LIVE REPORT

川畑 要 ライヴレポート

川畑 要 ライヴレポート

【川畑 要 ライヴレポート】 『KANAME KAWABATA LIVE 2021 “Never Been Better”』 2021年1月28日 at 配信ライヴ

2021年01月28日@配信ライヴ

撮影:今元秀明/取材:田中隆信

2021.02.04

1月28日、川畑 要が初の生配信ライヴ『KANAME KAWABATA LIVE 2021“Never Been Better”』を開催! この日は川畑の42歳の誕生日。新しいことに挑戦するのにふさわしい日となった。

ライヴがスタートする前にはインタビュー映像が流れ、“独立してから今は本当に楽しいですね。今までが苦しいってわけではないんですけど、自分でジャッジして、自分がいいと思ったことをして、自分で責任を取るということは人間として生きていてすごく大事なこと。生きている感じが強いです”と自身の活動の幅を広げていくためという事務所独立の想いをストレートな表現で伝えていた。続けて、絶好調を意味する“Never Been Better”というタイトルの由来についても“今の自分をタイトルにすればいいんだと思った時に、この言葉を見つけて、これしかないなと思って決めた”とコメント。その他にも、配信ライヴへの意気込み、自身にとってのファンの存在についてなど、さまざまな想いも言葉にして、“暗い世の中を少しでもこのステージで元気にすることができたらと思っているので、ぜひ楽しんでください”とメッセージし、視聴しているファンの期待感もより高まったところで、配信ライヴがスタートした。

オープニング曲は昨年11月に配信リリースした「Crossroads」。アコギとキーボードのシンプルなサウンドに、独立して新しい道を進むという決意表明を表した歌を、思いを込めて歌い上げる。“みなさん、こんばんは。川畑 要です。“Never Been Better”は絶好調という意味を込めて付けました。今日は楽しい時間を一緒に過ごしましょう”と挨拶して、「Oh! Oh!」を歌唱。じっくり歌い上げたオープニング曲とは雰囲気がガラッと変わり、ビートの効いた楽曲を軽やかに聴かせる。そして、“一曲、懐かしいナンバーをいきたいと思います”と、CHEMISTRYの2012年発売のアルバム『Trinity』の中から自身のソロ曲「sub-way」を披露。序盤から違ったタイプの3曲を歌い、振り幅の広さを感じさせてくれたところで、“配信ということで、画面の向こうでたくさんの方が観てくれてるわけですから、シーンを変えて歌をお届けするのもありかなと思ったので、ちょっと場所を変えたいと思います”と、ソファが用意されている一角に移動。“この曲はいろんなバージョンで歌わせていただきましたけど、今日はアコースティックで”と「かまわない」と、2014年にリリースしたカバーアルバム『ON THE WAY HOME』にも収録されているDREAMS COME TRUEの「やさしいキスをして」をソファに座りながら、リラックスした雰囲気の中で切々と歌った。

中盤は“YouTubeでいろんな曲をカバーしているのでそういったコーナーも作ろうかと思っています”と以前のインタビューで話していた通り、シーンを変えてメインステージに戻り、YouTubeの“歌ってみた”で披露したDISH//の「猫」、LiSAの「炎」、YOASOBIの「夜に駆ける」を聴かせる。今の音楽シーンを代表する曲を、リスペクトを込めつつ、川畑 要というフィルターを通して歌い、その表現は、カバーだからこそできる“歌い手”としての伝え方がしっかりと感じられた。

続いて、ステージから客席フロアに下りて、フィーチャリングアーティストとして参加したDJ Deckstreamの「Real Style」を披露。こういった、広く会場を使うというのも配信ライヴならではの面白さだと言えるだろう。そして、昨年の大晦日にリリースした「FLASH BACK」へ。この曲はデビュー以前の川畑自身のことを歌っている曲で、サウンドアレンジからも川畑がやりたい音楽の振り幅の広さを感じさせる。また、最後に歌った2曲、《君を守るため 僕はここにいる》と誓う「You」、《何が正解か分からない/そんな世の中だけど/もがくのはやめないよ》と想いを綴る「Sweet Pain」は、今の状況で聴くとその歌詞のメッセージがより心に響いてきた。

