めを受け、 ディーは過酷な労働を強いられて」  何も望むものはないほどに恵まれてた 水仕事で擦り切れた手を見て 其れは奇跡の上 成り立っていたと知った 幸せな日常(とき)はいつ変わったの?  父は酒に酔い 母は泣いていた いつの間にかそうなっていた  『いつかまた逢おうね』と 三年先に希望(のぞみ)託した 『どんな顔で会おうか』 鏡の前 痩せた頬で笑顔をつくった  「そして、三年の月日が経ち、約束の日が訪れる。 両親が迎えに来てくれることを、 そして片割れに会えることを信じ、 遠く離れた地で苦しい日々を生き抜いてきた」  「粉雪の降る聖夜。ディーとウィーは、 それぞれの家で逸(はや)る気持ちをおさえきれずにいた」  「「これでやっと、本当の家に帰れるんだ……!」」  やっと【逢える】 約束の【焦がれてた】 聖夜(ひ)がやってきたよ【遠い】 迎えにくる父を【母の影を】 待ち続けた...  白雪(ゆき)が世界を染めて 心も白く凍らせていく 箱庭(いえ)を抜け出し駆ける 其処にきっとワタシたちの 本当の家(いえ)があるはずだから  予想していた現実 夢想の残滓 絶望の前 双子は会い見(まみ)えた 「誰か...どうか...幻想(ゆめ)を見せて... 虚構(うそ)でもいいから−−−」  「両親は迎えにこなかった。あると信じて焦がれていた家は、 もうどこにもなかった。 双子は互いの温もりだけを支えに、涙を流す。 すると突然目の前に、カラスを連れた少女が現れて言った」  「あなたたちが、大好きな家族と ずっと一緒にいられる場所へ連れていってあげる。 けれど、これは甘い毒。 『永遠の幸福』が怖くないのなら、このリンゴを受け取りなさい」少女病Mitsukiピクセルビーピクセルビー「美しい双子の少女、ディーとウィー。 優しい父と母、四人での幸せな生活。 何不自由なく暮らしていた双子は、 幸せな日常に忍び寄る影に……気付くこともなく」  「不穏な種は静かに芽吹き、 いつしか取り返しのつかない悪夢と化して。 嵩んだ借金の果ての一家解散。双子は離れ離れに…… 別々の家へと引き取られていった」  何を違えたのか その問いに解はなくて 今はただ、冷たさに耐えるだけ 『聖華(はな)の双子だね』と云われては微笑みあう 幸せな時間(とき)はもう過去の中  帰る家もなく 食べるものもなく やがて離れ離れになった  『いつか、我が家(うち)に帰ろう 三年先の聖夜(きょう)に必ず迎えにくるからね』と 父と母が残したのは 離別(さいご)の口づけ(キス)だけ  「それぞれに引き取られた新しい家で、 安寧を得ることは叶わなかった。 ウィーは義理の姉達から陰湿な虐めを受け、 ディーは過酷な労働を強いられて」  何も望むものはないほどに恵まれてた 水仕事で擦り切れた手を見て 其れは奇跡の上 成り立っていたと知った 幸せな日常(とき)はいつ変わったの?  父は酒に酔い 母は泣いていた いつの間にかそうなっていた  『いつかまた逢おうね』と 三年先に希望(のぞみ)託した 『どんな顔で会おうか』 鏡の前 痩せた頬で笑顔をつくった  「そして、三年の月日が経ち、約束の日が訪れる。 両親が迎えに来てくれることを、 そして片割れに会えることを信じ、 遠く離れた地で苦しい日々を生き抜いてきた」  「粉雪の降る聖夜。ディーとウィーは、 それぞれの家で逸(はや)る気持ちをおさえきれずにいた」  「「これでやっと、本当の家に帰れるんだ……!」」  やっと【逢える】 約束の【焦がれてた】 聖夜(ひ)がやってきたよ【遠い】 迎えにくる父を【母の影を】 待ち続けた...  白雪(ゆき)が世界を染めて 心も白く凍らせていく 箱庭(いえ)を抜け出し駆ける 其処にきっとワタシたちの 本当の家(いえ)があるはずだから  予想していた現実 夢想の残滓 絶望の前 双子は会い見(まみ)えた 「誰か...どうか...幻想(ゆめ)を見せて... 虚構(うそ)でもいいから−−−」  「両親は迎えにこなかった。あると信じて焦がれていた家は、 もうどこにもなかった。 双子は互いの温もりだけを支えに、涙を流す。 すると突然目の前に、カラスを連れた少女が現れて言った」  「あなたたちが、大好きな家族と ずっと一緒にいられる場所へ連れていってあげる。 けれど、これは甘い毒。 『永遠の幸福』が怖くないのなら、このリンゴを受け取りなさい」
不完全犯罪依存症凶報 大恐慌 さぁ狂想 震えよセカイ この場で 定められた 指針こそが 法となって  それが どんな 矛盾に満ちた 裁定で 落涙 落命 何が起ころうと抗えない  「遅れている第4の魔女リフリディア、 そして第5の魔女の着席を待たずして。 セカイの行く末が今ここで決定付けられるとまで言われる、 五魔女会議の幕が上がる」  瓦解の 潜む夜に 星が堕ちる 空を抱く 狂気を 濫用して 神降ろしの 機は逸した  帝政? 王政? そんな飾りは 意味為さず ここに 集う “絶望”が真の最深淵  最終章に至る 余白を消し去れ 安息だと 成り済ました 歪(ひずみ)を 再始動へ集え 美しき胎動よ 歓迎しようか 新たな魔女を  「最も美しく、且つ最も醜悪と歌われる第3の魔女、メリクルベル。 彼女は新参の若き魔女を挑発するように、その姿をねめつけた」  「なぜ? まだ人を 捨てきれていないような 不幸ぶった娘がah ここにいるの? ねえ、笑えない。 選んだ神は盲目?」 牽制の暴言に 耐え 若き魔女は 冷静 沈着 抱えてた疑問投げかけた 功も 罪(ざい)も ない日々への扱いを  鈍感とは劣等 報復の刃 裁きとなり 突き刺さるその前に 「命の灯(ともしび)を どれだけ消したとして 決して満たされない。わかっているでしょう?」  