片想われ

アーケードの入り口 いつもの通学路
今朝も彼女は立っていた 恥ずかしそうに立っていた
目が合うとぶるっと震えてた

ひとつ年下で バレー部の彼女
いったい帰宅部の俺のどこに惚れたというのだろう
すれ違う時なんか言ってたが 聞こえないフリをした

やりたいときに好きなだけ やれる関係でいいなら
考えたっていいけど 付き合ってもいいけど
やりたいときに好きなだけ やれる関係がいいけど…
そんな都合のいい話 ある訳ないよな わかってる

手紙もメールも ずっと全部無視
かれこれもう一年だな よくもまあ懲りないもんで
修行かな さてはドMかな

乳は結構あると思われる
平凡なルックスだけど なんか可愛く見えてくる
それでもやはり 俺はどうしても 好きにはなれないのだよ

やりたいときに好きなだけ やれる関係でいいなら
考えたっていいけど 付き合ってもいいけど
やりたいときに好きなだけ やれる関係がいいけど…
そんな都合のいい話 ある訳ないよな わかってる

もうすぐ卒業だから こいつらともおさらばだ
昼休みの喧騒 抜け出して廊下に出ると
彼女が立ってたんだ 思い詰めた表情

図書室に連れて行かれて 面と向かって言われた
彼女の告白に俺は 慌ててつい口が滑った

「やりたいときに、好きなだけやれる関係でいいなら、
考えたっていいけど、付き合ってもいいけど」
「それでも私構いません。先輩のそばにいたいです」
彼女はそう答えたのだ なんて最低なんだろ俺

彼女がホッとしたように 微笑んだ
とりあえず放課後うちに来てもらう約束をした
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