東京

すっかり東京の満員電車に 僕は慣れたから
誰かのつま先を又踏んだけど 知らないフリした

故郷のばあちゃんが もしも見ていたら きっと悲しむし
吊革ギュッと握り 僕は呟き 自分に言い聞かせた

泣きたい時も笑えるんだよ 僕は強くなったから
窓に映る自分の事嫌いになりそうで ゆっくりと目を伏せた

すっかり東京のホームレスの数に 僕は慣れたから
哀しい表情をされたとしても 見て見ぬフリする

故郷のじいちゃんが もしも見ていたら きっと怒るから
都会の真ん中で 下唇を 何度も強く噛んだ

泣きたい時に泣けないんだよ 僕は強くなったのに
いつの間にか大事な物なくしていたから ゆっくりと顔上げた

上京した日に持っていた想いと優しさを 誰かが届けてくれてるかな
忘れ物センターにもしあるなら その落とし主は僕なんだ

泣きたい時に笑える僕は きっと弱くなったんだ
あの日のように自分の事 信じてやりたいし ゆっくりと顔上げた
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