「自らもその手を薄汚く穢しているのにも関わらず 綺麗ごとを口にする新参の魔女シスフェリアに、 メリクルベルが刹那的に攻撃の手を向ける。アイリーンが制し、 魔女同士の殺し合いは禁忌だと囁いた」  撒き散らされた殺意は それだけで地表を揺らす 激情 劇場 観客は誰? 幕開けだ 物語<<ストーリア>> 不完全犯罪依存の 密教徒はその身を投げて叫ぶ 「救いを……!救いを……!」 世界像を 描(えが)き変える物語<<ストーリア>>  「ふふっ、ようこそ、暗色しかないセカイへ。歓迎するわ。こちら側は、 どこまでも深くて暗いわよ……?ふっ、あははははっ……!」  自覚 症状のある 破損は 致命傷 修復は不可能……?  撒き散らされた殺意は それだけで地表を揺らす 激情 劇場 観客は誰? 幕開けだ 物語<<ストーリア>> 不完全犯罪依存の 密教徒はその身を投げて叫ぶ 「救いを……!救いを……!」 世界像を 描(えが)き変える物語<<ストーリア>>  「黒い花の咲き乱れる、深く仄暗い森。その奥に佇む虚飾の楽園。 真白国で紡がれる、第三の魔女の物語」  「私が与えるのは、劣化のない……永遠」少女病少女病ピクセルビーピクセルビー凶報 大恐慌 さぁ狂想 震えよセカイ この場で 定められた 指針こそが 法となって  それが どんな 矛盾に満ちた 裁定で 落涙 落命 何が起ころうと抗えない  「遅れている第4の魔女リフリディア、 そして第5の魔女の着席を待たずして。 セカイの行く末が今ここで決定付けられるとまで言われる、 五魔女会議の幕が上がる」  瓦解の 潜む夜に 星が堕ちる 空を抱く 狂気を 濫用して 神降ろしの 機は逸した  帝政? 王政? そんな飾りは 意味為さず ここに 集う “絶望”が真の最深淵  最終章に至る 余白を消し去れ 安息だと 成り済ました 歪(ひずみ)を 再始動へ集え 美しき胎動よ 歓迎しようか 新たな魔女を  「最も美しく、且つ最も醜悪と歌われる第3の魔女、メリクルベル。 彼女は新参の若き魔女を挑発するように、その姿をねめつけた」  「なぜ? まだ人を 捨てきれていないような 不幸ぶった娘がah ここにいるの? ねえ、笑えない。 選んだ神は盲目?」 牽制の暴言に 耐え 若き魔女は 冷静 沈着 抱えてた疑問投げかけた 功も 罪(ざい)も ない日々への扱いを  鈍感とは劣等 報復の刃 裁きとなり 突き刺さるその前に 「命の灯(ともしび)を どれだけ消したとして 決して満たされない。わかっているでしょう?」  「自らもその手を薄汚く穢しているのにも関わらず 綺麗ごとを口にする新参の魔女シスフェリアに、 メリクルベルが刹那的に攻撃の手を向ける。アイリーンが制し、 魔女同士の殺し合いは禁忌だと囁いた」  撒き散らされた殺意は それだけで地表を揺らす 激情 劇場 観客は誰? 幕開けだ 物語<<ストーリア>> 不完全犯罪依存の 密教徒はその身を投げて叫ぶ 「救いを……!救いを……!」 世界像を 描(えが)き変える物語<<ストーリア>>  「ふふっ、ようこそ、暗色しかないセカイへ。歓迎するわ。こちら側は、 どこまでも深くて暗いわよ……?ふっ、あははははっ……!」  自覚 症状のある 破損は 致命傷 修復は不可能……?  撒き散らされた殺意は それだけで地表を揺らす 激情 劇場 観客は誰? 幕開けだ 物語<<ストーリア>> 不完全犯罪依存の 密教徒はその身を投げて叫ぶ 「救いを……!救いを……!」 世界像を 描(えが)き変える物語<<ストーリア>>  「黒い花の咲き乱れる、深く仄暗い森。その奥に佇む虚飾の楽園。 真白国で紡がれる、第三の魔女の物語」  「私が与えるのは、劣化のない……永遠」
Primary period「泣き虫で甘えん坊な少女、ロシェル。 貧しくも母と子、慎ましく暮らしていた。 当たり前だと思っていた幸せな境遇。 それが突然消え去るなど、想像もしなかった」  退屈な平和が奇跡であることを 母に守られていたことを肌で感じた 変わらないものなどありはしないのだと 変わってから気付いたって もう変えられない  遠い町まで一人きり 心が竦む それでも行かなければ……きっと後悔が待ってるから  助けて 誰か聴いて 孤独に揺らぐ声 無数の視線 無意識の棘が貫く 好奇の目に晒され 耳に届く嘲笑 それでも両足(あし)を前へと動かし続けた  新たに芽吹く 僅かな勇気は 幼い心を燃やし続けて  「一晩中駆け回り、どうにか薬を手に入れて、家へと続く道を辿る。 心臓が張り裂けそうに苦しくなっても、 歯を食いしばって涙をぬぐい、ロシェルは走り続けた」  どんなに怖くても 決して諦めない 守られていた温かさを憶えてるから その灯火だけは絶やしてはいけない 何度も転び血が滲んでも立ち上がり、駆けた  帰り着いた家は暗く 伽藍の夜陰 彼女を迎えた絶望は 冷たい墓標の下  どうして 返事をして 虚空へ鎔(と)けた悲鳴(こえ) もう大丈夫 一人でも泣いたりしない 次はわたしがママを助ける番なんだ もう大丈夫……だから、ねぇ…… 目を開けて抱きしめてほしい  「もう甘えたりなんかしない。ワガママだって言わない。 だから……だから、ずっと傍にいてよぅ……」  戻って 打ち破って こんな現実なんて望んでいない 欲しくもない 求めてないよ 無意識に壊れゆく小さな輝きは 夢想 妄想 幻想の先の理想へ  仮初でいい だれでもいいから 幸せな夢を見せて お願い  「ああ、可哀相に。よく頑張ったわね。 これからは強くなることなど忘れて、か弱いままでいていいの。 だって、幸せなあの日に戻れるのだから。 さぁ、ついていらっしゃい」少女病Mitsukiピクセルビーピクセルビー「泣き虫で甘えん坊な少女、ロシェル。 