揚羽蝶

それは行き場のない夜明けの事だった
浅い眠りに着く支度は嘘だった
耳元に聞き慣れぬ声 それだけを追えば
真っ赤な電飾に また君が遠くなった

まるで僕だけが ほら 騙されたみたいだ
吐き気と共にある紙切れを使って
気が付けば腹部を打つ波の様な予感に
名も知らぬ柔らかな風 週末が笑った

このまま別れと知りながら
僕達は交わって行く
世界は言葉にしても七行程度
悲しいが未来へ

擦り切れてくすむ空を 揚羽蝶が羽ばたいて
右に揺れて また揺れて ふわふわと踊る夢を見たなら
道端に添える様に 手の平を貸してあげよう
脳裏を駆け巡る日々 誰を呼ぶ

このまま別れと知りながら
僕達は交わって行く
絶えず それぞれを物語る
傷痕で広がりを増す
世界は言葉にしても七行程度
悲しいが未来へ

それは行き場のない目覚めの事だった
浅い眠りに着く支度も嘘だった
耳元に聞き慣れた声 それだけを追えば
真っ赤な電飾に ただ君が遠くなった

お前は誰なんだ
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