アンコールでは4人のダンサーを引き連れてステージに再登場して、キレのいいダンスとともに「TOKYO GIRL」で盛り上げる。歌い終えたあと、“どうもありがとうございます!”と感謝の気持ちを視聴しているファンに届けて、笑顔を見せた。さらに“みんなから“踊ってほしい”というコメントをいただいて6年。42歳になりました”とファンの声に応えて久しぶりに「TOKYO GIRL」を選んだことと、誕生日を迎えたことを報告。この日のためにダンスレッスンをして、完成度を高めたという。そして、初の配信ライヴの最後の曲は初披露となる新曲「No Limit」。昨年末に新しいプロジェクト『ONE’S UP』を始動した川畑は、“自分のプロデュースでサプリメントを発売するんですけど、そこに音楽を付けて、自分らしくアプローチしたいと思いました”と、川畑 要流の最新のダンスナンバーをダンサーたちとともに魅せる。タイトル通り、制限なく、まだ見ぬ自分を出していくという気概が込められたこの曲は、今後のライヴにおいても軸となる楽曲のひとつになりそうだ。

全ての曲を歌い終え、メンバー紹介をして送り出すと“配信の難しさは感じましたけど、ここでもまだやれることがあると前向きな考えも持てました。早くここで、お客さんを入れてライヴをしたいと心から思いました。早くコロナが終息して、みんなと顔を合わせて、ちゃんとライヴができる時が来てほしいと思いました。今日は独立後、初めてのソロでの生配信となりました。これからもたくさんの人に自分の音楽を届けていき、いろんな人と出会っていきたいと思います。少しでもこの時間がみなさんにとってハッピーな時間になってくれてたら嬉しいなと思ってます。この配信を経て、もうひとつ成長できればと思っていますので、変わらぬ応援よろしくお願いします。また会いましょう!”と感謝の気持ちを伝え、手を振ってステージをあとにした川畑。楽屋に戻る彼の様子もカメラはとらえ続け、“本番はうまくいきました。また、ライヴをやる際には観てください”と、ホッとした気持ちを語り、カメラ越しにファンに手を振り、“バイバイ!”と楽屋に入ったら、なんとバンドメンバーやダンサー、スタッフがサプライズで川畑を待ち構えていて、テーブルの上にはバースデーケーキが! みんなに「ハッピーバースデー」を歌ってもらい、予想外の展開に大感激。ケーキのろうそくの火を消したあとの“42歳でも踊れるって分かったし、一個も間違えなかったので、“俺、すげえな”って思いました。これからも頑張っていきますので、一緒にお付き合いよろしくお願いします”というコメントからも、この日のライヴが満足できる、達成感のあったものになったことがうかがえた。ソロとしての今後の展開も楽しみだ。

撮影:今元秀明/取材:田中隆信

川畑 要

カワバタカナメ:1979年1月28日生まれ、東京都葛飾区出身。テレビ東京系『ASAYAN超男子。オーディション』で堂珍嘉邦とともに全国約2万人の候補者の中から選ばれ、ヴォーカルデュオ・CHEMISTRYとして、「PIECES OF A DREAM」で01年3月にデビュー。12年10月にはシングル「TOKYO GIRL」でソロデビューを果たし、20年10月に川畑 要ソロプロジェクトのための個人事務所を設立。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 2

    2. Oh! Oh!

  2. 3

    3. sub-way

  3. 5

    5. やさしいキスをして(カバー)

  4. 6

    6. 猫(カバー)

  5. 7

    7. 炎(カバー)

  6. 8

    8. 夜に駆ける(カバー)

  7. 9

    9. Real Style

  8. 12

    12. Sweet Pain

  9. 13

    <ENCORE>

  10. 15

    2. No Limit