帰る

電車はただ走る あたしを乗せて
遠ざかっていく人の群れと 疲れ果てた昨日

扉が開いて 風が舞う
冷たい空気 吸って 思い出していく
時が止まったようなあたしの町
もうすぐ見えるよ 窓の向こうに

絵画のような記憶 並べてみれば
帰り道 わかるわ
いつかのように「お帰り」を聞かせて

心の中 埋まる 慌ただしい日々
見失ってしまう 夢の続き
輪郭だけ 残して

離れては 近づいて
追い越してく電車
窓の外 変わらぬ景色
枝分かれする線路
あたし どこで何を間違えたの

思い切り吸い込んだ 懐かしい風
洗い流して もう一度
違う明日を描きたい
当たり前が当たり前じゃなくなってく
その前に呼び止めて
ぶれた心 引き寄せて

扉が開いて 風が舞う
冷たい空気 吸って 心が凪いだ
時が止まったようなあたしの町
降り立つホームから 明日が見えた

絵画のような記憶 並べてみれば
帰り道 わかるわ
目を閉じても歩けそう
何度転んだって きっと大丈夫
帰る場所 あるから
いつかのように「ただいま」を言わせて
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