LIVE REPORT

ユニコーン ライブレポート

ユニコーン

『ユニコーンツアー2014 “イーガジャケジョロ”』

2014年05月07日@東京国際フォーラム ホールA

撮影:山本倫子/取材:宮本英夫

2014.05.16

再始動後3枚目となるアルバム『イーガジャケジョロ』のリリースにともなう今回のツアー。その『イーガジャケジョロ』は、メンバー全員のボーカルとハーモニーがこれまで以上によく聴こえる作品だったが、その威力はライブでこそ発揮される。奥田が歌い、ABEDONが美しくハモり、EBIが歌い、テッシーと川西が渋い喉を聞かせる、その一体感を“これぞバンド”と言わずに何と言おう。ユニコーンはコーラス・グループだったのだ(と、初めて気付いた)。メンバーそれぞれの見せ場もたっぷりあり、特にEBIと川西は“何もそこまで”と思うほどの張りきりっぷりで、“川西さんが頑張ってる日に当たってよかったと思います”(奥田)“いつも頑張ってるっつーの!”(川西)と、かけあいも弾む。謎の小芝居、意味なしジョーク、オチのないMCなど、ユニコーンのライヴに欠かせないさまざまなスパイスを散りばめつつ、ライヴは快調に進んでゆく。

ツアー中なので詳細は明かせないが、『イーガジャケジョロ』の曲を中心に、昔のあんな曲やこんな曲もやってくれるので、古いファンにも新しいリスナーにも納得のセットリストだろう。演奏については圧巻と言うほかはなく、ユニコーンが圧倒的な技術とセンスを持つ超個性派集団であることをまざまざと見せつける。たぶんそれが照れくさくて、ジョークでごまかしたくもなるのだろう。ユニコーンを語る時の“ゆるさ”は、その歌と演奏に宿るすさまじい緊迫感と説得力に裏付けされている。若いモンが真似しようと思っても、絶対に出せないのは、その深い味わいだ。2時間を優に超えるライヴのあと、心に浮かんだフレーズはやっぱり“これぞバンド!”だった。
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