貧しくも母と子、慎ましく暮らしていた。 当たり前だと思っていた幸せな境遇。 それが突然消え去るなど、想像もしなかった」  退屈な平和が奇跡であることを 母に守られていたことを肌で感じた 変わらないものなどありはしないのだと 変わってから気付いたって もう変えられない  遠い町まで一人きり 心が竦む それでも行かなければ……きっと後悔が待ってるから  助けて 誰か聴いて 孤独に揺らぐ声 無数の視線 無意識の棘が貫く 好奇の目に晒され 耳に届く嘲笑 それでも両足(あし)を前へと動かし続けた  新たに芽吹く 僅かな勇気は 幼い心を燃やし続けて  「一晩中駆け回り、どうにか薬を手に入れて、家へと続く道を辿る。 心臓が張り裂けそうに苦しくなっても、 歯を食いしばって涙をぬぐい、ロシェルは走り続けた」  どんなに怖くても 決して諦めない 守られていた温かさを憶えてるから その灯火だけは絶やしてはいけない 何度も転び血が滲んでも立ち上がり、駆けた  帰り着いた家は暗く 伽藍の夜陰 彼女を迎えた絶望は 冷たい墓標の下  どうして 返事をして 虚空へ鎔(と)けた悲鳴(こえ) もう大丈夫 一人でも泣いたりしない 次はわたしがママを助ける番なんだ もう大丈夫……だから、ねぇ…… 目を開けて抱きしめてほしい  「もう甘えたりなんかしない。ワガママだって言わない。 だから……だから、ずっと傍にいてよぅ……」  戻って 打ち破って こんな現実なんて望んでいない 欲しくもない 求めてないよ 無意識に壊れゆく小さな輝きは 夢想 妄想 幻想の先の理想へ  仮初でいい だれでもいいから 幸せな夢を見せて お願い  「ああ、可哀相に。よく頑張ったわね。 これからは強くなることなど忘れて、か弱いままでいていいの。 だって、幸せなあの日に戻れるのだから。 さぁ、ついていらっしゃい」
真白国へようこそ「正直、驚いた。 魔女の僕、メイメイに手を引かれ、深く暗い森を歩き続けた。 一歩進む度に現実から離れていくような錯覚に襲われて、 現実と幻想の境界がわからなくなってきた頃、突然に視界が開けた。 そこに隠されるように広がっていたのは、陰鬱な光景ではなく、 思いもよらないほどに美しい景色で……」  花々(はな)は色付き舞い踊って 鳥達(とり)は祝福を謳って まるで、地上の楽園であるかのよう  わたしを迎えて微笑む(わらう)乙女達は皆 何の毒も感じない 暗い森の奥見えたものは……絶望じゃなくて。  『ようこそ、新入りさん。あなたの名前は? いいえ、やっぱり言わないで。 だって此処は、誰もが幸せになれるところ。  あなたを蝕んだ不幸は忘れて。 いいえ、思い出さなくていい。 もう誰もあなたを傷つけない。そして、幸せになるのよ。』  『此処には、美しい五人の乙女達が住んでいる。 けれど不思議なことに誰も、 メリクルベルに負の感情を向けてはいなかった」  花々(はな)も恥じらう乙女たちに 鳥達(とり)も歌を忘れるほど 此処はほんとに、魔女のセカイなのかしら?  わたしを迎えた魔女はおだやかに笑んだ。 雪のように白い肌 薔薇のような唇は甘い……毒を忍ばせて。  「ようこそ、新入りさん。ずっと待ってたわ。 そうよ、七番目の乙女。 恐れないで、不幸せは捨ててしまいなさい。  美しさは決して穢してはならない。 永久に穢させはしないわ。 いつまでもいつまでも、私と共にいよう。」  −−−ダメだ、声を聴いたら囚われる −−−やめて、中へ入ってこないでよ −−−ダメだ、深く身体を蔦が這うように −−−絡めとられてしまう……  此処は真白国(ましろのくに) 幸せが包む 薔薇の香りは芳しく 何もかもを幸せで塗り替え、忘れていく  『さぁ、怖がらないで。この手をとりなさい。 甘いお菓子を食べましょう。 真白の姿、美しいまま此処で……死んでいきましょうね。』  「フィーナ、いらっしゃい。ふふっ、いいコね」  「フィーナは迷うことなく魔女の手をとり、 その手に誓いの口づけをした。 私は抵抗して後ずさったけれどその瞬間、 頭に鈍い痛みが走った。メイメイは諭すように言う」  「あなたもすぐに、同じようになれるから……ね」少女病Mitsukiピクセルビーピクセルビー「正直、驚いた。 魔女の僕、メイメイに手を引かれ、深く暗い森を歩き続けた。 一歩進む度に現実から離れていくような錯覚に襲われて、 現実と幻想の境界がわからなくなってきた頃、突然に視界が開けた。 そこに隠されるように広がっていたのは、陰鬱な光景ではなく、 思いもよらないほどに美しい景色で……」  花々(はな)は色付き舞い踊って 鳥達(とり)は祝福を謳って まるで、地上の楽園であるかのよう  わたしを迎えて微笑む(わらう)乙女達は皆 何の毒も感じない 暗い森の奥見えたものは……絶望じゃなくて。  『ようこそ、新入りさん。あなたの名前は? いいえ、やっぱり言わないで。 だって此処は、誰もが幸せになれるところ。  あなたを蝕んだ不幸は忘れて。 いいえ、思い出さなくていい。 もう誰もあなたを傷つけない。そして、幸せになるのよ。』  『此処には、美しい五人の乙女達が住んでいる。 けれど不思議なことに誰も、 メリクルベルに負の感情を向けてはいなかった」  花々(はな)も恥じらう乙女たちに 鳥達(とり)も歌を忘れるほど 此処はほんとに、魔女のセカイなのかしら?  わたしを迎えた魔女はおだやかに笑んだ。 雪のように白い肌 薔薇のような唇は甘い……毒を忍ばせて。  「ようこそ、新入りさん。ずっと待ってたわ。 そうよ、七番目の乙女。 恐れないで、不幸せは捨ててしまいなさい。  美しさは決して穢してはならない。 永久に穢させはしないわ。 いつまでもいつまでも、私と共にいよう。」  −−−ダメだ、声を聴いたら囚われる −−−やめて、中へ入ってこないでよ −−−ダメだ、深く身体を蔦が這うように −−−絡めとられてしまう……  此処は真白国(ましろのくに) 幸せが包む 薔薇の香りは芳しく 何もかもを幸せで塗り替え、忘れていく  『さぁ、怖がらないで。この手をとりなさい。 甘いお菓子を食べましょう。 真白の姿、美しいまま此処で……死んでいきましょうね。』  「フィーナ、いらっしゃい。ふふっ、いいコね」  「フィーナは迷うことなく魔女の手をとり、 その手に誓いの口づけをした。 私は抵抗して後ずさったけれどその瞬間、 頭に鈍い痛みが走った。メイメイは諭すように言う」  「あなたもすぐに、同じようになれるから……ね」
