春に

この気もちはなんだろう
この気もちはなんだろう
目に見えない エネルギーの流れが
大地から あしのうらを伝わって

この気もちはなんだろう
この気もちはなんだろう
ぼくの 腹へ 胸へ そうして
のどへ 声にならない さけびとなって
こみあげる この気もちはなんだろう

枝の先のふくらんだ 新芽が
心を つつく
よろこびだ しかしかなしみでもある
いらだちだ しかもやすらぎがある
あこがれだ そしていかりが かくれている
心のダムに せきとめられ
よどみ 渦まき せめぎあい
いま あふれようとする

この気もちはなんだろう
この気もちはなんだろう
あの空の あの青に 手をひたしたい
まだ会ったことのない すべての人と
会ってみたい 話してみたい
あしたとあさってが 一度にくるといい
ぼくはもどかしい

地平線のかなたへと 歩きつづけたい
そのくせ この草の上で じっとしていたい
声にならない さけびとなって こみあげる
この気もちは なんだろう
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