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【ライヴレポート】 『GOT OIKOS GET LIVE Vol.1』 2022年12月5日 at 代官山UNIT

2022年12月05日@代官山UNIT

撮影:遥南 碧/取材:齊藤 恵

2022.12.19

楽曲権利“OIKOS”(オイコス)を購入することで推しのアーティストを支援、さらに音源が音楽サブスクリプションサービスで生み出す収益の一部を受け取れたり、OIKOS保有者のみの特典があったりと、ファンにとっては嬉しいサービスがあるOIKOS MUSIC。音楽業界に新たな一石を投じたこの体系で、2022年8月30日に5組のアーティストがデビューした。そんな彼らが出演するライヴイベント『GOT OIKOS GET LIVE Vol.1』が、12月5日に東京・代官山UNITにて開催され、“サポーター”とも呼べるアツいファンの前でパフォーマンスを行なった。

■ LALATAN ■

トップバッターは現役女子高生COCO(Vo)と21歳のMana(Dr)によるユニット・LALATAN。この日がライヴデビューの彼女たちは“緊張して汗々なんですけど(笑)”(COCO)とはにかみながら、フレッシュなパフォーマンスを届け、爪痕を残した。ボトムサウンドが効いた「Real or Lie」で観客を惹きつけると、続いて新曲「地球は回るよクルクルと」を初披露。スキルフルなラップ、歌を堂々と披露するCOCO、ドラミングでその存在感を見せつけたMana。多彩でサウンドメイクで生み出された、スタイリッシュながらもエモーショナルなナンバーで心地良いグルーブを味わわせてくれた。ラストはメッセージ性の強い歌詞が刺さる「生きる。」を届け、観客をふたりの歌世界へと誘う。ライヴ後、ふたりは“楽しかった~!”と口を揃え、笑顔を弾けさせていた。

■ リトルスクーター ■

続いて、千葉県出身のパンクバンド・リトルスクーターが登場。デビュー時に3人組だったものの、メンバーふたりが脱退。この日のライヴはヴォーカル&ギターの綾大がサポートメンバーを迎えて行なわれ、綾大はMCでも会場を盛り上げる。「ライブハウスへようこそ」で会場のボルテージを上げ、イントロから楽しい「二億の青春」へ。メロディックなミドルナンバー「ヨルノウタ」では、泣きのギターで観客を酔わせる。“僕、バンドが好きなんですよね”と話す綾大は、ラストに“決意の曲”だという「僕らはバンドマン」を披露。彼のバンド哲学とも言えるロックナンバーをエモーショナルにかき鳴らす。“マジで泣きそうだった”ともらした彼の感想に、19歳の等身大の姿が垣間見れた気がした。

■ Canata ■

3番手からはレーベルを主宰する音楽プロデューサー・宮田‘レフティ’リョウが率いる実力派プレイヤーたちがバックに入り、バンドサウンドでソロシンガーたちのライヴをサポート。まずは、現在、北海道から沖縄まで路上ライヴをしながら活動している男性シンガーソングライターのCanataが登場し、躍動感のある「東京、26時」でライヴをスタート。MCで北海道からヒッチハイクで移動していて、この日に東京まで来たことを明かすなど、そのアグレッシブで自由な彼の気風は楽曲にも表れている。パワフルなヴォーカルを武器に届けた新曲「道標」は、彼の生き様を感じさせるようなメッセージソング。ハイトーンの歌声を心に染み入る切ないメロディーとともにじっくりと聴かせた。

■ カネコミレン ■

女性シンガーソングライターのカネコミレンは、冬にぴったりの温かそうな帽子を被って登場。リズミカルな「炭酸抜けたコーラ」を皮切りに、ラップをはじめ、音域の広いナンバーを歌い上げ、圧倒的な歌唱力の高さを見せつけた。歌っている時の楽しそうな表情が印象的で、会場はリラックスした空気が漂う。グルービーな「ミレンハナイヨ」に続き、最後は新曲の「赤い服の宅配バイト」へ。タイトルどおりのクリスマスソングで、観客の心を温めてくれた。MCでは“自分にしか歌えない歌を歌っていく”と宣言した彼女に、温かな声援が送られていた。

■ 群青マキ ■

5組のラストを飾ったのは男性シンガーソングライター・群青マキ。グッドメロディーと心に突き刺さるようなワードも特徴的な彼の歌の中でも、ひと際インパクトのある「あなたの敵はあなた」を1曲目に披露。ユニークで多彩な展開を見せるこの曲は、ライヴでこそ真骨頂と呼べるほど、会場を盛り上げてくれた。MCでは“不格好でもいいから素直にありのままに”と、その日感じた思いから生まれた言葉があふれてくる。そんな言葉とともに、新曲「愛すべきクソヤローども」、フォーキーな「菜瑚」、ピースフルな「Playlist」と彼なりのラブソングを聴かせ、振れ幅の大きい楽曲群ながらも一貫した彼の世界観で会場を包む。改めて彼と楽曲の唯一無二の個性を感じさせてくれるパフォーマンスだった。

この日の観客はOIKOS所有者が中心とあって、幕間では観客参加のプレゼント企画も催されるなど、スペシャルな内容に。そしてライヴを通して感じられたのは、自分たちの夢に向かって前進するアーティストたちの熱量。観る者に“応援したい”と思わせてくれる、そんな彼らだからこそ、OIKOS MUSICで挑戦できるのだと思わずにはいられない。

