LIVE REPORT

ap bank fes ’10 ライブレポート

ap bank fes ’10

ap bank fes ’10

2010年07月17日@つま恋

撮影:渡部 伸、石渡憲一/取材:松浦靖恵

2010.07.20

今回で6回目の開催となった『ap bank fes』(7月17~19日)。今年は初日に梅雨明けをし、6回目にして初めて一滴の雨も降ることなく、真っ青な夏空が広がる見事な晴天に恵まれた3日間となった。
今回の『ap bank fes’10』は、新しい試みがいくつもあった。まず、2ステージ制になり、A StageではGreat ArtistsがBank Bandと共演し、B Stageでは3日間で11組のBand Actが行なわれたこと。全出演者23組中17組が『ap bank fes』初出演だったこと。そう、このフェスが持つレゾナンス(共振・共鳴)の精神は、今回のようにいくつもの新しい風を取り入れながら継承されていくのだと、あらためて思った。
それにしても今年の『ap bank fes』は、例年にも増して出演者の顔触れがバラエティーだった。インディーズで活動している世界の終わりは夏フェス自体が初参加だったり、若干20歳の阿部真央が新人とは思えぬ堂々たる歌いっぷりを披露したり。また、FUNKY MONKEY BABYSやRHYMESTERのようなHIP HOP系のグループがBank Bandの生演奏をバックに歌ったりと、普段の彼らたちのステージとは異なるパフォーマンスを体験できるのも『ap bank fes』ならではだ。ちなみに、ファンモンのDJケミカルは、白いタンクトップの前面に“ミスチル”、背面に“抱きしめたい”なんていう手書き文字を書いていたり、2日目に登場したKANは警察官姿(どうやら警察官→警察KANということらしい!?)だったりと、遊び心たっぷりの衣装で登場してくれた。かと思えば、猛暑の中、横山 剣やTHE BAWDIESなどは、ばっちりスーツ姿でキメるなど、音楽はもちろんのことだが、どんな場所であれ自分たちのスタイル(ファッションも含めて)を貫く姿勢を、それぞれのアーティストがいさぎよく見せてくれたステージがとても印象的だった。2年ぶりの参加となったレミオロメンは、現在ツアー中ということもあってか、ライヴ三昧の日々の勢いをそのまま持ち込んだライヴをしていた。Cocco、Salyu、PUFFYは男性アーティストの参加者が多い中で、華やかな歌声を響かせた。MONGOL800、lego big morl、GOING UNDER GROUND、フラワーカンパニーズ、真心ブラザーズ、THE BAWDIES、Dragon Ash、エレファントカシマシといった初登場組バンドは、若手も中堅もそれぞれの音楽で、それぞれのアプローチで、大きなパワーを持ったメッセージを緑のフィールドを埋め尽くした観客たちにまっすぐに届けた。また、50年以上のキャリアを持つムッシュかまやつ、そして、ブラック・ミュージックを日本の音楽に取り入れ、多くの人たちに届くポピュラーな音楽に変換させた久保田利伸の登場は、『ap bank fes』がこれまで日本の音楽シーンの礎を築いてきた素晴らしいアーティストとの共演を通して、素晴らしい音楽を次の世代へつなげていくという精神をちゃんと受け継いでいるシーンになった。
『ap bank fes』では、それぞれのアーティストがどんな曲目を選んでくれるのかもお楽しみのひとつ。スキマスイッチは、自分たちのオリジナル曲以外にMr.Childrenの「旅人」をカバー。櫻井和寿には“こっちが(カバーを)お願いしているわけじゃないんですよ”と苦笑されていたけれど、スキマスイッチに限らず、どの出演者たちにとっても、この場所で今歌いたい歌を選び、私たちへと届けられる歌には、レゾナンスの精神が注がれているのだと思った。3日間を通してBand Actの3組目に登場したMr.Childrenもまた、まさにその精神を反映した選曲だった。1曲目に「シーラカンス」のような重厚な曲を選び、2日目3日目には15年ぶりにライヴで「【es】~Theme of es~」を披露し、尾崎 豊の「僕が僕であるために」をカバーした。また、ラストに登場したBank Bandは、夏フェスの華やかな雰囲気には似つかわしくないかもしれない(特に歌詞において)「煙突のある街」(真島昌利)「僕と彼女と週末に」(浜田省吾)「歓喜の歌」(遠藤健司)を選び、RCサクセションの「ステップ!」、櫻井がこの歌をこの場所で歌いたかったという「若者のすべて」(フジファブリック)を歌った。この場所で歌いたい歌は、みんなに届けたい歌、忘れ去られてはいけない歌だ。6回目の『ap bank fes’10』は3日間と前夜祭を合わせて約8万5000人もの人たちが全国各地から集まった。この場所でみんなが受け止めた歌は、それぞれの日常生活へと持ち帰られ、みんなの毎日の中にある大切な歌になってくれたに違いない。そう、『ap bank fes』は、そんな音楽の力を信じることができる場所なのだ。

出演:世界の終わり、阿部真央、FUNKY MONKEY BABYS、MONGOL800、Cocco、横山 剣、レミオロメン、lego big morl、KAN、Salyu、GOING UNDER GROUND、フラワーカンパニーズ、ムッシュかまやつ、真心ブラザーズ、THE BAWDIES、スキマスイッチ、PUFFY、Dragon Ash、久保田利伸、RHYMESTER、エレファントカシマシ、Mr.Children、Bank Band

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