君恋し

宵闇(よいやみ)せまれば 悩みは涯(はて)なし
みだれる心に うつるは誰(た)が影
君恋し 唇あせねど
涙はあふれて 今宵(こよい)も更(ふ)けゆく

唄声(うたごえ)すぎゆき 足音ひびけど
いずこにたずねん 心の面影(おもかげ)
君恋し 思いはみだれて
苦しき幾夜を(いくよ) 誰がため忍ばん

去りゆくあの影 消えゆくあの影
誰がためささえん つかれし心よ
君恋し 灯火(ともしび)うすれて
臙脂(えんじ)の紅帯 ゆるむも淋しや
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