風空港

木枯らし吹きぬく空港を
ひそかに 旅立つ人がいる
とけためばり隠す メガネかけて
影さえ重たそう
行き交う人影 はしゃぐ声
しあわせ模様に 背を向けて
別れ告げる 電話かける女
ことばも止切れがち
いいの…見送らないで
すきよ…だからあなたが
いつも口ぐせだった 自由をあげる
最終フライト 五分前
倖せだったわ
サヨナラ サヨナラ ありがとう

霧雨まじりの 北風に
押されて 旅立つ女がいる
頬を走るなみだ 黒い泪
いまにも凍えそう
そこに…そこにいてくれ
すぐに…すぐに行くから
叫ぶ電話の声 ひきずりながら
夜空に旅立つ ジェット便
かえらぬ月日が
小さな 小さな 点になる
かえらぬ月日が
小さな 小さな 点になる
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