北放浪

沈む夕陽に 哭(な)く木枯らしは
いつか吹雪に なっていた
雪を着て 雪を着て
果てない夢を 追い求め
いまもお前は ひとりと聞いて
小樽(おたる) 石狩(いしかり) 北をさすらう

真綿降るよな 北国のはて
風のうわさの 吹きさらし
逢いたくて 逢いたくて
うなじの白い はにかみや
すぐに泣く癖 想い出ゆする
美唄(びばい) 滝川(たきかわ) 北をさすらう

北へ流れて 泣く汽笛さえ
なぜかお前の 声になる
いつの日か いつの日か
小さな灯り あればいい
春はそこまで 来ているようだ
名寄(なよろ) 紋別(もんべつ) 北をさすらう
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