KEYTALK ライヴレポート　2015年10月28日

KEYTALK ライブレポート

KEYTALK

『KEYTALKの武道館で舞踏会 ~shall we dance?~』

2015年10月28日@日本武道館

撮影:後藤壮太郎/取材:帆苅智之

2015.11.05

公演名は“武道館で舞踏会”ではあったが、メンバー4人と、この日集まった1万1,000人の観客とが踊りに踊りまくった、“ディスコテック武道館”と言ったほうがいいようなエネルギッシュなコンサートだった。メンバーはMCのたびに“楽しい!”と口にしていたが、それはオーディエンスも同じだっただろう。セットリストに若干の緩急はあったものの、曲ごとにBPMが極端に乱高下することなく、KEYTALKならではの4つ打ちビートが会場全体をグイグイと引っ張り続けた。強いて挙げれば、中盤でミディアムナンバーが披露され、比較的テンポが落ち着いたとは言えるが、このブロックの「バイバイアイミスユー」で、オーディエンスがスマホのバックライトを点灯させ、それを左右に振りながら大合唱するというサプライズ企画を決行。事前に知らされていなかったメンバーがその光景を見て思わず息を呑む様子は、間違いなくこの日のハイライトのひとつだった。スモーク、ファイアー、キャノンといった特攻に加えて、レーザーやミラーボールを使用したライトエフェクト、さらには「太陽系リフレイン」で寺中友将(Vo&Gu)が宙吊りになるなど、日本武道館という大会場ならではの派手な演出も多数見られたが、そこで演奏された楽曲は4人の音が紡ぎ出すバンドサウンド以外の何物でもなく、それが会場とのコール&レスポンスとで構成されるという、人間の体温が感じられるコンサートであったことを強調しておきたい。それは“下北沢発”をアピールし続けてきたライヴハウス出身バンドの矜持であったようにも思う。