神無月の頃に

矢車草に 夕月淡(あわ)く
暮れゆく秋の 縁側で
言葉少なに 晩酌をする
父の背中が ちいさく見える
覚えていますか 幼い昔
飛ばしてくれた 紙風船・・・・・

あの掌(てのひら)を 思い出し
あぁ…泣けてきちゃったの お父さん! 神無月の頃に

柱に残る ちいさな釘(くぎ)に
揺(ゆ)れてた 赤いランドセル
夢でいっぱい ふくらむように

言った笑顔が 瞳(め)に浮かびます
心配ばかりで ごめんなさいね
わがまま気まま 意地っぱり・・・・・
大事にしたい 嫁ぐまで

あぁ…優(やさ)しかったなぁ お父さん! 神無月の頃に

月日の速(はや)さに ため息ついて
見上げる軒の 走馬灯・・・・・

なにがあっても 父娘(おやこ)です
あぁ…元気だしてね お父さん! 神無月の頃に
神無月の頃に
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