未完幻想トロイメライ「魔女に双子の兄を連れ去られ、 その時の恐怖から声帯をも奪われた少女。 声の出せなくなった彼女を目の当たりにした魔女は大いに喜 び、気まぐれに命だけはとらずに生かし続けていた……」  泣き腫らした瞳には 幾度の夜が過ぎ去った現在も あの日が網膜に薄く焼きついてた 家族に守られて 狭く優しいセカイに生きて 頼れる存在を失った少女は  沈黙の中で なけなしの勇気を持って 神にではなく自らに祈る――――  幸せな記憶の詰まった家を 有無を言わさず 厄介払いだと家主に追い出され 眠る場所さえなく 手を差し伸べる者もいなくて 過酷な現実に打ちのめされるけど  「生きてさえいれば、必ず機は訪れる」、と 兄の言葉に想い馳せ涙拭う  仰ぎ視た深緑の夢 今は遠い幻想に消えて もう二度と戻れぬ場所に 追憶を捧ぐ...  『この瞬間もどこかで。ねぇ、心配してるかな?』 自分のことよりも 私の身を案じてる風景が 目に浮かぶようで胸が ah... 絞めつけられて――――  「他に親類もおらず、頼れる者もいない。 そんな少女が一人で簡単に生きていけるほど、 この世界は優しくできてはいない。 ましてや声の出せない彼女には、意志の疎通さえも難しくて……」  故郷を離れ 一人では初めてゆく大きな街へ 不安抱え それでも負けないと決めて どうにか拾われたのは 富豪の家での下働き 屋根の下眠れるだけで 涙が零れた――――  『私、頑張ってるよ。なんとかやれてるよ』 過保護な両親と 私を庇って囚われた兄の笑顔を想い  眠り...仰ぐ深緑の夢 今は遠い幻想に消えて もう二度と戻れぬ場所に 追憶を捧ぐ...  『きっと逢いに行くから。守られてばかりの私だったけれど……』 少女はその唇を噛み締めて 淡い決意に枕を濡らした――――  「ある朝、水を汲みに井戸にいくと、 見たことのない二人が隠れるようにして体を拭っていた。 僅かだけ垣間見えた彼らの素肌には、確かに魔女の烙印があって……」  「ねぇ、見られてるっ!」  「くっ、行くぞっ」  「……っ」  「少女は必死に引き留めようとするものの、声が出ずそれも叶わない。 仕事を放り出し、無心で二人を追いかける。 きっと彼らは兄と一緒に、魔女の城に囚われていた人達に違いないと確信して。 離れ離れになってしまった兄の事が聞けるかもしれないと、 期待に胸を膨らませて……」少女病少女病RD-SoundsRD-Sounds「魔女に双子の兄を連れ去られ、 その時の恐怖から声帯をも奪われた少女。 声の出せなくなった彼女を目の当たりにした魔女は大いに喜 び、気まぐれに命だけはとらずに生かし続けていた……」  泣き腫らした瞳には 幾度の夜が過ぎ去った現在も あの日が網膜に薄く焼きついてた 家族に守られて 狭く優しいセカイに生きて 頼れる存在を失った少女は  沈黙の中で なけなしの勇気を持って 神にではなく自らに祈る――――  幸せな記憶の詰まった家を 有無を言わさず 厄介払いだと家主に追い出され 眠る場所さえなく 手を差し伸べる者もいなくて 過酷な現実に打ちのめされるけど  「生きてさえいれば、必ず機は訪れる」、と 兄の言葉に想い馳せ涙拭う  仰ぎ視た深緑の夢 今は遠い幻想に消えて もう二度と戻れぬ場所に 追憶を捧ぐ...  『この瞬間もどこかで。ねぇ、心配してるかな?』 自分のことよりも 私の身を案じてる風景が 目に浮かぶようで胸が ah... 絞めつけられて――――  「他に親類もおらず、頼れる者もいない。 そんな少女が一人で簡単に生きていけるほど、 この世界は優しくできてはいない。 ましてや声の出せない彼女には、意志の疎通さえも難しくて……」  故郷を離れ 一人では初めてゆく大きな街へ 不安抱え それでも負けないと決めて どうにか拾われたのは 富豪の家での下働き 屋根の下眠れるだけで 涙が零れた――――  『私、頑張ってるよ。なんとかやれてるよ』 過保護な両親と 私を庇って囚われた兄の笑顔を想い  眠り...仰ぐ深緑の夢 今は遠い幻想に消えて もう二度と戻れぬ場所に 追憶を捧ぐ...  『きっと逢いに行くから。守られてばかりの私だったけれど……』 少女はその唇を噛み締めて 淡い決意に枕を濡らした――――  「ある朝、水を汲みに井戸にいくと、 見たことのない二人が隠れるようにして体を拭っていた。 僅かだけ垣間見えた彼らの素肌には、確かに魔女の烙印があって……」  「ねぇ、見られてるっ!」  「くっ、行くぞっ」  「……っ」  「少女は必死に引き留めようとするものの、声が出ずそれも叶わない。 仕事を放り出し、無心で二人を追いかける。 きっと彼らは兄と一緒に、魔女の城に囚われていた人達に違いないと確信して。 離れ離れになってしまった兄の事が聞けるかもしれないと、 期待に胸を膨らませて……」
