オカンのしおむすび

オカンのおにぎり しおむすび
なんも はいってへんかった
「ビンボーやからしゃあないの」
鼻唄歌って 笑(わ)ろとった
夕陽が背中に沈む頃
はやくオトナになれんかな
オカン助けて働くで
言うたら「あほぅ!」と どつかれた

オカンのおにぎり しおむすび
たまに 梅干し大当たり
「車にだけは当たりなや
赤チンつけても 治らんで」
あの娘に振られた帰り道
すこしオトナになったころ
ココロ傷つくことばかり
「泣いたらあかん!」と どやされた

オカンのおにぎり しおむすび
今も ときどき食べとぅなる
焼き肉よりもチカラつく
てっちりよりも上等や
今夜もおとこのひとり酒
深いオトナになったのは
オカン貧乏おかげさん
そやけど「まだまだ!」足りんてか

オカンのあのあじ しおむすび
ココロ満腹 しおむすび しおむすび
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