病気になる天才

ちょっとした熱で大袈裟に考え込む
もしかしたら癌かな
それとも胃潰瘍かな

知り合った頃は心配してくれたきみが
ある日呆れ顔で
ぼくを覗き込んで言った

「病気になる天才ね。」
バレたみたいだ
正体が

やがて歳を取り 天国へ行くときも
その呆れた顔で見送って欲しいんだ

そんな不安を他所に
今日もぼくが愚図ると
きみは笑いを堪え
そっと覗き込んで言った

「病気になる天才ね。」
「本当にいつも忙しいわね。」
「病気になる天才ね。」

ヘルニアかな?
糖尿病かな?
結膜炎かな?
腸炎かな?

インフルエンザかな?
胆石かな?
肝臓病かな?

ベイベー!! 見放さないで!!
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