Mirror Image金糸雀という鳥は 人の為に 自らその翼捧げたなら 二度と羽ばたくこともなく  美しい鳥だという その響きに この心に冠し生きるのには 相応しくない名だと思う  結ばれていたはずの 二人を引き裂いたものに 向けたその殺意(おもい)は決して否定しようもなく  『消してしまえば』 『あいつさえいなければ』 その思いの果てに起こした凶行は 元を正せば 貴女のせいよと 指し示す魔女の手先は ただ薄く笑っているばかり  「何がおかしいの?笑ってないでなんとか言ってみたら!?」  「貴女は何も分かっていない。 損なわれるべきでなかった色。救われた色。 貴女の魂の本当の色というものを。 ……なら、御覧なさい。見せてあげる。 あなたの、もう一つの可能性。」  あの幸せそうな影 私達は 並んで手を取り合い戦っていた かつてあった姿がそこに  そうしてたどり着いた運命の交錯する街【crossline】 可憐で淑やかな「ミリリ」と 貴女は惹かれ合っていく  呟く 私じゃない それは 私だけど そうじゃない 顔を覆って ああ どうして 私は どうして ah…  止められはしない 二人恋に落ちて いつしか戦うことさえ忘れていく 私(カナリア)といえばただ独りぼっちに 自暴自棄になりきれず己を殺して戦い続ける――?  『……シグが幸せなのならそれでいいから』と。 搾り出した言葉とは裏腹に 昏い内なる聲の曰く 『誰かに取られる位なら、いっそ、貴方ごと……』  「そう、聞こえるでしょう? あなたの内に潜むもの。 己の求めるものに純粋に従うその聲が。 美しいカナリア。決して己を犠牲になどしなくていいの。 さあ、その思いを認めなさい。 それこそがあなたを最も美しくするのだから。」  『ただ傍にいたい それさえ叶わないなら 貴方をあのときのまま“永遠”に……』 鎌首を擡げた本当の私が 私に向かって囁く それは歪な鏡像  「カナリアの心を待つミリリは言葉を詰まらせる。 己の内なる欲望の聲。それこそが真実の姿だという。」  「――否定したい。 ――けれど。 ――出来ない。 ――現に、自分はあの女を殺したのだから」  「そんな、だって、私は……」  「……沈黙。それはきっと、何よりも雄弁な回答。」少女病RD-SoundsRD-SoundsRD-Sounds金糸雀という鳥は 人の為に 自らその翼捧げたなら 二度と羽ばたくこともなく  美しい鳥だという その響きに この心に冠し生きるのには 相応しくない名だと思う  結ばれていたはずの 二人を引き裂いたものに 向けたその殺意(おもい)は決して否定しようもなく  『消してしまえば』 『あいつさえいなければ』 その思いの果てに起こした凶行は 元を正せば 貴女のせいよと 指し示す魔女の手先は ただ薄く笑っているばかり  「何がおかしいの?笑ってないでなんとか言ってみたら!?」  「貴女は何も分かっていない。 損なわれるべきでなかった色。救われた色。 貴女の魂の本当の色というものを。 ……なら、御覧なさい。見せてあげる。 あなたの、もう一つの可能性。」  あの幸せそうな影 私達は 並んで手を取り合い戦っていた かつてあった姿がそこに  そうしてたどり着いた運命の交錯する街【crossline】 可憐で淑やかな「ミリリ」と 貴女は惹かれ合っていく  呟く 私じゃない それは 私だけど そうじゃない 顔を覆って ああ どうして 私は どうして ah…  止められはしない 二人恋に落ちて いつしか戦うことさえ忘れていく 私(カナリア)といえばただ独りぼっちに 自暴自棄になりきれず己を殺して戦い続ける――?  『……シグが幸せなのならそれでいいから』と。 搾り出した言葉とは裏腹に 昏い内なる聲の曰く 『誰かに取られる位なら、いっそ、貴方ごと……』  「そう、聞こえるでしょう? あなたの内に潜むもの。 己の求めるものに純粋に従うその聲が。 美しいカナリア。決して己を犠牲になどしなくていいの。 さあ、その思いを認めなさい。 それこそがあなたを最も美しくするのだから。」  『ただ傍にいたい それさえ叶わないなら 貴方をあのときのまま“永遠”に……』 鎌首を擡げた本当の私が 私に向かって囁く それは歪な鏡像  「カナリアの心を待つミリリは言葉を詰まらせる。 己の内なる欲望の聲。それこそが真実の姿だという。」  「――否定したい。 ――けれど。 ――出来ない。 ――現に、自分はあの女を殺したのだから」  「そんな、だって、私は……」  「……沈黙。それはきっと、何よりも雄弁な回答。」
metaphor揺らいだ非対称の軌道 序曲に翳した虹彩 光の終止線は 歪んだまま 可視化された幻想を騙る  幽暗な虚構の深淵に いつか囚われた セカイを撃ち抜け!  Ah...Break up the fake! Stand in the truth! and you will die in your sins. 十字を切れ 不在の神に 覚醒の詩を奏でし声は 冒涜の剣か?  Chain up the pain! Stand up to the sin! Let no one lead you astray. 遮断された キミとの聖譚曲【oratorio】 哀切を月が照らして 碧く輝く明日への前夜【eve】  嘘と理想の狭間に 揺蕩う渇きは致死量 光の終止線を 薙ぎ払って 互いに背を預けあうキミの手を取る  矛盾と虚栄で飾られた 欺瞞に塗れし セカイを斬り裂け!  Ah...Break up the pale! Stand in the Cross! and you will live in your sins. さぁ跪け 架空の神に 革命の時を刻みし秒針は 罪色に穢れて  Shake up the fate! Stand up to the tale! Don't be afraid, only believe. ここで終わるならそれも人生 無傷のまま立ち尽くすだけで 与えられる未来などないから……  せめてもの餞を 最果てへと謡って 新たな複縦線記した――――  空を穿て―――― 今こそ、この手で 十字を切れ 不在の神に 覚醒の詩を奏でし声は 冒涜の剣か?  