白く吐く息をくすぐって
風が気まぐれに寄り添って 消える
泣きたい想いで振り返る
それが生まれた場所へ 帰ろうか

涙の理由は尋ねずにいよう
手を振るように 風が吹いた

時のさざ波に洗われて
とうに忘れたはずなのに 何故か
ふいに思い出す顔がある
たぶん本当はすごく 好きだった

別れの前は微笑んでいよう
見送る頬に 雨が降った

押され 揉まれ 転がりながら 歩いてきた道
膝をついて見上げる空に 変わらない景色
ここに 今でも

帰ろうか
汚れた靴はそのままでいよう
頷くように 風が吹いた
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