僕は君の涙

涙があふれて 大地にこぼれた
まぶしい真夏の陽射しを浴びたら
水蒸気になり 青い空 昇る
僕は君の瞳から落ちた涙

はるかな行方は 白い雲の上
悲しみ集めて 流す雨になろう
ひとつぶひとつぶ きらめくしずくは
濡れることも暖かい雨になろう

僕の旅は続く 僕はどこまで行くのだろう……

降り注ぐ雨は 大地をうるおす
濁った川さえ きれいに流して
花を咲かせよう この丘一面
僕は君の瞳から落ちた涙

思いはあふれて 大地にしみこむ
小さな緑は 朝露に揺れる
透き通った水を 木の根が吸い込む
僕は強くたおやかなブドウになる

グラスをあわせて 微笑み浮かべる
僕を飲み干した 美しいその女性(ひと)
元気になったんだね あの時の君
僕は君の瞳から落ちた涙

僕の旅は終わる ワインになって君のもとへ
僕は君の胸で 空と大地を思うだろう……
×