茜空

何年ぶりの茜空だろ
もうずっとこんな景色忘れていたな

見渡すかぎりの稲穂道
自転車を走らせ急いだ家路
カレーの匂いとテレピンの香り
学校の屋上から見た景色

あの日ぼくはぼくは見ていた
沈んでゆく夕日を
今も覚えてる覚えてる
確かに世界は輝いてた

東京に出てきて10年目
それなりにやるコツは覚えたが
景色の見方を忘れては
時々ひとりで泣けてくる

あぁ満員電車と人の群れ
何年たっても慣れません

あの日ぼくはぼくは見ていた
沈んでゆく夕日を
今も覚えてる覚えてる
確かに世界は輝いてた

何気なく見つめてた
窓の外 夕暮れの空
今はもう見かけないコウモリが飛んで

お帰りお帰り
声がしたよ

あの日ぼくはぼくは見ていた
沈んでゆく夕日を
今も覚えてる覚えてる
確かに世界は輝いてた

そうだよぼくはぼくは見ている
沈んでゆく夕日を
今も怖いくらい綺麗だよ
確かに世界は輝いてる
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