LIVE REPORT

サカナクション ライブレポート

サカナクション

サカナクション 赤坂BLITZ

2009年03月07日@赤坂BLITZ

撮影:DAISUKE ISHIZAKA(HATOS)/取材:土内 昇

2009.03.20

場内に入ると、水泡が浮かぶような音が終始流れ、壁面をバンドロゴの魚が浮遊していた。外の世界から切り離された別次元の空間に迷い込み、まるで海底にいるかようで、妙に落ち着いた気分に陥ってしまう。しかし、本ツアーは全公演がソールドアウトということもあり、1Fフロアは満杯で、2F席まで立ち見も出ているほど。静粛な空間ではあったが、そこには熱気にも似た期待感が渦巻いていた。そして、その抑えられていたエネルギーは1曲目から大爆発を引き起すのだ。エレクトロニカ、ロック、クラブミュージックを昇華したダンサブルなサウンドに触発されたオーディエンスは、至高の笑みを浮かべながら、拳を振り上げ、高く飛び跳ね、高揚感を掻き立てる音楽に体を預けるのだった。 その後も矢継ぎ早に繰り出される、フックのあるメロディーと言葉が乗った、ポップでグルービーなチューンの数々。MCで山口一郎(Vo&Gu)が自分たちの聴いてきたアンダーグラウンドな音楽とJ-POPやJ-ROCKと呼ばれるエンターテイメント・ミュージックのどちらにも素晴らしい部分があると話し、その隙間を狙っていきたいと語っていたが、それこそが彼らのポップ感覚なのだろう。楽曲を彩る各パートのテイストにはファンクやニューウエィブ、ハードロックなどの懐かしい香りがあるのだが、それが繊細で、かつ技巧的なセンスによってひとつになり、斬新な楽曲を構成している。そして、さらにライヴという手法によって、ダイナミックなグルーヴを放つのである。そんな新進気鋭の独創サウンドが、ひしめき合う客席をトリップさせている様は圧巻だった。
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