■ モウリケイタ ■

そんなイベントの最後に登場したのは、2023年2月にOIKOS MUSICからデビューするシンガーソングライターのモウリケイタ。轟音ギターとともに剥き出しのロックンロールを届ける彼の姿が観る者を圧倒する。“俺はこんなもんじゃねえからな”と気概を見せる彼が、高らかに19歳の“今”を歌い上げていく。そんな若きアーティストたちが、真冬の東京をアツくさせてくれた。

撮影:遥南 碧/取材:齊藤 恵

【OKMusic独占! 宮田‘レフティ’リョウ コメント】

――新人アーティストならではのフレッシュなステージを一気に堪能できるイベントになりましたが、今回のイベントを終えての感想をお聞かせください。
「イベントを主催した立場から話すと、今回ってバンド、ユニット、シンガーソングライターと短い時間の中でいろんなアーティストが出演していて、ライヴを回していくだけでも大変だったりする中で、全体を通してうまくまとまっていたんじゃないかと思います。もちろん、アーティスト、スタッフ、それぞれが入念に準備を進めたからこそですが、いいライヴになりました。

ライヴに参加された方から“スタートに立ち会えるっていいですよね”と言われたんですが、これについては自分もすごく感じています。LALATANにいたっては、初のステージで、その瞬間に僕自身も携われたのはとても嬉しいことでした。もう二度とない時間をともにできるということ自体が刺激的で、プレミア感の強いライヴになったと思います」

――実際にOIKOS MUSICユーザーのみなさんとお会いできたイベントですが、みなさんからはどのような感想が届いていますでしょうか?
「ファンのみなさんから、“アーティストを応援することが私達の原動力になっている”と言われたんですよ。他にも“応援したい気持ちが会場全体で覆われていたのを感じた”と言ってくださった方もいて、本当に嬉しいことですよね。これって、OIKOS MUSIC を立ち上げた根っこの部分をファンのみなさんもしっかりと受け止めてくださっているということだし、アーティストとファンとの距離感を見ても、より同士的な側面が強いというか、結束力の高い証になるんじゃないかなと感じましたね」

――宮田さんご自身もバックバンドのメンバーとしてステージに立たれましたが、このようにプロデューサーがプレイヤーとして参加するイベントができるのは、OIKOS MUSICならではだと感じました。今後のイベントでもステージに立たれるのでしょうか?
「プロデューサーとプレイヤーの両面を実践していて感じることですが、ゼロから楽曲・原盤を作成し、世にリリースしてライヴでみんなに披露するまでの流れって、陸続きになっていたほうがいいなと感じています。楽曲制作する人と演奏する人が別々の場合、受け取り方が変わる可能性もあると思うんです。でも、自分が創った音源ならライヴでも自分が思い描いた音を一番引き出せるんじゃないかなと。

今後プレイするかはまだ未定ですが、僕自身としては、このスタンスでやっていきたいと思っています」

――選定が難しいかもしれませんが、今回のベストアクトアーティストを選ぶとすれば?
「うーん、今回のライヴは全てのアーティスト・楽曲に携わっているので、客観的に見れないので答えが出ないですね...。この答えは、ファンのみなさんに委ねます(笑)」

――年末のイベント開催も決まっていますが、2023年以降はどのようなイベントを計画されていますか?
「『GOT OIKOS GET LIVE Vol.2』の開催が決定しています。日程は、2023年3月30日ですね。すでに次回に向けて新人開発や新曲制作も進めています。ステージに上がる出演者はまだ決まっていなくて、これは、ファンのみなさんの応援状況などもみながら選抜していくことになります。

プラットフォームとしてよりたくさんの可能性のある新人アーティストを世に送り出していく使命もありますし、応援してくださるファンの方にアーティストの成長や可能性を生で体感して戴いて一緒に夢を見れる場になって行くことがこのイベントの役割ですね。

アーティストにとっては、なかなかシビアですが、新曲や成長をファンの方と共有しながら目指す場所のひとつになればいいなと思っています」

――最後にOIKOS MUSICとしての今後の展開について、教えてください!
「いよいよ、2023年の春頃よりOIKOS保有者へ権利の収益分配なども始まります。これについては、OIKOS MUSICからインフォメーションがあると思うので、音楽家の僕としては、やっぱり一曲でも多く曲をたくさんのアーティストを世に出していくことですね。

あと後は、ライヴをやっていて気づいたことなんですけど、創業メンバー3人共バンド経験者なんですね。アーティストが音楽活動を行いやすい環境を作っていきたいというのはもちろんあるんですけど、僕の中のエゴとして、今、僕たちが支援している次世代のアーティスト達に自分たちの叶えられなかった夢(アーティストとして大成すること)を託していきたいんです。これは、僕だけでなく、小林も市村も感じていることで。僕らが手掛けたアーティストであったり、OIKOS MUSICのプラットフォームを利用したアーティストの中からヒットを出していきたいですね。それができないとサービスとしてもダメだと思うので、何とか成就できるよう懸命にやっていきたいと思います」

取材:岩田知大

【イベント情報】

『OIKOS Music Lounge vol.1 〜2022年忘年会 。今年も有難うございました〜』
12/21(水) 東京・Live Bar Grotto
18:30 OPEN / 19:00 START
参加費:¥2,500(ワンドリンク、乾き物付き)
申込み:https://forms.gle/nrxSapZameB56QD1A
※先着20名様

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    01. Real or Lie

  2. 2

    02. 地球は回るよクルクルと

  3. 3

    03. 生きる。