別傷情景(わかれもよう)

別れのつらさにひと月泣いた
壊れるくらいにふた月泣いた
うつむきながら気がつけば
ひとり北国 旅の空
海が泣いてかもめも泣いて
みんな悲しみを耐えている
涙が枯れた わたしには
あなたを忘れる術がない
あしたを捜す ため息が
こころの谷間で雪になる

そら見たことかと誰かが言った
信じたおまえが悪いと言った
理屈でわかることもある
わかりたくないこともある
北の町は もう冬支度
人を哀れむ 暇はない
生きてくことはつらいこと
身を切る寒さに耐えること
死ぬことばかり 考える
わたしのこころに雪が降る

海が泣いて かもめも泣いて
みんな悲しみを耐えている
涙が枯れた わたしには
あなたを忘れる術がない
あしたを捜す ため息が
こころの谷間で雪になる
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