最後の信号

夕立の中、通りが終わった。
大陽炎を喰らう、大蜃気楼がここに群青を導いた。

喧噪の中、時が止まった
幼少期から今も、この信号の元で俺は見ていた。

赤が青に黄色になって赤に。
ボーッとかしても常にこの視線は空に。
ボーッとかしてるうちに、黄色になって赤に。
もう数時間もすればあの星が空に。

奇異な目の中、犬が座った。
「よう、正気か?」って今も、この信号の元で俺を見ていた。

赤が青に黄色になって赤に。
ボーッとかしても常にこの視線は空に。
ボーッとかしてるうちに、黄色になって赤に。
小ー時間もすればあの星が空に。

『想い、この空まで、さぁ、届けよ。
それはある日、この全宇宙の光に。』

俺も星に、この信号も星に。
斜め前に見えるあの十字も星に。

赤が青に黄色になって赤に。
ボーッとかしても集う、夏の大三角形に。
ボーッとかしてるうちに、黄色になって赤に。
そうこうして、さぁ青に。

この通りを渡る。
×