如月

止まぬざわめきに耐え切れず 思わず仰いだ狭い空に
君のカタチは現れずに 崩れて流れて消え行く雲

様変わりした街に あの日を重ねてみても
わずかにずれる二人の影に 切なくまた俯いてしまう…

気付かず速まる足音に 溜息を絡め夜明けを待つ
窓の隙間落ちた三日月 救い出すこともできないまま

乾いた喉が痛む 右手がしびれている
取り留めなくにじむ涙を ごまかす言葉も見つからない…

君と出会わなければ 苦しまずに済んだの?
違う違うと問いただして 無理矢理瞳閉じる毎日
巻き戻せるのならと 偽りさえ装うけど
瞬きを繰り返す程に 思い出に溶ける君の笑顔
音もなく訪れた如月 あの日をただ優しく包んで…
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