LIVE REPORT

THE BACK HORN ライブレポート

THE BACK HORN

『「KYO-MEI ワンマンライブ」~第二回夕焼け目撃者~』

2011年07月23日@日比谷野外大音楽堂

撮影:橋本 塁(SOUND SHOOTER)/取材:土内 昇

2011.07.20

バンドのアンサンブルというのはパンクロックのように衝撃を与えるものから、プログレのような構築美を突き詰めたものまでさまざまだ。THE BACK HORNの場合は、その両方を兼ね備えていると思っていたのだが、改めてそれを実感した。7年振りとなる日比谷野外大音楽堂でのワンマン公演。単発のライヴということから、さまざまな時代の楽曲が組み込まれたセットリストがTHE BACK HORNのコアな部分を浮き彫りにしていく。1曲目は「レクイエム」。オープニングから大地を揺るがすような重く響くサウンドを叩き付けると、その後も内なる閉塞感を破壊するような楽曲が矢継ぎ早に、野外という解放的な空間に放たれる。その屈強なグルーブであったり、天高く突き抜けるギターであったり、空を震わせるようなヴォーカルが、時に攻撃的に、時にドラマチックに絡み合いながら全身を刺激し、一曲終わるごとにズシーンとした衝撃とともに、胸の奥で抑え付けていたものが徐々に浄化されていく感覚を覚えた。それは、弾かれる音が持つ波動や歌詞に宿った言霊が心の欠けている部分を埋めたとも言え、これぞ“KYO-MEI”だろう。また、山田将司が独り芝居のような圧倒的な説得力でもって言葉を吐き、それを各パートのフレーズが彩ることで、その浸透力を増幅させていることは言うまでもない。楽器陣の演奏は伴奏ではなく、ヴォーカル同様に叫びであり、歌なのだ。特に圧巻だったのが本編ラスト「世界中に花束を」。力強いプレイと熱唱による4人の感情のアンサンブルを前に、輝度を増していく光を感じたのは僕だけでないはずだ。そういう意味でも、THE BACK HORNというバンドを堪能したライヴだったと言える。
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