袴をはいた渡り鳥

西へ傾く 昨日は追うな
東に出てくる 明日を待て
そんなせりふで 決めては 決めてはいても
胸の真ン中 のぞいてみれば
みれん模様の 涙が泳ぐ
あンあ… 袴をはいた渡り鳥

どうせ誰かが 傷つくならば
代ってやろうか その役を
粋なつもりで かぶった かぶった笠を
笑うからすに 怨みはないが
好きで別れた あの娘が恋し
あンあ… 袴をはいた渡り鳥

人の弱身に つけこむ奴を
ゆるしておけない 性格(たち)なのさ
こんな血すじを さずけた さずけた親の
恩義ひとつを 心に抱いて
浮世七坂 倒れて起きる
あンあ… 袴をはいた渡り鳥
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