晩秋

この国が一番美しい 燃える秋が訪れる
空の遠い遠い所から 懐かしい唄が聞こえてきそうだ

縁側で繕い物しながら 口ずさむ母の唄か
下校時間告げるチャイムと共に 流れたメロディか

悲しみに心奪われ 生きる力無くした時にも
季節は美しく巡り来て 優しく響く

声が潰れるほど泣いた夜も 抱き合った温もりも
過ぎ行く日々の暮らしの中に
いつの間にか埋もれて行くでしょう

街路樹が赤く色づく道 笑い合う子供達
道草をしてお帰りなさい 今を楽しむが良い

やがて寒い冬が来て 全てが雪に埋もれても
あなたと生きて愛し合った日々 忘れはしない

幾度も季節は巡って 全てが風に流れても
あなたが生きて残した温もり 決して消えない
木枯しが吹いても 雪に埋もれても 決して消えない
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