赤いハマナス

ひと冬遅れの 噂を聞いて
指のこよりの 重さを知った
いまもこの俺を 待つと言う
北の港は 夜霧にぬれる
赤いハマナス あゝたずね花

探せばゆく道 まだありながら
おまえ一人を 行かせたあの日
つくり笑顔の 片えくぼ
遠い灯りに ゆがんでゆれる
赤いハマナス あゝ影ばかり

夜更けのホームで 見かけた女
うすい背中に かさなるおまえ
めぐり逢えたなら 今度こそ
抱いてやりたい 想いのかぎり
赤いハマナス あゝどこに咲く
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