阿部真央ライヴレポート　2011年08月14日

阿部真央ライブレポート

阿部真央

『阿部真央らいぶ夏の陣 in 東京』

2011年08月14日@日比谷野外大音楽堂

撮影:緒方秀美/取材:石田博嗣

2011.08.20

お盆休み真っ只中の日曜日。日比谷野外大音楽堂の日差しは強く、立っているだけで汗が吹き出てくるほど。不快指数はかなり高いと思われるが、これから始まるライヴへの期待感が不快感など感じさせない。昨年暮れ以来のワンマンライヴであり、解放感に満ちた野外ライヴ。ワクワクするなと言うほうが無理な話だ。もちろん、それは客席だけでなく、阿部真央も同じ。最新アルバム『素。』と同様に「痛み」で幕を開けたライヴは、のっけから両者のエネルギーとパッションが爆発していた。そして、アッパーな「ふりぃ」で加速し、爽快なポップチューン「モットー。」で感情のギアがトップに入ったところで、“声も治りました! 今日まで頑張ってきました!!”と阿部真央。全身を使ってアコギをかき鳴らし、張りのいい声を轟かせる、その姿でもっての復活宣言である。また、そんな復活の場である野音でどうしてもやりたかったというピアノとの独唱で「Don't leave me」と「側にいて」を切々と歌い上げ、さらにお盆の野音は忌野清志郎のライヴが恒例だったとRCサクセションの「雨あがりの夜空に」をカバーするという超サプライズも! お決まりのフレーズが大合唱されたことは言うまでもない。後半戦に入ると観客参加型のナンバー「I wanna see you」などで最高潮を迎え、“みんなのためにこの歌を歌いたいと思います”と「いつの日も」を披露。最後は歌に込めた想いを空を伝って遠くの地に届かせるような壮大なバラード「光」で幕を下ろした。アンコールも含め約2時間のステージは、阿部真央の完全復活だけでなく、お互いがこの瞬間を待ち望んでいたからか、今まで以上に彼女とリスナーの距離が縮まっていることも実感させた。