Chain up the pain! Stand up to the sin! and read the God's metaphor. 遮断された キミとの聖譚曲【oratorio】 哀切を月が照らして 碧く輝く明日への前夜【eve】少女病少女病ピクセルビーピクセルビー揺らいだ非対称の軌道 序曲に翳した虹彩 光の終止線は 歪んだまま 可視化された幻想を騙る  幽暗な虚構の深淵に いつか囚われた セカイを撃ち抜け!  Ah...Break up the fake! Stand in the truth! and you will die in your sins. 十字を切れ 不在の神に 覚醒の詩を奏でし声は 冒涜の剣か?  Chain up the pain! Stand up to the sin! Let no one lead you astray. 遮断された キミとの聖譚曲【oratorio】 哀切を月が照らして 碧く輝く明日への前夜【eve】  嘘と理想の狭間に 揺蕩う渇きは致死量 光の終止線を 薙ぎ払って 互いに背を預けあうキミの手を取る  矛盾と虚栄で飾られた 欺瞞に塗れし セカイを斬り裂け!  Ah...Break up the pale! Stand in the Cross! and you will live in your sins. さぁ跪け 架空の神に 革命の時を刻みし秒針は 罪色に穢れて  Shake up the fate! Stand up to the tale! Don't be afraid, only believe. ここで終わるならそれも人生 無傷のまま立ち尽くすだけで 与えられる未来などないから……  せめてもの餞を 最果てへと謡って 新たな複縦線記した――――  空を穿て―――― 今こそ、この手で 十字を切れ 不在の神に 覚醒の詩を奏でし声は 冒涜の剣か?  Chain up the pain! Stand up to the sin! and read the God's metaphor. 遮断された キミとの聖譚曲【oratorio】 哀切を月が照らして 碧く輝く明日への前夜【eve】
recollection「どこにでもあるような幸せな家族。 国中に漂う不自然なまでの魔女への信仰にも、 どうにか順応して……」  貧しいことなんて 笑い飛ばせる眩しい家族(famile) 小さな家 桜草(primevere)の咲く 暖かな小庭(jardin)  咲く花のように 綺麗な顔した フランとレスター 両親の自慢だった双子  人見知りのフランチェスカ レスターの背を離れずに  「お兄ちゃんなしでは、村の外にも出られないんじゃない?」 からかわれて頬膨らませた 優しい春の日  「御機嫌よう、みなさん。 幸せな日々をお過ごしのところごめんなさい。 じゃ……終わりにしましょう?」  「全てが引き裂かれたのは突然のこと。 たった一人で現れた魔女は彼らの言葉を待つこともなく、 愉しむように両親を殺し、そのまま双子を連れ去ろうとして……。 眼前の凶事を受け入れることのできない少女は、 ただ虚ろに叫び続けていた」  「嘘……いや……いやぁぁぁぁっっ!!」  眼下に広がる血と血の逢瀬は 思慕の跡を 命絶たれても尚 描き輝く 稚拙な御伽噺だと信じた “絆狩り”は 突如前触れなく光を壊した  何の音も聞こえない 自分の声も 彼女は全てを拒絶するように叫び続け――――  遥か蒼穹の空へと撃ち鳴らすのは 虚構求め 揺れる心の警鐘か……?  「ねぇ、煩い。お前はもういいや……」  「囁く魔女は、叫ぶフランチェスカに刃を向ける。 けれど刺し貫かれるその刹那、 レスターがその凶刃を己の身を呈して受け止めて……」  「妹だけは、こいつだけは助けてやってください。殺すのなら俺に……」  いつだって後ろにいて いつだって守られて――――  自分も怖いくせに 小さく震えてるのに どうしてなの?いつもみたいに 瞳を細めて 安心させるみたいに 笑って背に庇い続けてくれたのは――――  「フランチェスカは、 兄の手から流れ出る血に再び深い衝撃を受け、声を失ってしまう。 まるで、この瞬間の悲鳴で一生分の声を発し尽くしてしまったかのように。 その光景を嬉しそうにみていた魔女は、 兄であるレスターだけをその場から連れ去って……。 少女の傍に残されたものは、 寄り添いあって倒れ伏す両親の死体と、血の香りだけ」少女病少女病ピクセルビーピクセルビー「どこにでもあるような幸せな家族。 国中に漂う不自然なまでの魔女への信仰にも、 どうにか順応して……」  貧しいことなんて 笑い飛ばせる眩しい家族(famile) 小さな家 桜草(primevere)の咲く 暖かな小庭(jardin)  咲く花のように 綺麗な顔した フランとレスター 両親の自慢だった双子  人見知りのフランチェスカ レスターの背を離れずに  「お兄ちゃんなしでは、村の外にも出られないんじゃない?」 からかわれて頬膨らませた 優しい春の日  「御機嫌よう、みなさん。 幸せな日々をお過ごしのところごめんなさい。 じゃ……終わりにしましょう?」  「全てが引き裂かれたのは突然のこと。 たった一人で現れた魔女は彼らの言葉を待つこともなく、 愉しむように両親を殺し、そのまま双子を連れ去ろうとして……。 