フォーカス

冷たい秋雨は知らぬ間に上がって カーテンの隙間に宿る日差し
退屈なテレビもステレオも止めたら 君とこの部屋から歩き出そう

僕らが今まで何度も繰り返し 眺め続けてきたこの景色を
季節の合図で 二人の足跡で 少しずつ少しずつ育ててゆこう
住み飽きた町だと嘆きそうな時は 両手の指でフレームを作って
一つだけの現在を残してゆこう

空き地の秋桜は出会いの恋模様 あの日の切なさが風に揺れる

忘れることなど出来ない程強く 胸の中 刻んだこの気持ちで
君を抱きしめて 自分を戒めて いつまでもいつまでも愛してゆこう
涙で道が遮られそうな時は 見上げる大空の青いフィルムに
いくつもの未来を描いてゆこう

気が付けば夕暮れ オレンジのプリズム 君が優しく目を細めながら
「綺麗…」と一言呟いた瞬間 僕はその手をとり握りしめた

僕らが今まで何度も繰り返し 眺め続けてきたこの景色を
季節の合図で 二人の足跡で 少しずつ少しずつ育ててゆこう
忘れることなど出来ない程強く 胸の中 刻んだこの気持ちで
君を抱きしめて 自分を戒めて いつまでもいつまでも愛してゆこう
答えに迷い立ち止まりそうな時は お互いの素顔にフォーカスして
色褪せない日々を繋いでゆこう
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