『Applicat Spectra ONE MAN LIVE 「SPECTACLE ORCHESTRA」』

2012年04月30日@渋谷WWW

取材:土屋京輔

2012.04.20

有り体のポップミュージックとは一線を画しながらも、キャッチーさを失うことのない楽曲群。1stミニアルバム『スペクタクル オーケストラ』は非凡なセンスを実感させるに十分な作品だったが、東京では初の単独公演となるこの日は、彼らの無尽蔵のポテンシャルをステージでも証明するパフォーマンスとなった。何よりフロントの3人が複数の楽器を駆使する演奏形態は独特で、その光景はあたかも音楽的実験が目の前で繰り広げられているかのよう。叙情的な旋律を前面に押し出してじっくり聴かせるもの、自ずから身体が揺り動かされるダンサブルなものなど、色合いはそれぞれ異なるが、綿密に組み上げられた整合感と同時に、ジワジワと沸き上がる内面の熱が感じ取れるのも面白い。将来につながるポジティヴな予感を抱かせるライヴだった。