眼前の凶事を受け入れることのできない少女は、 ただ虚ろに叫び続けていた」  「嘘……いや……いやぁぁぁぁっっ!!」  眼下に広がる血と血の逢瀬は 思慕の跡を 命絶たれても尚 描き輝く 稚拙な御伽噺だと信じた “絆狩り”は 突如前触れなく光を壊した  何の音も聞こえない 自分の声も 彼女は全てを拒絶するように叫び続け――――  遥か蒼穹の空へと撃ち鳴らすのは 虚構求め 揺れる心の警鐘か……?  「ねぇ、煩い。お前はもういいや……」  「囁く魔女は、叫ぶフランチェスカに刃を向ける。 けれど刺し貫かれるその刹那、 レスターがその凶刃を己の身を呈して受け止めて……」  「妹だけは、こいつだけは助けてやってください。殺すのなら俺に……」  いつだって後ろにいて いつだって守られて――――  自分も怖いくせに 小さく震えてるのに どうしてなの?いつもみたいに 瞳を細めて 安心させるみたいに 笑って背に庇い続けてくれたのは――――  「フランチェスカは、 兄の手から流れ出る血に再び深い衝撃を受け、声を失ってしまう。 まるで、この瞬間の悲鳴で一生分の声を発し尽くしてしまったかのように。 その光景を嬉しそうにみていた魔女は、 兄であるレスターだけをその場から連れ去って……。 少女の傍に残されたものは、 寄り添いあって倒れ伏す両親の死体と、血の香りだけ」
Refulgence虚ろな景色 崩れる砂上の幻想 一人描いた 真っ白な世界  全てを失い 凍りついた時間に 終わりを告げよう 静かに空白の果てへ――――  いつか声を殺した 凍えるように眠れぬ夜 加速していく閃光 研ぎ澄まされ鋭く 最期彩りし色は 刹那に散る終の美学 鮮やかに“色褪せぬ華”を描いて……  枯れゆく刻に 飛び交う無数の幻影 虚実混じった 閉ざされた世界  全てがこの手を 掠め過ぎてくように 願いは叶わず 消えゆく終焉の果てへ――――  いつか空を失くした 誇りだけを地に残して それは気高い残光 輝きは ah...揺るがず 最期彩りし音は 臆さず散る優美な風[B e T e p] 満たされた“色褪せぬ想い”を乗せて……  朽ち果て滅びゆく儚い砂上の幻想 今償いの言葉を形為して刻め 枯れたこの場所に埋没を 抱かれるように眠ろう――――  途切れた呼吸は 翳りさえも映して 終わりを奏でる 確かな生への干渉  滅びの風が頬を凪いで―――― いつか声を殺した 凍えるように眠れぬ夜 加速していく閃光 研ぎ澄まされ鋭く 最期に見渡す風景には 穢れ無い終のRefulgence 鮮やかに“色褪せぬ華”を描いて……少女病少女病ピクセルビー虚ろな景色 崩れる砂上の幻想 一人描いた 真っ白な世界  全てを失い 凍りついた時間に 終わりを告げよう 静かに空白の果てへ――――  いつか声を殺した 凍えるように眠れぬ夜 加速していく閃光 研ぎ澄まされ鋭く 最期彩りし色は 刹那に散る終の美学 鮮やかに“色褪せぬ華”を描いて……  枯れゆく刻に 飛び交う無数の幻影 虚実混じった 閉ざされた世界  全てがこの手を 掠め過ぎてくように 願いは叶わず 消えゆく終焉の果てへ――――  いつか空を失くした 誇りだけを地に残して それは気高い残光 輝きは ah...揺るがず 最期彩りし音は 臆さず散る優美な風[B e T e p] 満たされた“色褪せぬ想い”を乗せて……  朽ち果て滅びゆく儚い砂上の幻想 今償いの言葉を形為して刻め 枯れたこの場所に埋没を 抱かれるように眠ろう――――  途切れた呼吸は 翳りさえも映して 終わりを奏でる 確かな生への干渉  滅びの風が頬を凪いで―――― いつか声を殺した 凍えるように眠れぬ夜 加速していく閃光 研ぎ澄まされ鋭く 最期に見渡す風景には 穢れ無い終のRefulgence 鮮やかに“色褪せぬ華”を描いて……
lunatic...交錯する想い達 重なる死の刃 欺いては切り裂いた 過去への寂寥感  闇に沈んだ魔女に 光はいらない  lunatic... 歪んだ螺旋にいつしか囚われてる シルエラは無力な 自らを呪う 罪深く染まる日々に すべてを委ね 想いを貫く  「戦う理由なんてどこにもないはずなのに。 命令されたって、何かの間違いじゃ……?」  「黙れ。間違いがあるとしたら、 それはお前がここにきたことだけ。 愚かで……汚らわしい男。追い払うだけなんて生温い。 私が――――殺してあげる」  ぶつかり合い狂い咲く 不可避の対話(deialogos) 傷つけずに 身を守る少年  体躯を伝う殺意 虚ろな衝撃  lunatic... 瞳の向こうに求めた存在は 等しいはずでも ah...鍵は合わず……  (繋ぎとめるため)そして(取り戻すため)二人は揺れる  果ての無い回廊 駈けるように 綻びかけた 現在を過去を未来を 求め続けて ah...  lunatic... 渇いた魂は不遜に寵愛求める シルエラは幼稚な 自らを嘲笑う 紅蓮に飾った日々に すべてを委ね 想いを貫く  「少女の持つナイフが少年の首筋に突き立てられる刹那、 自らの身を呈して遮ったのは、蒼白の魔女」  「それは、初めて感じる痛みを伴って。 二度目にして最後の決別は、一瞬のことのはずなのに、 永い夢の中にいるようで……。 口元から鮮血が流れるままに口づけをし、 少年に小さな魔法をかける」少女病少女病ピクセルビーピクセルビー交錯する想い達 重なる死の刃 欺いては切り裂いた 過去への寂寥感  闇に沈んだ魔女に 光はいらない  lunatic... 歪んだ螺旋にいつしか囚われてる シルエラは無力な 自らを呪う 罪深く染まる日々に すべてを委ね 想いを貫く  「戦う理由なんてどこにもないはずなのに。 命令されたって、何かの間違いじゃ……?」  「黙れ。