LIVE REPORT

『家族 Fes.2011』 ライブレポート

『家族 Fes.2011』

『家族 Fes.2011』

2011年10月09日@ラグーナ蒲郡 ラグーナビーチ(大塚海浜緑地)

取材:高木智史

2011.10.20

“去年は大雨の中みんなで乗り越えた1回目だったよね。でも、今年はみんなの思いが通じて晴れました。心をひとつに盛り上がりましょう!”。10月とは思えないギラギラした日差しが照り付ける中、MICRO(MC)の高らかな開会宣言で始まったHOME MADE 家族主催の『家族 Fes.2011』。小さな子供から体の不自由な方まで楽しめるようファミリーエリアや車椅子のエリアを設け、全ての人が音楽でひとつになるフェスがこの“家族 Fes.”。まずはオープニングアクトのMs.OOJAが堂々とした歌を聴かせ、続くFLOWはのっけからアクセル全開で熱くエネルギッシュなアクトを観せる。一転、九州男のステージでは会場がダンスホールと化し、と思えばTRICERATOPSは骨太なロックサウンドを鳴らし、leccaは力強くストイックなパフォーマンスで観衆の一体感を作り出す。ジャンルを超えたさまざまなアーティストのライヴで新しく音楽を知ることができることも、このフェスの醍醐味だ。
また、転換中は楽屋レポートや、“すもササイズ”でお馴染みの芸人あかつがネタを披露するなど、絶えず観客を楽しませ、さらに愛知県知事の大村秀章氏も登場しスピーチ。音楽フェスというだけでなくHOME MADE 家族が地元である愛知に根付いたお祭りにしたいという思いもあり、アットホームな心地良い雰囲気があふれていた。
だんだん日差しも柔らかくなってゆきAqua Timezが秋の空にさわやかな歌を響かせると、ダンスと高速ラップで魅了したSEAMOはシーモネーターでも大歓声を沸き起こし、尾張名古屋のエンターテイナーとしての姿を見せ付けた。そして、T.M.Revolutionはヒットチューンを連発させ、ヘッドバンギングも起こるほどの激しいロックサウンドの中、唯一無二のヴォーカル聴かせ、圧巻のアクトで観衆をメロメロにしたのだった。
FLOWや九州男、TRICERATOPS、T.M.RevolutionのステージでもフィーチャリングとしてパフォーマンスしたHOME MADE 家族だが、いよいよ彼らの出番。1曲目「FREEDOM」から気合いがみなぎり、ライヴではお馴染みの楽曲で盛り上げていく。SEAMOとこの曲だけのために駆け付けたnobodyknows+で東日本大震災へのチャリティーソングである「HOLD MY HAND」を披露し、“ここからスタート”という前に向いた思いにあふれた「スターとライン」で一旦ステージを後にした。アンコールではMICROが“震災があった時、ずっと信じてきた音楽の力を初めて疑ってしまった。だけど、音楽が一歩を踏み出す人の力になれるはずだと思ったし、音楽でもっといろんなことができる気がしてる。このフェスを活動の軸にしていきたい”と語り、一日中アーティストとともにフェスを作り続けてきた観客への感謝の気持ちを「サンキュー!!」でかたちにし、キャスト全員の「We Are Family」でフィナーレを迎えたのだった。
アーティストがつながり音楽が生まれる。その音楽を通してライヴでいろんな人とつながることができる。そこでできたつながり、絆は家族と言えるくらい温かくて強い。『家族 Fes.』は音楽フェスというものを超えた大切なものに気付かせてくれる。誰もがそう思っていたのだろう。最後にMICROが“来年も開催していい?”と投げかけると会場から“いいよ!”いう声が空に響き渡ったのだった。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

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    出演:Aqua Timez、九州男、SEAMO、T.M.Revolution、TRICERATOPS、FLOW、HOME MADE 家族、lecca(50音順)

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    Opening Act/Ms.OOJA