北行路

季節はずれの 淡雪が
旅立つふたりの 肩に降る
このまま下りの 改札を
抜けたら二度と 戻れない
「あなた悔やんで ないですか…」
恋の道ゆき 北行路

暗いガラスの 向こうには
荒波うち寄す 日本海
あなたは窓辺で 瞳(め)を閉じて
夜汽車の警笛(ふえ)を 聴いている
「何か話して つらいから…」
噂のがれて 北行路

あなた生まれた 故郷(まち)を捨て
わたしは大事な 父母を
知らない何処かの 駅に着き
明日(あす)からふたり 出直すの
「あなたしっかり 抱いていて…」
恋の道ゆき 北行路
×