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Mr.Children ライヴレポート

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【Mr.Children ライヴレポート】 『Mr.Children Tour 2018-19 重力と呼吸』 2018年11月29日 at 横浜アリーナ

2018年11月29日@横浜アリーナ

撮影:渡部 伸/取材:宮本英夫

2018.12.23

デビュー以降初となる全曲セルフプロデュース、シンプルで生々しいバンドアンサンブルを前面に打ち出したアルバム『重力と呼吸』の世界を再現するアリーナツアー。11月29日の横浜アリーナ公演は、すでにツアーの3分の2を過ぎていることもあって1曲目「SINGLES」から4人+サポート2名の呼吸はばっちり。激しくダークな「Monster」、ロックバラード「himawari」、明るく大らかな「幻聴」と、異なるタイプの曲を振り子のように並べてうねりを作り、観客を乗せてゆく巧さはさすがのひと言。“この会場はMr.Childrenが一番たくさんライヴをしている会場です。ホームグラウンドだと思ってます”。桜井和寿(Vo)の挨拶に応えて沸き上がる温かい拍手。本当に良いムードだ。

可動式の巨大なLEDや光る床など、セットはとびきり豪華だが主役はあくまで生身のミュージシャン。鈴木英哉のパワードラムがバンドをぐいぐい引っ張る「NOT FOUND」、SUNNYのキーボードがスケールの大きな音像を作る「忘れ得ぬ人」など、ダイナミックな演奏にしっかりと支えられ、桜井はあの唯一無二の歌声で「花 -Mémento-Mori-」を22年前に初めて聴いた時と変わらぬ色艶と鮮度で聴かせる。J-POPのスタンダードを変えたのはこの声とメロディーなのだと、しみじみとした感動が胸を浸してゆく。

センター席に突き出す長い花道に楽器をセットし、頭上には巨大な短冊状のロールスクリーンとカラフルな映像。「addiction」「Dance Dance Dance」と攻撃的チューンを続けながら、田原健一(Gu)と中川敬輔(Ba)が花道の先端に飛び出して大喝采を浴びている。「ハル」では天女の羽衣が宙を舞い、「and I love you」ではミラーボールが見惚れるほどに幻想的な空間を演出する。視覚的にも聴覚的にも非日常感たっぷりの空気の中で聴く「しるし」は、とてもエモーショナルで神々しい程に美しかった。

“日頃身にまとっているものを全部置いて行ってください。みんなを素っ裸にしたいと思います”と言って歌った、「海にて、心は裸になりたがる」の快活な8ビートに理屈抜きで身体が揺れる。桜井にマイクを向けられ“ウォー!”と叫ぶ中川の顔がめちゃくちゃ笑ってる。「擬態」「Worlds end」と、アッパーなロックチューンを連ねてライヴは一気に最終盤へ。アルバム『重力と呼吸』に込めた強い決意について桜井は”僕たちにはまだやりたいことがあります。理想と夢に、少しずつ近付いていこうと思っています”と言った。本編ラストを飾った「皮膚呼吸」の《I’m still dreamin’,I’m still believin’》と歌うその歌詞は、Mr.Childrenとともに生きてきたファンへ送る愛にあふれたメッセージだ。

アンコールはたっぷり4曲。桜井が素晴らしいギターソロを聴かせた「here comes my love」から力強いグルーブの「風と星とメビウスの輪」、フォーキーな「秋がくれた切符」へとバトンをつなぎ、“僕らの情熱の全てを乗せて、みんなへの歌です!”と紹介した本当のラストチューン「Your Song」へ。『重力と呼吸』で表現した瑞々しい演奏は、ライヴで体感すればなお一層フレッシュな実感を伴って届いてきた。デビュー25年を超えてなお新しい一歩を踏み出す、バンドの持つ無尽蔵のエネルギーをまざまざと見せつけられた2時間30分だった。

撮影:渡部 伸/取材:宮本英夫

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