間違いがあるとしたら、 それはお前がここにきたことだけ。 愚かで……汚らわしい男。追い払うだけなんて生温い。 私が――――殺してあげる」  ぶつかり合い狂い咲く 不可避の対話(deialogos) 傷つけずに 身を守る少年  体躯を伝う殺意 虚ろな衝撃  lunatic... 瞳の向こうに求めた存在は 等しいはずでも ah...鍵は合わず……  (繋ぎとめるため)そして(取り戻すため)二人は揺れる  果ての無い回廊 駈けるように 綻びかけた 現在を過去を未来を 求め続けて ah...  lunatic... 渇いた魂は不遜に寵愛求める シルエラは幼稚な 自らを嘲笑う 紅蓮に飾った日々に すべてを委ね 想いを貫く  「少女の持つナイフが少年の首筋に突き立てられる刹那、 自らの身を呈して遮ったのは、蒼白の魔女」  「それは、初めて感じる痛みを伴って。 二度目にして最後の決別は、一瞬のことのはずなのに、 永い夢の中にいるようで……。 口元から鮮血が流れるままに口づけをし、 少年に小さな魔法をかける」
Legion「しつこく追ってきて、何が目的? やっぱり誰かにバラす気なんじゃ……」  「泣いてないで何か言ってくれないかな、キミ」  「少女が声を出せないことなど知らない二人は、 何も答えないフランチェスカに苛立ち、 小さな刃物を手に近づいて……」  「黒か白か、始めようか?審判を」 刹那煌いた消えぬ証 暴かれて  問いは意味を成さない 口外されれば 幾多の犠牲の上に 勝ち得た炎も潰えてしまう...  錆びついた その凶器を躊躇いなく翳して 声さえあげずに固まった少女に 言葉を荒げて忘却を求めた  「さあ、そこまでだ。国が荒れていると子供達まで荒れるのか?」  害意なきポーズだけのその腕を 押し戻すように止めた者は、黒衣の放浪者(nomade)  「子供がこんな物騒な物を持ってはいけない」 諭す声は真摯にどこか優しくて  守るように 立ち塞がるその姿に少女は 兄との別離を思い出し 静かに涙を零して膝から崩れた――――  「なあ、もしかしてこの子、声が……」 「フランチェスカが言葉を発せないことに気付き、 筆談でコミュニケーションをとる。 それをきっかけに、ルクセインに促されるままに それぞれの経緯を話し出す3人。 誤解はすぐに氷解して……」  「脅かしてごめん」  「詫びる二人に、フランは気にしないでと恐縮しながらも 懸命に兄のことを聞いていた」  「フランチェスカとどこか似てる少年もいたかもしれない……」  ――――呼吸が、止まった……  名前さえも奪われる穢れた塔の中で 優しかった兄がその場所に囚われ 今でもいるかは不確かでも 拳を突き合わせ 誰からともなく視線を重ねて 出会ったばかりのレギオンは 遥かな古城を見据えてその手を掲げた  「無謀かもしれない。確かな策なんてありはしない。 けど、こうしてる間にもヤツはっ……。 ……ボクは、囚われた仲間を助けに行きたい」  「フランのお兄ちゃんも、ね」  「強く頷くフランチェスカに、 そして大切な存在を想う彼らに心打たれ、 ルクセインも助力を申し出る。 大きな力を持つ魔女に対して、なんの武器も後ろ盾もない。 たった4人だけの小さな、けれどとても勇敢なレギオン」  「きっと、まるで勝ち目のない戦争だ。けれど――――」少女病少女病ピクセルビーピクセルビー「しつこく追ってきて、何が目的? やっぱり誰かにバラす気なんじゃ……」  「泣いてないで何か言ってくれないかな、キミ」  「少女が声を出せないことなど知らない二人は、 何も答えないフランチェスカに苛立ち、 小さな刃物を手に近づいて……」  「黒か白か、始めようか?審判を」 刹那煌いた消えぬ証 暴かれて  問いは意味を成さない 口外されれば 幾多の犠牲の上に 勝ち得た炎も潰えてしまう...  錆びついた その凶器を躊躇いなく翳して 声さえあげずに固まった少女に 言葉を荒げて忘却を求めた  「さあ、そこまでだ。国が荒れていると子供達まで荒れるのか?」  害意なきポーズだけのその腕を 押し戻すように止めた者は、黒衣の放浪者(nomade)  「子供がこんな物騒な物を持ってはいけない」 諭す声は真摯にどこか優しくて  守るように 立ち塞がるその姿に少女は 兄との別離を思い出し 静かに涙を零して膝から崩れた――――  「なあ、もしかしてこの子、声が……」 「フランチェスカが言葉を発せないことに気付き、 筆談でコミュニケーションをとる。 それをきっかけに、ルクセインに促されるままに それぞれの経緯を話し出す3人。 誤解はすぐに氷解して……」  「脅かしてごめん」  「詫びる二人に、フランは気にしないでと恐縮しながらも 懸命に兄のことを聞いていた」  「フランチェスカとどこか似てる少年もいたかもしれない……」  ――――呼吸が、止まった……  名前さえも奪われる穢れた塔の中で 優しかった兄がその場所に囚われ 今でもいるかは不確かでも 拳を突き合わせ 誰からともなく視線を重ねて 出会ったばかりのレギオンは 遥かな古城を見据えてその手を掲げた  「無謀かもしれない。確かな策なんてありはしない。 けど、こうしてる間にもヤツはっ……。 ……ボクは、囚われた仲間を助けに行きたい」  「フランのお兄ちゃんも、ね」  「強く頷くフランチェスカに、 そして大切な存在を想う彼らに心打たれ、 ルクセインも助力を申し出る。 大きな力を持つ魔女に対して、なんの武器も後ろ盾もない。 たった4人だけの小さな、けれどとても勇敢なレギオン」  「きっと、まるで勝ち目のない戦争だ。けれど――――」
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